過去24時間の暗号資産価格は横ばいに推移しているが、一部のアルトコインをクジラ(大口投資家)が積極的に買い集めており、市場の次の上昇局面が近いとのシグナルが出ている。
オンチェーン分析サービスLookonchainの最新の投稿でも「多くのクジラが強気に転じ、ロングポジションを取っている」と報告されている。市場全体は依然として慎重姿勢が残るものの、スマートマネー(賢明な資金)はすでに動いており、今がトレーダーにとって有力な参入タイミングとなる可能性がある。
そこで今回は、クジラが現在積極的に購入している3つの注目プロジェクトを紹介する。各プロジェクトのユースケースと、なぜ他のアルトコインではなくこれらが選ばれているのかを検証することで、「今買うべき暗号資産」としての理由を明らかにしていく。
Bitcoin Hyper
Bitcoin Hyperは、ビットコインのレイヤー2ブロックチェーンを開発し、取引速度の遅さ、高い手数料、機能制限といったネットワークの課題解決を目指している。ZKロールアップとSolana Virtual Machine(SVM)を組み合わせることで、ビットコインのセキュリティとソラナの高性能を両立させる仕組みを採用している。
これにより、DeFi(分散型金融)、ミームコイン、決済など新しいユースケースが広がり、新規ユーザーの流入や資金流入が期待される。
実際にクジラはこの可能性を強く意識しており、Bitcoin Hyperのトークンプレセールはこれまでに2,450万ドル(約37億円)を調達している。Etherscanのデータによれば、数週間前には27万4,000ドル(約4,100万円)相当を購入したクジラも確認されている。
開発初期段階ながら明確なユースケースと投資家の支持を得ていることから、HYPERは「今買うべき暗号資産」の有力候補といえる。
Ethereum
Ethereumは「分散型インターネット」の実現を目指すプラットフォームとして広く知られており、特別な説明は不要だろう。しかし、直近の動きは新たな機関投資家主導のストーリーを強化している。
ステーブルコイン(価格が安定した暗号資産)の時価総額は、1年前の850億ドル(約12兆8,000億円)から現在は1,640億ドル(約24兆7,000億円)へとほぼ倍増し、Ethereumへの流動性が急速に拡大している。
一方で小口投資家の利用も拡大しており、ネットワークのアクティブアドレス数は過去最高水準に迫っている。ビットコインのユーザー数が減少傾向にあるのとは対照的だ。
そのためクジラも積極的にETHを買い増しており、Lookonchainの報告によれば、トム・リー氏が率いるBitmineは火曜日に3,539ETH(約2億5,160万ドル、約379億円)を追加購入した。
Bitmineはビットコインで採用された積極的な長期保有戦略をETHにも適用し、トークンを可能な限り蓄積する方針を取っている。これが価格を下支えしており、市場全体の強気ムードが戻れば大きな成長要因となる可能性がある。
Maxi Doge
Lookonchainが指摘するように、現在クジラはロングポジションを拡大しており、その背景には過去1年間で拡大した無期限先物取引の需要増加がある。
Maxi Dogeの開発チームはこの需要を取り込み、ミームコインの拡散力と先物トークンの実用性を組み合わせた新しいハイブリッド型プロジェクトとして展開している。
「Dogecoinの1,000倍レバレッジ版の弟分」としてブランディングされるMAXIは、先物取引プラットフォームに統合される予定であり、さらに毎週USDTやMAXIを賞品としたトレーディングコンペティションも実施される。
暗号資産市場でも特に注目度の高い2分野を融合していることから、現在進行中のプレセールはすでに370万ドル(約56億円)以上を調達しており、クジラの支持を背景に上場後の需要増加も見込まれる。