ビットコインは過去一年で最も大きい下落局面の一つを記録し、史上最高値付近の12万6,000ドル（約2,017万円）から8万ドル台半ばへと約30%下落した。多くの投資家が様子見姿勢を取る中、Metaplanet（メタプラネット）は逆の戦略を採用した。同社は保有するBTCを担保に新たに1億3,000万ドル（約208億円）のローンを確保し、追加のビットコイン購入に踏み切った。これにより、5億ドル（約800億円）の与信枠のうち累計2億3,000万ドル（約369億円）を利用したこととなり、2027年までに21万BTCの獲得を目指す積極戦略を進めている。
下落局面でレバレッジを拡大する姿勢は、大口投資家がビットコインの長期的上昇余地を依然として強く信じていることを示すシグナルでもある。ただし、個人投資家にとってBTCの積み増しが最も高いリターンを生むとは限らない。このため、**暗号資産プレセール（ローンチ前販売）**への関心が急拡大している。トリリオンドル規模の資産では実現しにくい倍率（マルチプル）を狙える点が魅力となっている。
現在、次の上昇局面に備える投資家の間で注目が集まっているのが、**Bitcoin Hyper（HYPER）とMaxi Doge（MAXI）**の2つのプレセールだ。いずれも、機関投資家の強気姿勢が高まる局面と、個人投資家が次の高成長銘柄を探す動きが重なるポイントに位置している。
Metaplanet ─ 借入を拡大しながらBTC保有量を増加
Metaplanetによる今回の1億3,000万ドルの借入は単発ではない。同社はこれに先立ち、1億ドル（約160億円）のローンを調達してビットコインと自社株の買い戻しに充てていた。今回と合わせると総額2億3,000万ドルを活用しており、市場のボラティリティを回避するのではなく、むしろ好機として活用している。
この借入の担保は非常に大きく、約30,823 BTCが差し入れられている。そのため、ビットコインがさらに下落した場合でも一定の耐久力を確保できる構造だ。今回の資金の一部は、現金担保付きBTCオプションの売却（インカム獲得）に使用され、株価が財務資産の価値を下回った場合には追加の買い戻しに充てられる可能性もある。
一方、市場で高リターンの暗号資産プレセールや高ボラティリティの新興トークンを探す投資家にとって、Metaplanetの戦略は注目すべき材料となる。上場企業が下落局面で積極的にBTCを積み増している環境下では、ビットコイン関連テーマの初期段階プロジェクトが、次の強気局面で恩恵を受けやすい。
1. Bitcoin Hyper（HYPER） ─ ビットコイン超サイクルを支えるレイヤー2基盤
Bitcoin Hyperは、Solana（ソラナ）に着想を得たアーキテクチャを採用した高速・低コストのビットコイン向けレイヤー2として位置付けられている。ビットコインの利便性向上が注目されるサイクルの中で、このテーマは優位性があり、HYPERは数ある暗号資産プレセールの中でも存在感を強めている。
プレセール価格は0.013335ドル（約2.14円）で、すでに2,850万ドル（約456億円）以上の資金が集まっている。ステーキング報酬は41%とされ、ネットワーク展開や新規dApps（分散型アプリ）の導入を待つ間も利回りを確保できる。
将来予測では、有望な上昇余地が示されている。
2025年に0.20ドル（約32円）、2026年には0.35ドル（約56円）到達の可能性が指摘されており、現在のプレセール価格から見ると：
- 0.20ドル到達 → 約15倍
- 0.35ドル到達 → 約26倍
これらの倍率は、明確なプロダクト仮説を持つ暗号資産プレセールを探す投資家にとって魅力的だ。ビットコインの超サイクルが続くと仮定するなら、スケーラビリティやDeFi接続を備えた基盤を求める流れは強まるため、HYPERはその中心に位置している。
2. Maxi Doge（MAXI） ─ ミーム文化と高利回りステーキングの組み合わせ
Maxi Dogeは、ミーム文化と投機的なトレードカルチャーを組み合わせたプロジェクトで、ゲーム化されたインセンティブやコミュニティ主導のブランド展開を特徴としている。価格変動やユーモア、アイデンティティを重視する層に支持されており、ミーム系の暗号資産プレセールとして多くのリストに取り上げられている。
プレセール価格は約0.00027ドル（約0.043円）で、すでに420万ドル（約6.7億円）以上を調達している。ステーキング報酬は73%とされ、早期保有者がトークンをロックし、市場形成期にエコシステムの安定を支える動機付けとなる。
価格予測はミーム市場らしく勢いに依存する構造だ。
2025年には0.0024ドル（約0.38円）、2026年には0.0058ドル（約0.92円）が見込まれており：
- 0.0024ドル到達 → 約9倍
- 0.0058ドル到達 → 約21倍
ミームコインはコミュニティの勢いが重要で、このリスクは無視できない。ただし、強気相場でビットコインやイーサリアムが横ばいとなる局面では、投機資金が高リスクの暗号資産プレセールに移りやすく、MAXIはその動きに適合した設計となっている。
まとめ
MetaplanetがBTCを担保に借入を拡大し、下落局面で積み増しを進めていることは、市場の長期的なビットコイン観が揺らいでいないことを示している。一方、ビットコイン以上の倍率を求める投資家にとっては、Bitcoin HyperとMaxi Dogeが現在の暗号資産プレセールの中でも注目される存在となっている。
要点
- MetaplanetはBTC準備金を担保に2億3,000万ドル（約369億円）を借り入れ、短期的なボラティリティにもかかわらず長期蓄積の姿勢を維持している。
- Bitcoin Hyperはビットコインのスケーリング需要に対応し、プレセール価格から15～26倍の上昇予測が示されている。
- Maxi Dogeは高いステーキング報酬と強いミーム要素を持ち、9～21倍の上昇余地が指摘されている。
- 高倍率を狙う投資家にとって、HYPERとMAXIはビットコイン主導サイクルに連動したレバレッジ型のプレセール機会となっている。