荒れ模様の夏を経て、XRPは法的な明確化、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な姿勢、そしてETF(上場投資信託)への期待感の再燃によって回復を遂げている。
市場動向とテクニカル水準
ビットコインとイーサリアムの記録的な上昇は暗号資産市場全体を活性化させ、XRPもそれに追随した。ジャクソンホールでのジェローム・パウエル議長の発言を受け、XRPは2.80ドル(約420円)を下回る水準から3.10ドル(約470円)まで10%上昇し、20日単純移動平均線で一時的に足踏みした。重要なのは、XRPが先週を3ドル(約450円)以上で終え、この水準を強固なサポートとして示した点である。7月には後退もあったが、8月には強気ムードが戻り、アナリストは好材料が重なればXRPが5ドル(約750円)超に達する可能性を見込んでいる。
法的和解による安心感
XRP反発の大きな要因は、Rippleと米証券取引委員会(SEC)との長期的な訴訟が解決したことにある。2025年8月22日、米第2巡回控訴裁判所が双方の和解を承認し、2020年から続いた訴訟に終止符を打った。この和解により規制上の不透明感が解消され、XRPの長期的な見通しに対する投資家の信頼が再び高まった。
Rippleの戦略的拡大
Rippleは改善した立場を活かし、迅速に戦略を進めている。取引所Gemini(ジェミニ)の新規株式公開(IPO)に関する申請で明らかになった提携には、RippleのRLUSDステーブルコイン(価格が安定した暗号資産)を利用する7,500万ドル(約112億円)のリボルビングクレジット枠が含まれ、最大1億5,000万ドル(約224億円)まで拡大可能である。この枠組みは、RippleがRLUSDを規制された金融システムに統合し、総合的な金融サービス提供者としての地位を確立しようとする意図を示している。XRPを中核に据え、融資、決済、ステーブルコイン、清算を結びつける構造は、従来の銀行に近いモデルを志向している。
政策の追い風
米国の政策転換も勢いを後押ししている。ドナルド・トランプ大統領が署名した大統領令により、暗号資産、不動産、プライベートエクイティなどの非典型的資産を401(k)退職年金基金に組み入れることが可能になった。この前例のない措置により、デジタル資産は主流の投資対象としての受け入れが広がりつつある。
ETF申請と機関投資家の関心
同時に、Grayscale(グレースケール)、WisdomTree(ウィズダムツリー)、Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)、21Sharesといった大手資産運用会社が、XRP現物ETFの申請を更新している。SECは2025年10月18日から25日の間に、8件の申請について判断を下す見込みである。承認されれば最大80億ドル(約1兆2,000億円)のETF資金流入が見込まれ、XRPの時価総額は4,000億ドル(約60兆円)に達し、短期的には5~6ドル(約750〜900円)水準に押し上げる可能性がある。ビットコインやイーサリアムETFの成功に続き、XRPが規制されたファンドを通じて機関投資家に採用されれば、投機的資産から主流の投資対象へと進化する大きな一歩となる。
Bitcoin Hyper:次なるレイヤー2成長物語
XRPが法的明確化とETF期待で注目を集める一方で、Bitcoin Hyper(HYPER)は飛躍的成長を遂げる可能性を秘めた新たなプロジェクトとして台頭している。Solana Virtual Machine(ソラナ仮想マシン、SVM)とゼロ知識ロールアップを活用して構築されたビットコインのレイヤー2であり、スケーラビリティ問題の解決とDeFi(分散型金融)、ラップドBTC、高利回りステーキングを可能にすることを目指している。
The Fastest Bitcoin Layer 2 Chain. ⚡️
Scalability and Speed for Bitcoin are finally here. 🔥https://t.co/yzXqAckjDw pic.twitter.com/1mUqiQGtou
— Bitcoin Hyper (@BTC_Hyper2) August 24, 2025
プレセールはすでに1,100万ドル(約16億5,000万円)以上を調達し、ステーキング報酬は最大200%の年利を提示しており、クジラ投資家から個人投資家まで幅広い関心を集めている。特に、ビットコインのメインネットとレイヤー2間のシームレスな移動を可能にするカノニカルブリッジは、進化するブロックチェーン環境において重要な役割を果たす可能性がある。勢いを増すHYPERは、XRPに続いて主流の暗号資産採用の中心となる有力候補と見られている。
結論
XRPが3ドル(約450円)を回復したのは、法的解決、政策支援、ETF承認期待という複合的な要因によるものだ。RippleとSECの和解により長年の不確実性は解消され、戦略的提携と政策転換が新たな採用の道を開いた。機関投資家がETF承認を見据えて動き出すなか、XRPは小口投資家主導の投機を超え、米国デジタル経済の中核資産としての地位を固めつつある。