暗号資産市場は依然として本格的な強気相場には至っておらず、全体的な市場環境の影響が続いている。ただし、プロジェクトの基盤整備やネットワークの進展は、価格上昇のきっかけとなり得る。
BeInCryptoは今週、投資家にとって成長の可能性を秘めた3つのアルトコインに注目した。
Bitcoin Hyper(ビットコイン・ハイパー)
Bitcoin Hyperは、ビットコインの理念と知名度、イーサリアムのセキュリティと多機能性を組み合わせたプロジェクトである。その見た目は、スーパーヒーローのコスチュームを着たPepeをマスコットとするミームコインのように見えるが、実際にはビットコインネットワークに新たなユースケースをもたらすことを目指している。
このプロジェクトの基本構想は、ビットコインを単なる「価値の保存手段」から、スマートコントラクトや分散型アプリケーション(dApps)を扱える、イーサリアムのような存在へと進化させることにある。
従来のソリューションとしては、ライトニングネットワークなどが高速かつ低コストな取引手段として利用されてきたが、Bitcoin Hyperはそれを超える意義のある機能を提供しようとしている。同プロジェクトのレイヤー2(L2)スケーリング技術は、単にオフチェーン処理にとどまらず、ブロックチェーンの技術進化にも対応可能なネットワーク構築を目指している。
また、Bitcoin Hyperとビットコインの間にブリッジを構築し、ユーザーが間接的にビットコインにアクセスできる仕組みも構想されている。さらに、Solana Virtual Machine(ソラナ仮想マシン)を統合し、分散型アプリケーションやDeFi(分散型金融)の開発環境としての拡張も進めている。
現在までに約260万ドル(約4億1,600万円)の資金を調達しており、プレセールはまもなく終了予定とされる。暗号資産系メディア「99Bitcoins」の著名アナリストらは、Bitcoin Hyperを「次の10倍銘柄」として注目している。
Celo(CELO)
Celo(セロ)は、今週予定されている「Isthmus(イスムス)」メインネットのリリースにより、大きな注目を集めている。このアップデートでは、スケーラビリティ(拡張性)、相互運用性、セキュリティ強化が期待されており、ネットワーク全体の性能向上と投資家の関心を呼び込む可能性がある。
テクニカル指標であるパラボリックSARでは、上昇トレンドが継続中と示されており、CELOの価格は今後上昇する可能性が高い。強気の勢いが継続すれば、0.282ドル(約45円)および0.298ドル(約47円)のレジスタンス(上値抵抗線)を突破し、さらに価格が押し上げられる可能性がある。
一方で、強気の勢いが失速すれば、売り圧力にさらされる可能性もある。0.261ドル(約41円)を下回ると、過去最安値である0.236ドル(約37円)まで下落するリスクがある。この水準を割り込めば、強気シナリオは無効となり、市場の弱さを示す兆候となる。
Dogecoin(DOGE)
Dogecoin(ドージコイン)は現在0.169ドル(約27円)で取引されており、重要なサポートライン上を辛うじて維持している。注目の背景には、イーロン・マスク氏が新たに設立した政治団体「America Party(アメリカ・パーティ)」の発表がある。このニュースは投資家心理に影響を与え、今後の価格動向に変化をもたらす可能性がある。
マスク氏の発言や行動が再びミームコイン市場の熱を呼び起こせば、Dogecoinにも上昇圧力がかかる可能性がある。MACD(移動平均収束拡散法)指標は、強気のモメンタムが強まっていることを示しており、0.175ドル(約28円)のレジスタンス突破を後押しするかもしれない。これに成功すれば、0.182ドル(約29円)までの価格上昇が見込まれ、さらなる需要を喚起する可能性がある。
ただし、0.169ドルのサポートラインを維持できなければ、価格は0.162ドル(約26円)まで下落する恐れがある。この水準を割ると、強気シナリオは崩れ、市場心理が反転する可能性が高い。
