第2四半期、暗号資産分野へのベンチャー資金が100億ドル(約1兆5,800億円)を超え、2022年初頭以来最大の四半期調達額となった。6月単月では50億ドル(約7,900億円)以上が調達されており、機関投資家の資金が再び暗号資産市場に流入している。
このような勢いの中、次に来る強気相場(ブルマーケット)に向けて、今買うべき仮想通貨は何か──注目すべき4つのプロジェクトを紹介する。
まだ7月なのに昨年の調達額を超過
今回の資金調達の勢いは明らかである。わずか1四半期で、すでに前年の年間調達額に匹敵する水準に達している。特に6月は、5月の約4倍の資金が流入しており、機関投資家の関心は完全に回復したようだ。
背景には複数の要因がある。ビットコインの価格が108,000ドル(約1,710万円)を超えて推移していることや、ETF(上場投資信託)への資金流入が加速している点が挙げられる。実際、Striveはビットコインのインフラ開発向けに7億5,000万ドル(約1,180億円)を調達し、Securitizeもセコイア・キャピタル(Sequoia)などから4億ドル(約630億円)を確保した。
資金の流入先も注目される。現在はDeFi(分散型金融)、AIミドルウェア、ステーブルコイン(価格が安定した仮想通貨)といった分野に集中している。これは、暗号資産が一般層に浸透するためのインフラ構築に資金が投じられていることを意味する。

地域別の傾向も興味深い。北米では主に後期インフラ投資が進められ、アジアおよび中東ではトークン化や国際送金など、初期段階のプロジェクトへの資金が多く集まっている。
このペースが続けば、2025年末までに資金調達総額は250億ドル(約3兆9,500億円)に達する可能性もある。これは2021年のバブル期以来の水準だが、今回は単なる熱狂ではなく、規制面での追い風も後押ししている。
例えば、米国で提出されたGENIUS法案、複数のETF承認の可能性、さらにはCMEのSolana先物導入といった新たな展開が市場心理を押し上げている。つまり、今回の大規模な資金調達はネット上の話題性だけによるものではない。
今注目すべき仮想通貨プロジェクト4選
ベンチャーキャピタルの資金が本格的に流入する中、仮想通貨おすすめのプロジェクトも明確になってきている。以下は、今後注目すべき4つのプロジェクトである。
1. Snorter(SNORT)
Snorter(SNORT)と聞いて冗談かと思うかもしれないが、これはTelegram上で動作する高度な取引ボットのひとつであり、すでにプレセールで160万ドル(約2億5,000万円)以上を調達している。
本プロジェクトの中核は、Solanaブロックチェーンを基盤とするTelegram内で稼働する取引ボットだ。Banana GunやMaestroなどのツールと競合するが、Snorterは「速度」と「コスト」の面で優位性を持つ。特に、混雑しやすい取引タイミングでも、公開ノードではなくプライベートRPCルートを活用することで遅延を回避できる。
手数料モデルもユニークである。多くのボットが1.5%の手数料を課す中、SNORTトークン保有者は0.85%の低手数料で取引できる。また、ハニーポット(詐欺的な仕掛け)検出機能やリアルタイムのコピー取引(模倣取引)も搭載されている。
さらに、VC(ベンチャーキャピタル)による特別枠やプライベートトークンの割り当てもなく、公平なプレセールが行われている。現在、トークン価格は1枚あたり0.0975ドル(約15円)で、割安な水準にある。
2. Bitcoin Hyper(HYPER)
Bitcoin Hyper(HYPER)は、「ビットコインを実用化する」という大きな課題に取り組むプロジェクトだ。プレセール開始からわずか4週間で200万ドル(約3億2,000万円)を調達しており、現在のビットコイン市場の強気な動きとも一致している。
このプロジェクトは、Solana Virtual Machine(SVM)をビットコインに導入し、レイヤー2ソリューションとして活用する。つまり、Solanaの高速処理と柔軟性を、ビットコインの堅牢なセキュリティ上に実装するものだ。
ユーザーは、非カストディアル型のブリッジを通じてBTCを預け入れ、ラップドBTC(WBTC)を得て、低手数料でDeFiやNFTに利用できる。ゼロ知識証明とビットコインアンカリングにより、高いセキュリティも維持されている。
現在進行中のプレセールでは、すでに1億3,600万枚以上のHYPERトークンがステーキングされており、The Crypto Schoolなどの暗号資産系YouTuberも強気な価格予測を発表している。
ビットコインの性能向上は市場全体に恩恵をもたらすため、Bitcoin Hyperは今後注目すべき仮想通貨のひとつといえる。
3. Celo(CELO)
Celo(CELO)は、他のプロジェクトが話題性を追いかける中、着実に実需を積み上げてきた。銀行口座を持たない人々に向けたモバイルファーストのDeFiプラットフォームであり、まさにこの実用性がCELOトークンへの需要を支えている。
Celoの主な特徴は、電話番号をウォレットに紐づける機能である。シンプルながら、ユーザーの初期導入の障壁を大きく下げる仕組みだ。また、複数の現地通貨連動型ステーブルコインをサポートしており、国境を越えた支払いにも適している。
エコシステムも広がりを見せており、ImpactMarketのようなUBI(ベーシックインカム)プログラムから、UbeswapのようなDEX(分散型取引所)まで、1,000以上のプロジェクトがCelo上で開発を進めている。CELOトークンは過去1週間で14%上昇しており、再評価の兆しが見え始めている。
4. Vaulta(A)
Vaulta(A)は、かつてのEOSからリブランディングされたプロジェクトで、現在は銀行や資産運用会社向けのWeb3オペレーティングシステムとしての位置づけを目指している。大きな方向転換だが、機関投資家の関心が高まる中、タイミングは適切といえる。
ネットワークはDelegated Proof-of-Stake(委任型PoS)を採用し、1秒以内で取引が確定する。また、IBC(相互運用性プロトコル)を活用することで、チェーン間の資産移動もスムーズに行える。
さらに、VaultaはexSat Networkを通じて、5,700万ドル(約90億円)以上のビットコイン利回り戦略を運用している。そして最大の特徴は、KYC(本人確認)やAML(マネーロンダリング対策)を標準で組み込んだ「コンプライアンス重視」の設計である。
規制リスクを抑えつつDeFiにアクセスできる点が、機関投資家にとって魅力となっている。現時点で現物取引量は前日比525%増加しており、Vaultaは次の成長局面を迎える準備が整っているようだ。






