XRPは今週、過去でも最も厳しい一週間を迎えた。世界的な経済混乱によって市場全体が売られ、42％下落したのである。引き金となったのは、米国政府が中国製品に対して100％の関税を発表したことだ。これにより伝統的市場とデジタル資産市場が揺さぶられ、投資家はリスク資産から一斉に資金を引き揚げた。主要な暗号資産はすべて急落し、XRPも例外ではなかった。
トークンは一時1.77ドル（約268円）まで下落した後に安定を見せた。暗号資産のボラティリティは珍しくないが、今回の下落の規模と速さは、デジタル資産がマクロ経済や地政学的イベントと強く結びついていることを示している。
地政学リスクが暗号資産市場を揺るがす
今回の暴落は、暗号資産がマクロ要因の影響を免れないことを投資家に再認識させた。ビットコイン、イーサリアム、そしてXRPは、世界の株式指数と連動するように下落し、伝統的市場との相関が高まっていることを裏付けた。
- ビットコインは約9％下落し、11万ドル（約1,670万円）近辺まで下がった。
- イーサリアムは12％以上下落し、3,800ドル（約57万7,000円）を割り込んだ。
- BNBやソラナも二桁の下落率を記録し、リスク回避姿勢が広がった。
XRPに関しては、関税の報道が大規模な清算を誘発し、短期トレーダーが一斉にポジションを縮小した。その結果、複数のサポートラインが崩れ、数週間にわたるレンジ相場が否定された。パニック売りが落ち着く中、長期投資家は新たな参入水準を探しているが、不透明感は依然として大きい。
XRPの三角形崩壊はさらなる下落を示唆
XRPの価格見通しは弱気が優勢だ。7月中旬から価格推移を導いていた対称三角形を下抜けしたことで構造が崩れている。特に2.80〜2.85ドル（約425〜432円）付近の上限を複数回試したものの突破できず、売り圧力が強く働いた。
日足チャートでは、大陰線が決定的なトレンド転換を確認した。現在、XRPは100日移動平均線（2.63ドル、約399円）を下回っており、短期的な弱さを示している。一方、RSIは35で売られすぎ水準にあるが、強気のダイバージェンスは確認されておらず、下方リスクが残る。
最近のローソク足には下ヒゲが目立ち、2.30〜2.32ドル（約349〜352円）付近で買い需要があることが示唆される。この水準は強気派と弱気派の攻防ラインであり、ここから反発すれば2.70ドル（約410円）付近まで戻す可能性がある。ただし、反発に失敗すれば、2.02ドル（約307円）のフィボナッチ水準、さらに1.77ドル（約268円）の蓄積ゾーンまで下落するリスクがある。
トレード戦略と市場見通し
トレーダーにとって、現状のテクニカル環境は慎重ながらもチャンスを含んでいる。2.30ドル（約349円）を維持して反発すれば、出来高次第で2.70〜3.18ドル（約410〜483円）を目標とする短期ロングエントリーの可能性がある。逆にこの水準を維持できなければ、2.02ドル（約307円）まで下落し、弱気シナリオが続く。
短期的な乱高下にもかかわらず、XRPの長期上昇トレンドは依然として維持されている。今回の調整は、市場が新たな資金流入やエコシステム開発に備える「リセット」となる可能性もある。マクロ環境が安定し、投資家心理が改善すれば、年末までに3.18〜3.60ドル（約483〜547円）の再テストが視野に入る。
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