暗号資産市場は本日も再び下落している。ビットコインは約3%安、イーサリアムはそれ以上に下落し、時価総額は前日から約2,000億ドル(約30兆円)が失われた。売りが強まった背景には、マクロ経済の混乱に加え、現物ビットコインETFからの資金流出が3億2,000万ドル(約4,800億円)を超えたことがある。
これはFTXのような破綻劇ではなく、古典的な投資家心理の悪化によるものだ。マクロ環境が悪化すると、投資家はリスク資産を敬遠しやすく、暗号資産は真っ先に影響を受ける。
XRP(エックスアールピー)も例外ではない。本日は6%以上下落したが、長期的な上昇トレンドが終わったとは言えない。値動きは重要なサポート水準に近づいており、反転に向けて最後の下落がある可能性を示している。
一方で「今買うべき暗号資産」として注目を集めているのが、Bitcoin Hyper(ビットコイン・ハイパー、HYPER)だ。プレセール段階にあるレイヤー2プロジェクトで、高速処理の実現と巨額の資金調達により話題となっている。
XRPが大幅反発に向けた準備か
XRPは現在2.43ドル(約370円)前後で取引されている。本日の下落で日曜から月曜にかけての上昇分がほぼ帳消しとなった。市場全体で見れば、一時的な反発後に再び売り込まれる展開が続いているが、XRPのテクニカル指標は今回の下落が一時的である可能性を示している。
重要なサポート水準は2.35ドル(約360円)付近で、直近1週間の4時間足チャートで2度試されており、いずれも買いが入って反発している。
再び2.35ドルに接近すれば、短期的には下落リスクが残るが、その後に反発が起これば弱気相場が終わり、新たな強気相場が始まる可能性がある。そうなれば、11月末までに3ドル(約460円)あるいはそれ以上への回復も視野に入る。
XRPの強気転換を後押しする要因
本日の下落にもかかわらず、今後数週間でXRPに追い風となる材料が複数存在する。条件が整えば、市場心理は弱気から強気へと一変する可能性がある。
最大の注目点は、10月18日から25日までの米証券取引委員会(SEC)によるETF審査期間だ。現在、Grayscale(グレースケール)、21Shares、Bitwiseなど大手による現物XRP ETF申請が6件提出されている。仮に進展があれば、機関投資家による参入が拡大する。
CFTC-regulated options on Solana and XRP are now live and trading today 🚀
✅ Seamless integration: Physically settled into the underlying futures contract.
✅ Flexible exposure: Trade larger and micro sizes.Explore Crypto options contracts ➡️ https://t.co/lVXqqYagAG pic.twitter.com/RF5COIFX98
— CME Group (@CMEGroup) October 13, 2025
さらに、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が商品先物取引委員会(CFTC)の規制下でXRP先物オプションを上場させたことは、トークンの成熟とウォール街の関心を示すものだ。
加えて、Ripple(リップル)の新たな銀行提携や米連邦準備制度による利下げ観測も強気材料となり得る。これらが重なれば、XRPは3ドル、さらには3.50ドル(約540円)を目指す展開も考えられる。
Bitcoin Hyper、プレセール2,350万ドル突破で有力候補に
現在、市場で最も注目を集めているのがBitcoin Hyperだ。ビットコインを「より速く、安価で、スマート」にするために設計されたレイヤー2プロジェクトで、Solana Virtual Machine(ソラナ・バーチャル・マシン、SVM)とゼロ知識ロールアップを組み合わせ、ビットコインにスケーラビリティとDeFi機能を持ち込む。
仕組みはこうだ。Bitcoin Hyperはメインチェーン上でBTCをロックし、その同等額をレイヤー2上で発行する。その後、トランザクションはバッチ処理でほぼ即時に検証される。ブリッジで戻す際にはレイヤー2版が焼却され、元のBTCが解放される。
これにより、スマートコントラクトやソラナとのクロスチェーン互換性が実現し、ビットコインに高速かつDeFi対応のサイドチェーンが追加される。ミームコインの発行から現実資産のトークン化、ゲーム分野まで応用可能性は広い。
投資家の関心も高い。HYPERのプレセールはすでに2,350万ドル(約360億円)を調達しており、1日あたり50万ドル(約7億7,000万円)が流入、単独で大口購入する投資家も存在する。現在のプレセール価格0.013115ドル(約2円)での時価総額は2億7,500万ドル(約4,200億円)に過ぎず、XRPの1,470億ドル(約22兆円)と比べればわずかだ。
この差から、アナリストのAiden Crypto氏などはHYPERの上昇余地が極めて大きいと指摘する。仮に時価総額275億ドル(約4.2兆円)に達すれば、プレセール参加者は約100倍のリターンを得る計算になる。このため、多くの投資家がXRPのような大手アルトコインから、Bitcoin Hyperのようなプレセール案件に資金を移している。