ビットコイン(BTC)はここ数日下落傾向にあり、木曜日の史上最高値から7%下落した。市場では米連邦準備制度(FRB)の政策や地政学的リスクへの懸念が広がっており、この影響はETHやSOLといった主要アルトコインの勢いも冷やしている。しかし、すべてのプロジェクトが減速しているわけではない。
新たなビットコインLayer-2プロジェクトであるBitcoin Hyper(HYPER)は、プレセールで1,000万ドル(約15億円)を突破した。BTCが売られる局面であっても、HYPERのプレセールには安定した資金流入が続いている点が注目される。
同プロジェクトは、ビットコインのセキュリティにソラナ(Solana)並みの速度とプログラマビリティを組み合わせ、さらにステーキング報酬を提供するとしている。一部の業界関係者は、現時点で最も注目すべき暗号資産プロジェクトの一つになり得ると指摘している。
では、この期待は実際に実現するのか。本稿ではBitcoin Hyperの仕組み、技術、投資家が惹きつけられる理由を整理する。
Bitcoin Hyperがもたらすソラナ級の速度とビットコインの安全性
Bitcoin Hyperは、ビットコインのセキュリティとソラナの処理速度を融合させることを目指している。チームはSolana Virtual Machine(SVM)を用いたLayer-2ネットワークを構築し、プログラムはSVM上で実行されつつ、最終的な決済はビットコインに戻す設計だ。これにより、DeFi(分散型金融)、ブロックチェーンゲーム、RWA(現実資産)、ミームコインなど幅広い用途が可能となる。
基盤となるのはロールアップ型アーキテクチャである。取引はまとめて処理され、Proof-of-Stake(PoS)で検証された後、ビットコインに記録される。利用者はBTCをオンチェーンでロックし、Bitcoin Hyper上でラップドトークンを発行して高速かつ低コストの取引を行い、必要に応じてバーンして元のBTCに戻す。
これは既存のブリッジモデルに似ているが、Bitcoin Hyperは「カノニカル(正統)」な設計により効率性と安全性を重視している点が特徴である。これにより、StacksやLightning Networkといった他のビットコインLayer-2とは一線を画す。
スピード、プログラマビリティ、そしてビットコインとの直接的な結合──これらが組み合わさる点に多くの注目が集まっている。YouTuberのAiden Crypto氏も取り上げており、もし仕組みが機能すれば、ビットコインは「価値の保存手段」を超えて、スマートコントラクトの基盤となる可能性があると述べている。
HYPERトークンのプレセールが加速──1,000万ドル超を調達、ステーキングも可能
Bitcoin Hyperのプレセールは勢いを増している。これまでに1,030万ドル(約15億5,000万円)を超える資金を集めており、HYPERトークンの価格は0.012745ドル(約1.9円)に設定されている。価格は1日以内に再び引き上げられる予定であり、投資家にとって早期購入の動機となっている。
HYPERトークンはETH、USDT、BNB、さらにはクレジットカードでも購入可能で、Best Walletのようなウォレットを接続すれば取引できる。さらに、プレセール期間中からステーキングが可能で、年間利回りは105%と試算されている。
プレセール終了後は迅速に展開される予定だ。まずUniswap(ユニスワップ)への上場が行われ、年末までに複数のCEX(中央集権型取引所)への上場が計画されている。その時期に合わせて、Layer-2メインネットとカノニカルBTCブリッジの稼働も予定されている。
ロードマップでは、開発者インセンティブ、初期のDeFi・NFTアプリケーション、そしてDAO(分散型自律組織)によるガバナンスへと発展する計画が描かれている。投資家にとっては、上場やネットワーク稼働、エコシステム拡大を前に割安で購入できる今が好機と考えられる。
トークノミクスとロードマップ──Bitcoin Hyperの将来展望
Bitcoin Hyperのトークノミクスは、早期投資家を優遇しつつ開発者エコシステムを育成する設計だ。発行上限210億HYPERのうち、30%がプレセール購入者に、25%がステーキング報酬に割り当てられ、残りは財務、チーム、流動性、マーケティング、DAO準備金に分配される。
特に大きなステーキング割り当てにより、初期投資家は高い利回りを享受している。チームトークンは1年間ロックされ、その後4年間かけて段階的に解放される仕組みで、急激な売却を防ぐ設計だ。
もし計画通りに進めば、Bitcoin Hyperは今年「買うべき暗号資産」の一つとなる可能性がある。SVMをビットコインのロールアップ上で稼働させることにより、ビットコインに完全なスマートコントラクト機能を付与できる。さらにカノニカルブリッジによって、これまでウォレットに眠っていたBTCをDeFiで活用することも可能になる。
もっとも課題もある。ブリッジには大規模なテストが必要であり、普及は開発者が実際にアプリケーションを構築するかどうかに依存する。また、規制の動向も結果に影響を与えるだろう。しかし、プレセールがわずかな期間で1,000万ドルを突破した事実は、この種のLayer-2ソリューションに対する市場の関心を示している。