暗号資産市場では、ビットコインの過去最高値更新が話題となっている一方で、より注目すべき動きがその上のレイヤーで進んでいる。長年構築されてきた「ビットコイン・レイヤー2」の物語が、ついに本格的に注目を集め始めたのだ。
これまでビットコインは「保有して値上がりを待つだけ」と見なされがちだった。しかし新たなプロジェクト群は「BTCでさらに多くのことができないのか」という問いを掲げ、DeFi（分散型金融）やゲームといった分野で使える「高速レーン」を構築しようとしている。こうした新しい物語が注目されると、資金は自然と集まる。現在、まさにその動きを示しているのがBitcoin Hyper（HYPER）である。正式ローンチを前に、静かに勢いを増しつつある。
HYPERのプレセールは、すでに2,300万ドル（約34億7,000万円）に迫る資金を調達している。この初期段階での強い支援は、HYPERがビットコインに欠けていたdApps（分散型アプリ）エコシステムを実現できるのではないかという期待の表れである。
Bitcoin Hyperが2,200万ドルを集めた理由は？
2,270万ドル（約34億3,000万円）という資金を集めるのは容易ではない。現在も数十万ドル規模の資金が日々流入しており、HYPERはいつ2,300万ドルを突破してもおかしくない状況だ。では、投資家を引きつける要因は何か。
その一つは、プレセールの設計にある。段階的な方式を採用し、HYPERトークン価格は数日ごとに上昇する仕組みになっている。現在の価格は0.013085ドル（約2円）で、早期参加者に報いる形となっている。
さらに注目すべきは、個人投資家だけではなく、大口投資家（クジラ）の動きも見られる点だ。先週には1件で27万4,000ドル（約4,100万円）を投じた投資家も出ている。1週間で約100万ドル近い大型投資が続いたことは、「スマートマネー」がHYPERに本格的な期待を寄せていることを示している。
加えて、HYPERには年率51%のステーキング報酬が組み込まれている。これにより、DEX（分散型取引所）への上場前にトークンをより多く確保できる点も、プレセール参加を後押ししている。
Bitcoin Hyperのレイヤー2技術の仕組み
Bitcoin Hyperは、ビットコインの最大の弱点である「処理速度の遅さ」を解決することを目的としている。ビットコインのブロックチェーンは堅牢な「要塞」のような存在だが、現代のアプリケーションには適さない。
そこでBitcoin Hyperは、ビットコインの上に構築された高速「ハイウェイ」として機能する。複雑かつ高速な取引を独自レイヤーで処理し、メインチェーンの混雑を回避する仕組みだ。
この基盤を支えるのはSolana Virtual Machine（SVM）であり、ソラナの高速処理性能をビットコインに持ち込む。安全なカノニカル・ブリッジを通じてBTCをレイヤー2に移し、DeFiやNFT取引などに活用した後、再びメインチェーンに戻すことができる。
こうした仕組みにより、アナリストのCRYPTOP氏は「SVMがビットコインに本格的なアプリエコシステムをもたらす可能性がある」と評価している。同氏は「EthereumにおけるOptimismやArbitrumのような役割を、Bitcoin Hyperが担うかもしれない」とも指摘している。
Bitcoin Hyperが他のレイヤー2と異なる点
Bitcoin Hyperは、ビットコインのスケーリングを試みた最初のプロジェクトではない。StacksやRootstockなどの事例もある。しかし、多くはビットコインの遅いブロックタイムに依存しており、それが限界となっていた。
一方、Bitcoin Hyperはソラナのエンジンを活用することで速度の制約を解消しつつ、ビットコインのセキュリティを維持している。このアプローチは「両方の長所を兼ね備える」ものだ。
さらに透明性の面でも強調できる。Bitcoin HyperのコードはCoinsultとSpyWolfによって2度の監査を受けており、安全性の確認も進んでいる。
これほどのプレセール資金と技術的基盤を持つBitcoin Hyperは、ビットコインを次のステージに押し上げる可能性を示している。そのため、多くのトレーダーがメインネットのローンチを前に注視している。
免責事項：本記事は投資助言ではない。暗号資産はリスクが高いため、投資にあたっては各自で十分な調査を行うこと。