イーサリアム 今後の見通しが再び市場の中心に浮上している。Fundstratの共同創業者トム・リーは、ETHが年末までに1万6,000ドルに達する可能性を指摘し、「暗号資産版ChatGPTモーメント」と表現した。
ETH/BTCペアは現在もブレイク水準0.087を120%下回っており、相対的に大きく過小評価されている。
リーの予測モデルが示す理論価格は1.2万〜2.2万ドル
リーの強気予想は単なる楽観論ではない。ETHの理論価値を1万2,000〜2万2,000ドルと算出する独自モデルに基づく。
これは過去のETH/BTC比率とBTC価格予測を組み合わせたものであり、BTCが15万ドルに達した場合、ETHは1万3,000ドル前後に到達する計算となる。
現在BTCが10万3,000ドル付近で推移する中、ETHの相対的な出遅れは「機会」ともいえる。
イーサリアム 今後における相対的割安の意味
リーはETHのパフォーマンス劣後を「構造的だが一時的」と分析する。1971年の金本位制廃止でドルが金から独立し、金融覇権を築いた歴史になぞらえた。
同様に、イーサリアムは現代金融の基盤層としての地位を確立しつつある。
リーのETH/BTC仮説は「0.087」という単一の数値に集約され、これを突破すれば機関資金がETH支配へとシフトする転換点になると見られている。
「5%の錬金術」― Bitmineが仕掛ける巨大ETH戦略
リーが会長を務めるBitmine社は現在324万ETHを保有し、総供給量の約2.7%を占める。目標は全体の5%保有、いわば「5%の錬金術」だ。
この水準に達すれば、ETFが金を、インデックスファンドが大型株を保有するのと同等の新たな機関基準となる。
Bitmineの戦略は、ETHを「どの銀行よりも大きな金融基盤」にするというリーの信念と一致している。
安定コインと規制整備が追い風に
イーサリアム 今後を支えるのは、ネットワーク上の安定コイン(ステーブルコイン)価値である。現在1,470億ドル超がETH上に発行され、全体の60%以上を占める。
リーは5年以内にこの市場規模が2兆ドルへ拡大すると予測。トランプ政権下で成立した「Genius Act」により規制明確化が進み、機関資金流入が現実味を帯びてきた。
「イーサリアムはダウンタイムゼロ、それがウォール街に最も響く」とリーは強調する。信頼性がETHの最大の武器だ。
リスク要因:競合、CBDC、そして過去の予測精度
一方で懐疑論も根強い。ソラナなど高速チェーンの台頭、米CBDCの台頭によるステーブルコイン需要の食い合い、リー自身の過去予測(2022年にBTC20万ドルを予想し失敗)などが挙げられる。
さらに、ETF承認やステーキング報酬への依存度も高く、市場環境の変化で追い風が逆風に変わるリスクもある。
それでも評価ギャップの大きさが強気シナリオを支えている。BTCが25万ドルに達した場合、ETHの理論価格は1万1,965〜2万1,818ドルと算出される。
機関投資家が動く中、新たな選択肢「Bitcoin Hyper」が台頭
ETHが調整局面にある一方で、プレセール段階の新興プロジェクト「Bitcoin Hyper」が急速に資金を集めている。
数日間で2,585万ドルを超える調達を記録し、トークン価格は0.013225ドルに上昇目前だ。
Bitcoin Hyperは、イーサリアム同様に透明性・高速決済・高い互換性を掲げるが、まだ初期段階にある点が特徴。
「ディップ買い」を狙う投資家にとって、イーサリアム 今後の成長と並行して、この新興勢力の動向も注視すべき局面に入っている。
