暗号資産市場は年末を前に、例年通りの調整局面で推移している。ビットコイン(BTC)はここ数週間、9万ドル(約1350万円)前後の狭いレンジで推移し、大型銘柄全体の値動きも落ち着いている。
こうした静かな年末相場は、次の大きなトレンド転換を見据えた仕込み期間になりやすい。特に主要銘柄以外にも目を向ける投資家にとっては、将来の上昇を見越したポジション構築の好機となる。
この局面では、1ドル未満のアルトコインに注目が集まりやすい。時価総額が小さい分、流動性が戻った際の上昇余地が大きく、リスクは高いものの見過ごされがちな成長テーマに触れられる。
特定の分野に資金を集中させるよりも、異なるセクターに分散する姿勢が有効だ。ミームコインはコミュニティ主導の勢いが強く、採掘関連プロジェクトはブロックチェーンの基盤構造に直結する。一方、インフラ系トークンは拡張性や性能、長期的な実用性に焦点を当てている。
こうした観点から、1ドル未満で注目すべき割安アルトコイン3銘柄を紹介する。
1.PEPENODE(PEPENODE):ゲーム化されたマイン・トゥ・アーン型ミームコイン
最初に挙げるのはPEPENODE(PEPENODE)だ。同プロジェクトは、採掘を高価なハードウェア購入ではなく、ゲーム体験として提供する点を特徴としている。
イーサリアム(ETH)上のERC-20規格で構築され、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で自動実行される契約機能)が、ステーキングや報酬、ガバナンスを管理している。自らを「世界初のマイン・トゥ・アーン型ミームコイン」と位置付ける。
中核となるのは、仮想採掘システムと段階的ノード報酬を組み合わせた仕組みだ。GPUや電気代、複雑な設定を必要とせず、早期参加者が報われやすい設計となっている。
利用者はマイナーノードを購入・カスタマイズし、施設をアップグレードすることで性能を向上させる。その過程でPEPEやFartcoinなどのミーム系報酬を獲得できる。
アップグレードに使用されたPEPENODEの70%は焼却されるため、流通量は時間とともに減少し、希少性が高まる構造だ。
注目点は、執筆時点でプレセール残り15日という時間的制約にある。マイニングとゲームを融合した仕組みが評価され、調達額はすでに230万ドル(約3億4500万円)を突破した。
トークン価格は0.0012112ドルで、最大年利545%という高水準のステーキング報酬も用意されており、プレセール参加者にとって魅力的な条件がそろっている。
2.Maxi Doge(MAXI):取引文化に特化したミームトークン
Maxi Doge(MAXI)は、遠慮のない世界観を前面に押し出すミームトークンだ。「1000倍レバレッジ文化」をテーマに、約240ポンドの巨大な犬をマスコットとした取引者向けのコミュニティを形成している。
一見すると冗談のようだが、暗号資産市場では注目そのものが価値を持つ。ミームは依然として、最も効率的な注目獲得手段の一つだ。
プレセール終了後には、保有者限定のトレード大会やランキング報酬が実装される予定だ。また、提携や取引所上場を目的とした「Maxi Fund」も設けられている。
多くのミームコインが失速する原因は技術不足ではなく、活動の停滞にある。定期的な大会や新規上場は、コミュニティの関与を維持するうえで大きな意味を持つ。
プレセールの調達額は430万ドル(約6億4500万円)に達し、価格は0.0002745ドルだ。プレセール期間中のステーキング利回りは年利71%とされている。
市場が活気づく局面では、ミームコインは特に急騰しやすい。上場後を見据えると、筋トレ好きのこの犬を巡る争奪戦が始まる可能性もある。
3.Algorand(ALGO):ガバナンスを重視する高性能レイヤー1
最後はプレセール銘柄ではなく、既存の暗号資産であるAlgorand(ALGO)だ。高速かつ安全で拡張性の高い取引処理を特徴とし、実社会での金融利用を重視して設計されている。
2026年以降のレイヤー1競争では、単純な処理速度よりも、分散性の信頼性や機関投資家向けの運用基盤が重要になる可能性が高い。Algorandはオンチェーン型の「xGov」プラットフォームを通じ、中央集権的な運営への依存低減を進めている。
これは技術的な補足にとどまらない。分散性の向上を数値で示せるネットワークは、トークン化資産やRWA(現実資産)の拡大を見据える機関投資家にとって、評価しやすい存在となる。
ALGOは競争の激しいレイヤー1市場に身を置き、派手さは控えめだ。しかし長期視点では堅実な設計が生きる可能性があり、2022年以降横ばいが続いた価格も、0.11ドル付近から反転する余地を残している。
