10月6日に一時的に史上最高値の126,080ドル(約1,925万円)を記録した後、ビットコインは数週間にわたり下落基調が続いている。現在は83,814ドル(約1,280万円)前後で推移し、過去6か月で最も低い水準となり、下落トレンドに入ったように見える。
それでも一部の市場関係者は動揺しておらず、今回の下落を市場サイクルの一部と捉えている。過剰なレバレッジを解消し、投機的な取引を抑制する過程であり、こうした局面が次の強気相場への土台を築くとの見方だ。
同時に、新しい市場テーマも浮上している。それは「次の強気相場の中心はビットコインではない可能性がある」という点である。
この状況を踏まえ、現在割安水準にあるXRP、Solana、Pepeが注目される理由を整理する。
XRP(XRP):国際送金の新たなスタンダードを担う可能性
RippleのXRPは、高速かつ低コストの決済プロトコルにより、フィンテック業界での注目を維持している。この技術は、Rippleが将来的にSWIFTのより効率的な代替手段になる可能性を示していると主張するものだ。
XRPはUN資本開発基金や米国ホワイトハウスのデジタル金融レポートにも取り上げられ、国際決済資産としての評価を強化している。Rippleの銀行および決済企業との提携拡大により、XRPは時価総額1160億ドル(約17.7兆円)超で暗号資産市場4位の地位を維持している。
さらに、Rippleは米ドル裏付け型ステーブルコイン「RLUSD」を投入。この取引では、一部のXRPが焼却(バーン)される仕組みが導入されており、長期的なXRP価値とネットワーク使用量が直接結び付く構造が形成されている。
過去1年間でXRPは70%上昇し、7月には6年ぶりに3.65ドル(約56円)の最高値を更新した。同期間にビットコインは14%下落している。現在のRSIは31付近で売られ過ぎとされ、1.94ドル(約30円)という価格は長期保有者にとって魅力的な水準だ。
今週上場した9つのXRP ETFが反転の契機となる可能性がある。また、政府が推進する「Project Crypto(国家デジタル資産枠組み)」が本格化すれば、XRPは2026年に10ドル(約150円)以上を目指す可能性があるとの見方もある。
Solana(SOL):Ethereum最大のライバル、1,000ドルへ向けた動き
Solanaは、暗号資産市場で最速級のスマートコントラクト基盤へ成長している。時価総額は710億ドル(約10.8兆円)超、DeFiにロックされた総資産は90億ドル(約1.37兆円)近くに達し、Ethereumの強力な競合として存在感を強めている。
今年、米NYSEではGrayscaleとBitwiseによるSolana現物ETFが登場し、機関投資家の大型資金流入の道が開かれた。これと同様の動きは、過去にビットコインやイーサリアムの急騰を後押ししている。
SOLは今年初めに約100ドル(約15,300円)で底を付け、現在128ドル(約19,600円)付近まで戻している。技術分析では9月中旬から形成されている強気フラッグが意識されており、約250ドル(約38,200円)付近に強い抵抗帯がある。ここを明確に突破すれば、過去最高値の293.31ドル(約44,800円)を超え、強いQ4相場では750ドル(約115,000円)を目指し得るとの見方もある。
またSolanaは低コスト・高速性能を武器に、Franklin TempletonやBlackRock(ブラックロック)などの大手企業によるRWA(現実資産トークン化)の採用先となっており、今後さらに利用拡大が見込まれる。
Pepe(PEPE):新高値に向け再び動き始めた「カエルミーム」
2023年4月に誕生したPepeは、Boy’s Clubのウェブコミックのキャラクターを基に作られたミームコインだ。登場直後からコミュニティの関心を集め、現在は時価総額17億ドル(約2,600億円)以上の規模へ成長している。
Dogecoinやビットコインを保有するイーロン・マスク氏がXのプロフィール画像にPepeを使用したことも、保有への憶測を呼び、SNS全体で話題が拡散した。
現在の価格は0.000004255ドル(約0.00065円)前後で、2024年末のピーク0.00002803ドル(約0.0042円)から約85%下落している。RSIは31付近に位置しており、今週末には買い集めの動きが発生する可能性がある。ただし、約1年8か月ぶりの安値圏で推移している点には注意が必要だ。
しかし、米規制当局が暗号資産企業向けの証券ルールを見直す可能性があるとの報道もあり、これが実現すれば市場心理が改善し、Pepeが過去最高値を更新する可能性がある。
Bitcoin Hyper(HYPER):ミーム×高速ビットコインL2技術
2026年に向けて注目度を高めているのが、Bitcoin Hyper(HYPER)だ。ミームコイン的なデザインを持ちながら、ビットコインに高速処理や低手数料、スマートコントラクト機能を実装するレイヤー2ソリューションを目指すプロジェクトである。
HYPERはSolana Virtual Machine(SVM)上で稼働し、分散型ガバナンスやビットコインを高速・安全にブリッジする「Canonical Bridge」を備える。
現在までにHYPERのプレセールでは2,825万ドル(約430億円)以上が調達されており、人気アナリストのBorch Crypto氏は「最大100倍のリターンもあり得る」と指摘している。
さらに、Coinsultによる監査では脆弱性が見つからず、プロジェクトの信頼性が強化された。HYPERは取引手数料、ガバナンス、ステーキングに使用され、プレセール初期購入者は最大41%のAPYを得ている。
ビットコインは2026年、HYPERへと進化する可能性がある。
