ビットコインの送金で、15ドル(約2,360円)の手数料と30分の承認待ちに直面した経験がある人は多いだろう。
この問題を、ビットコインのセキュリティを損なうことなく解決しようとしているのが「Bitcoin Hyper(HYPER)」だ。同プロジェクトはすでに130万ドル(約2億400万円)を調達しており、今まさに注目を集めている。
Lightning Networkが解決できなかった課題を解消
多くのビットコインのスケーリングソリューションは、技術的に複雑で、根本的な課題を解決できていない。Lightning Networkもその一例であり、「ペイメントチャネル」の概念を非クリプト層に説明するのは難しい。
Bitcoin Hyperは異なるアプローチを取っている。開発チームは「ソラナ(Solana)のエンジンをビットコインに組み込んでみたらどうか?」という発想から出発した。
この仕組みでは、ビットコインがBitcoin Hyperのレイヤー2(L2)にブリッジされ、ソラナ並みの高速性と低手数料でトランザクションが可能になる。具体的には、1秒未満での送金、かつ1円以下の手数料だ。
最終的な決済はゼロ知識証明(zero-knowledge proof)を用いてビットコインのメインチェーンで処理されるため、従来通りの高いセキュリティは維持されている。
HYPERトークンの総供給量は210億枚で、これはビットコインの発行上限にちなんだ設計となっている。現在のプレセール価格は1トークンあたり0.0119ドル(約1.90円)で、早期購入者はステーキングにより年利579%の利回りを得ることも可能だ。
この高利回りは、ステーキングプールの参加者がまだ少ないために実現している。参加者が増えるにつれて利回りは徐々に低下する見通しだ。
アナリストの支持を集めるHYPERのプレセール
Bitcoin Hyperのプレセールは勢いを増しており、6月6日時点で50万ドル(約7,870万円)に達した後、1週間以内にその2倍を突破した。現在では130万ドルを超え、数千のウォレットが参加している。
プレセールの魅力の一つは、ベンチャーキャピタル(VC)の関与がなく、インサイダー優遇や非公開のディールが存在しないことだ。すべての投資家が同一価格で購入できる仕組みとなっている。
価格は3日ごと、または各ステージが完売するごとに上昇するため、早期投資家にはすでに含み益が出ている状況だ。
本格的な試金石は2025年第3四半期で、ここでメインネットとビットコインブリッジのローンチが予定されている。さらに、第4四半期にはトークン生成(TGE)と分散型取引所(DEX)への上場が計画されており、一部のテレグラム参加者は中央集権型取引所(CEX)への上場も期待している。
仮想通貨系YouTuberのCilinix Crypto氏もHYPERの将来性に期待を寄せており、この勢いが続けばプレセール価格を大きく超える可能性があると見ている。
ビットコインが20万ドルに到達すればHYPERにも追い風
2025年後半のビットコイン市場は強気の兆しを見せている。JPMorganのアナリストは、企業の財務戦略における金の代替としてビットコインが支持されると予測している。
Coinbase(コインベース)は、マクロ経済環境の改善、企業によるBTC保有の増加、米国での規制明確化という3つの要因が、ビットコイン価格の上昇を後押しすると指摘している。
テクニカル分析を手がけるTradingShotやFundstratも、2025年10月から12月にかけて価格サイクルのピークを迎えると予測しており、目標価格は15万〜20万ドル(約2,360万〜3,140万円)に設定している。
ビットコインがこの価格帯まで上昇すれば、メインチェーンの混雑や手数料の高騰が発生し、代替手段としてBitcoin HyperのようなL2への注目が高まることが予想される。
アナリストの間では、L2トークンは強気相場でビットコインよりも高パフォーマンスを記録しやすいとされており、HYPERの価格上昇にも期待が持てる。
さらに、価格が上がればビットコインのL2へのブリッジ需要が増し、結果としてHYPERの需要も加速する可能性がある。
ロックされた総資産額(TVL)が増えればステーキング利回りも改善され、この循環がHYPERエコシステム全体の成長を後押しするだろう。
現時点ではまだ初期段階にあるものの、Bitcoin Hyperは順調に成長しており、今月の有望なアルトコイン候補の一つといえる。