ビットコインは2025年10月6日に126,080ドル(約1,940万円)の最高値を一時的に更新したものの、その後は下落基調が続いている。現在は88,634ドル(約1,360万円)付近にあり、過去6か月で最も低い水準となっている。
市場が弱含む中でも、多くのアナリストは動揺せず、「過熱したレバレッジと投機を冷ます健全な調整だ」という見方を示している。こうした調整は次のサイクルに向けた土台作りにつながる場合が多いとされる。
同時に、新たな見方が広がり始めている。次の強気相場の中心がビットコインではない可能性があり、実需や制度面での活用が進む複数のアルトコインが主導するというシナリオだ。ここでは、そのなかでも注目されるXRP、Zcash、Pi Networkについて整理する。
XRP:新たな国際送金インフラの有力候補
Ripple(リップル)が開発するXRPは、迅速かつ低コストで送金できるネットワークに支えられ、金融テクノロジー領域で高い注目を集めている。この技術は、将来的に国際送金規格であるSWIFTを置き換える可能性があるとされている。
XRPは、国連資本開発基金や米国ホワイトハウスの金融報告にも取り上げられており、Rippleが世界各国の銀行や決済企業と提携を進めていることが背景にある。その結果、XRPは時価総額が1,240億ドル(約19兆円)超となり、上位暗号資産としての地位を維持している。
また、Rippleは米ドル裏付け型ステーブルコイン「RLUSD」を発行した。このトークンの送金が進むほど、少量ずつXRPが市場から消える仕組みとなっており、ネットワーク利用と長期的なトークン価値が結びつく構造になっている。
過去1年間でXRPは81%上昇し、2025年7月には3.65ドル(約560円)の新高値を記録した。一方で同期間のビットコインは6%下落している。現在のXRPは2.05ドル(約310円)付近で推移し、RSI(相対力指数)は40近辺となっていることから、割安と見なす投資家が増えやすい状況にある。
米国でスポットETFの承認や暗号資産規制「Project Crypto」が進展した場合、アナリストはXRPが2026年までに10ドル(約1,550円)以上を目指す可能性を指摘している。
Zcash:金融プライバシーの旗手、1年で上昇率1,400%以上
2016年にビットコインのフォークとして誕生したZcash(ZEC)は、金融プライバシーを目的に設計された暗号資産である。
ZECは、送信者・受信者・金額を明らかにせずに取引の正当性を証明できる暗号技術「zk-SNARKs(ゼロ知識証明)」を採用している。また、透明性のあるアドレスと匿名性の高いシールドアドレスを選択できるため、プライバシーを求めるユーザーと規制順守を必要とする企業の双方に対応可能だ。
過去1週間でZECは39%上昇し、過去12か月では1,480%という大幅な上昇を記録した。現在は686ドル(約10万5,000円)付近で推移し、時価総額は110億ドル(約1兆7,000億円)超となっている。プライバシー系暗号資産市場全体(320億ドル=約4兆9,000億円)の多くを占める存在だ。
RSIは62付近にあり、強い買い圧力が続いている。規制の明確化とプライバシー技術の普及が進めば、ZECが年末までに2,500ドル(約38万円)に到達する可能性があるとみられている。
Pi Network:モバイルマイニングの普及は1ドル突破につながるか
Pi Network(PI)は、専用マシンを使わずスマートフォンの操作だけで採掘できる「タップ・トゥ・マイン」を導入したことで、暗号資産への参加障壁を大きく下げたプロジェクトだ。
PIは現在、RSIが60付近と買い需要が強まっており、市場全体が下落するなかでも過去24時間で3%上昇している。2025年に形成されているチャートパターンは価格上昇(ブレイクアウト)の可能性を示しており、市場のムードが改善すればクリスマスまでに3ドル(約460円)付近に達する可能性がある。現在価格は約0.24ドル(約37円)であり、実現すれば約12.5倍の上昇となる。
開発チームは現在、メインネット移行に向けた「Version 23」を進めているとされ、このアップデートが普及の加速につながれば、過去最高値2.99ドル(約460円)を再び超える可能性がある。
Pi Networkは、独自のレイヤー1ブロックチェーン、簡易なユーザー導入、急速に拡大するコミュニティを備えており、より広い暗号資産採用の波に乗れる位置にある。
Bitcoin Hyper(HYPER):ミーム的ブランドと高速ビットコインL2の融合
2026年に向けて注目されている新興プロジェクトのひとつが、Bitcoin Hyper(HYPER)だ。ミームコイン風のデザインとは対照的に、実態は処理速度に優れ、低コストでスマートコントラクトを実装できるビットコイン向けレイヤー2プロトコルである。
このネットワークはSolana Virtual Machine(SVM)を基盤としており、分散型ガバナンスや高速ブリッジ「Canonical Bridge」を搭載し、ビットコインを迅速かつ安全にクロスチェーン移動できる。
HYPERのプレセールはすでに2,800万ドル(約43億円)以上を調達し、著名アナリストBorch Cryptoは「100倍のリターンを狙える可能性がある」と述べている。Coinsultによる監査では「スマートコントラクトに欠陥なし」と評価されており、信頼性も確保された。
トークンは手数料、ガバナンス、ステーキングに利用でき、プレセール参加者は最大41%の年利で報酬を受け取れる仕組みとなっている。
ビットコインは2026年、Hyper(超高速時代)へ向かうのか、注目が集まっている。
