仮想通貨のプレセール市場は、ここ最近で大きな変化を見せている。10月から11月にかけて広い暗号資産市場が停滞する中、ICO(新規コイン公開)は数年ぶりに高い盛り上がりを記録した。
複数のプロジェクトが数百万ドル規模の資金調達に成功し、上場後に急騰する例も増えている。たとえば、Solana(ソラナ)基盤のAviciは、上場から1か月足らずで400%以上の投資収益率(ROI)を達成している(CoinMarketCapデータ)。
こうした傾向は、市場が変化し、2022年以降に上昇してきた既存銘柄よりも、新しいトークンへの注目が高まっている表れかもしれない。あるいは、市場が静かな今だからこそ、成果を上げているプレセールにスポットライトが当たっているだけとも考えられる。
いずれにせよ、プレセールが勢いを増している現状は無視できない。そこで今回は、2026年に大きく伸びる可能性を持つ4つの有望プロジェクトを紹介する。
Bitcoin Hyper(ビットコイン・ハイパー)
暗号資産市場では「勢い」が重要であり、Bitcoin Hyperはその momentum を強く示している。Bitcoin(ビットコイン)を高速化し、低コスト化し、さらにプログラム可能にするLayer 2ブロックチェーンの構築を進めている。
Bitcoinが1秒あたり7件の処理能力(TPS)を持つのに対し、Bitcoin HyperはSolana Virtual Machine(SVM)を採用することで、理論上は数千TPSの処理が可能になる。
また、SVMを統合することでスマートコントラクトの実行も可能となり、DeFi(分散型金融)、ミームコイン、RWA(現実資産)、ステーブルコイン(価格が安定した暗号資産)など、多様なユースケースを生み出す基盤となる。Bitcoinを「価値保管」から「プログラム可能なマネー」へ進化させる取り組みだ。
これまでにBitcoin Hyperのプレセールは2,750万ドル(約41億円)を調達しており、直近1週間でも約100万ドル(約1億5,000万円)が流入している。厳しい市場環境にもかかわらず、この規模の資金が集まっている点は特筆される。
大量の資金が集まっていることは投資家の信頼を示すとともに、同プロジェクトが長期的なエコシステム開発を続けるための十分な財源を確保していることを意味する。
Best Wallet Token(ベスト・ウォレット・トークン)
Best Wallet Tokenも勢いのあるプレセールの一つだ。同プロジェクトは、次世代型のマルチチェーン対応暗号資産ウォレットを構築するための資金を調達している。
対応予定のブロックチェーンは60以上に及び、すでにBitcoinやEthereumのEVMチェーン(Base、Polygon、BSCなど)と互換性を持つ。今後、Solana、XRP、Cardanoにも対応が広がる。
アプリ内には、クロスチェーン交換、先物取引、プレセール向けローンチパッド、ステーキング集約機能、暗号資産デビットカードなど、多彩な機能を搭載する構想だ。DeFiの主要サービスを1つのアプリで完結させることを目指している。
BESTトークンは、取引手数料の割引、ステーキング利回りの向上、ガバナンス参加、提携プロジェクトでの特典付与などに利用される。
プレセールはすでに1,700万ドル(約25億円)を調達しており、Bitcoin Hyperに次ぐ規模の資金が集まっている。ただし、プレセール終了まで2週間未満となっており、参加を検討する投資家に残された時間は多くない。
Maxi Doge(マキシ・ドージ)
Maxi Dogeを単なるミームコインと呼ぶのは、AIを「おすすめのカフェを探すだけのツール」と言うようなものだ。同プロジェクトは、ミーム文化を中心にしつつ、コミュニティ参加と報酬獲得の仕組みを複数組み合わせたエコシステムを構築している。
まず、ユーザーがクエストを達成することでMAXIを獲得できる「コミュニティアクティベーションイベント」を開催する予定だ。さらに、プレセール期間中から利用できるステーキングでは年率77%の利回りが提供されている。
加えて、MAXIは将来的に先物取引プラットフォームへの統合も予定されており、USDTやMAXIを報酬とする週次の取引コンペティションも実施される。
Maxi Dogeはミームコインが持つ魅力を保ちつつ、長期的な価値創出につながる仕組みを導入している点が特徴であり、これまでに400万ドル(約6億円)以上を調達している。
PEPENODE(ペペノード)
PEPENODEは、ミームコインとPlay-to-Earn(遊んで稼ぐ)の2要素を組み合わせた独自モデルを採用している。同プロジェクトは「Mine-to-Earn」を掲げ、ゲーム内での“採掘”を軸とした仕組みを提供する。
ユーザーはPEPENODEを使用して「Miner Nodes」と呼ばれるゲーム内資産を購入でき、それらはいつでもトークンに交換可能だ。Miner Nodesが生み出す採掘パワーに応じて、獲得できる報酬量が決定する。
報酬はPEPENODEで支払われるほか、ランキング上位者にはPepeやFartcoinといった他のミーム系トークンも配布される。
ミームコインやPlay-to-Earnは価格変動の大きさが課題となるため、PEPENODEはデフレモデルを採用している。ゲーム内ストアで使用されたトークンの70%をバーン(焼却)し、流通量を減らすことで価格の持続的な上昇を目指す。
これまでに210万ドル(約3億1,000万円)を調達しており、独自のユースケースから上場後に高い注目を集める可能性がある。
