暗号資産市場は転換期を迎えており、2025年に初めて本格的なアルトコインシーズンが到来する兆しが見えている。現在、ビットコインからイーサリアムやその他のアルトコインへと資金が流れ込んでおり、市場には強気のムードが広がっている。
問題は、アルトコインシーズンがいつ始まり、投資家はどのトークンに注目すべきかという点である。
待望のアルトコインシーズンに向けて
現在の暗号資産市場は、アルトコインシーズンと呼ばれる局面に向けた過渡期にある。この「アルトコインシーズン」とは、上位50銘柄のうち75%以上がビットコインを上回るパフォーマンスを示す期間を指す。
現時点では、その割合は49%にとどまっており、アルトコインの優勢が進行中であることは確かだが、完全にシーズン入りしたとは言えない状況だ。とはいえ、複数のアルトコインがビットコインに対して強含んでおり、投資家心理も変化しつつあることから、近い将来、正式なアルトコインシーズンの到来が見込まれている。
この49%という中間地点は、現在の市場がまだ調整局面にあることを示唆している。中にはすでにビットコインを上回る動きを見せているトークンもあるが、本格的な上昇は2025年第2四半期末までに始まる可能性がある。
BeInCryptoの取材に対し、アナリストのマイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、マクロ経済要因が暗号資産の動向を左右すると指摘した。
「マクロ経済は、投資家がリスク回避からリスク選好へとシフトするうえで極めて重要だ。金(ゴールド)とイーサリアムの間には強い逆相関があり、金が停滞するとイーサリアムのようなリスク資産が強くなる。一方で、金が大きく上昇すると、通常はアルトコインが低調になる。また、近年のM&A(合併・買収)やIPO(新規株式公開)、米国における暗号資産規制法案の承認なども、暗号資産市場の注目度を押し上げている」と同氏は述べた。
今月初めに6.1%の下落を記録した後、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は再び上昇傾向にある。当初、この下落はアルトコインシーズンの前兆と捉えられていた。
歴史的に見ると、ビットコインのドミナンスが下がる局面では、アルトコインのパフォーマンスが市場全体を押し上げる傾向にある。しかし、再びビットコインの優勢が強まれば、市場はビットコイン中心の流れに戻り、アルトコインシーズンの開始は遅れる可能性がある。ヴァン・デ・ポッペ氏は、これもマクロ経済要因が大きく影響するとみている。
「もしアルトコイン市場が今後も上昇を続けられないのであれば、その主な原因は暗号資産市場以外の要素にあると考えられる。過去6カ月間のマイナスリターンも、マクロ経済の変化による影響が大きかった。仮に再びリスク回避の動きが強まれば、例えば貿易戦争や本格的な戦争、あるいは景気後退(リセッション)の懸念などが原因となって、アルトコイン市場が再び落ち込むこともあり得る。しかし、逆にそのような懸念が後退すれば、強い上昇相場に突入する可能性もある」と同氏は語った。
イーサリアムの上昇基調が続く
イーサリアムの価格は今月初めから55%上昇しており、4,000ドル(約62万円)に迫る勢いだ。この上昇の主な要因は、ビットコインからイーサリアムへの資金移動であり、高リターンを狙う投資家が注目している。
「イーサリアムはビットコインを70%以上上回るパフォーマンスを示しており、現在はイーサリアム主導の相場にある。この劇的な変化の背景には、米国における規制環境の改善がある。GENIUS法案の可決とCLARITY法の導入によって、機関投資家の資金がイーサリアムに流れ込みやすくなった。実際、過去数週間ではビットコインETFよりもイーサリアムETFへの資金流入が多かった」とヴァン・デ・ポッペ氏はBeInCryptoに語った。
このようなイーサリアムの上昇は、同ブロックチェーン上に構築されたアルトコインにも波及するとみられている。今後のアルトコインシーズンにおいて、注目すべき銘柄となる可能性が高い。
「イーサリアムエコシステム内で実用性を持つトークン(Aave、Optimism、Celestia、Arbitrumなど)は、イーサリアムが好調なときに大きく伸びる傾向がある。また、米国と関連のあるトークンも、規制緩和の恩恵を受けて注目が集まる可能性が高い」と同氏は述べた。
現在のイーサリアムの強気な動きは、価格を4,000ドル(約62万円)超へ押し上げる可能性がある。ビットコインからの資金流入が続けば、さらに高値を更新し、市場全体に波及する影響も大きいとみられる。投資家は、イーサリアム主導のさらなる上昇局面を注視している。
Bitcoin Hyper、AI活用型アルトコインとして台頭
Bitcoin Hyperは、ビットコインのブランド性とAI技術を融合させた分散型金融(DeFi)プロジェクトであり、現在プレセールの第3ステージにある。価格は0.000645ドル(約0.10円)で、急速に注目を集めている。
すでに190億枚以上が販売されており、1日の販売ペースも加速していることから、次のミーム主導型ラリーにおける有力候補として注目されている。
一般的なミームコインとは異なり、Bitcoin Hyperは実用性と話題性を両立させている。超高速取引、分散型AIトレーディングツール、HODL報酬によるパッシブ収益など、複数のユーティリティ機能を備えている。
同プロジェクトは最近、大きな節目として資金調達額が700万ドル(約10億9,000万円)に達したと発表。コミュニティの関心も高まっている。
今後のロードマップでは、中央集権型取引所(CEX)への上場や、独自のAIトレードエンジンのベータ版リリースが予定されている。
暗号資産関連コミュニティでの露出が増えていることや、明確なプレセールの構成により、個人投資家からの関心も急速に高まっている。次回の価格改定も間近に迫っており、早期に購入したい投資家にとってはタイミングが重要となっている。