米金融大手JPモルガンの最新レポートによれば、Coinbase(コインベース)はレイヤー2ネットワーク「Base」を通じて、ユーザー数の継続的な拡大と今後予定されるトークン施策により、最大340億ドル(約5兆1,000億円)を創出できる可能性があるという。
このレポートは金曜日に公開されたもので、Baseの開発者であるジェシー・ポラック氏が「ネイティブトークンの発行を検討し始めている」と述べた約1か月後の発表となった。ただし、同氏は「現時点で確定した計画はない」とも付け加えている。
今回の予測は不確定要素を含むものの、JPモルガンによるBaseトークン評価は、ウォール街がCoinbaseのオンチェーン戦略に強い自信を持っていることを示している。また、市場流動性の拡大に伴い、他の暗号資産も高い評価を得る可能性があることを浮き彫りにしている。では、今買うべきアルトコインは何か。
JPモルガン「Baseトークンは340億ドルに」
JPモルガンのアナリストは、BaseトークンがCoinbaseにとってレイヤー2成長からの価値を取り込む手段になると指摘した。同社は、Baseの時価総額が120億ドル(約1兆8,000億円)から340億ドル(約5兆1,000億円)の範囲に到達すると予測し、チームがトークンの約40%を保有する可能性があると見ている。
つまりCoinbaseは30億ドル(約4,500億円)から110億ドル(約1兆6,500億円)相当を保持することになり、発行への強いインセンティブが生まれる。さらに残りのトークンがネットワーク参加者にエアドロップされると仮定すれば、最大230億ドル(約3兆4,500億円)の新規流動性が生まれる計算だ。
JPモルガンは、これにより開発が進み、コミュニティ参加が強まり、長期的な基盤拡大につながる可能性があると分析している。実際、Base上のオンチェーン活動は増加傾向にあり、DeFiLlamaのデータによれば過去1年間でDeFiのTVL(預かり資産総額)は2倍以上に拡大した。

加えて、同社はCoinbaseの格付けを引き上げ、2026年12月の株価目標を404ドル(約6万500円)に設定した。これは、レイヤー2やステーブルコイン(価格安定型暗号資産)戦略を進める同社において「収益化機会の拡大とリスクの低下」が見られるためだ。
最終的に、このレポートからの重要な示唆は以下の2点に集約される。
- Baseのユーザーは数十億ドル規模のエアドロップを受け取る可能性がある
- ブロックチェーン基盤トークンには大きな価値があると銀行が評価している
これを踏まえ、恩恵を受ける可能性のあるアルトコインを見ていく。
Bitcoin Hyper
JPモルガンの予測は、Bitcoin Hyperにとって強気材料といえる。これは世界初のZKロールアップを活用したBitcoinレイヤー2ブロックチェーンである。プロジェクトはSolana Virtual Machine(SVM)上に構築されており、Solana並みの処理速度や低手数料、スマートコントラクト機能を備えている。

ZKロールアップの採用により、取引をまとめてBitcoinのL1に定期的に報告する仕組みを持ち、Bitcoinのセキュリティを継承する。さらに「トラストレス・カノニカルブリッジ」により、ユーザーはBTCを安全かつスムーズにL2へ移動できるため、流動性の流入が期待できる。
BitcoinはEthereumの約4.6倍の時価総額を持つため、Baseと同様の仕組みをBitcoin上で展開するBitcoin Hyperには大きな潜在力があるといえる。現在、同プロジェクトはプレセールを実施中で、これまでに2,470万ドル(約370億円)を調達済みだ。大口投資家が資金を投じていることは明らかであり、Baseトークンの340億ドル予測を考えれば、さらなる上昇余地がある。
Toshi
Baseトークンがユーザーにエアドロップされれば、コミュニティにとって大規模な資産創出イベントとなり、オンチェーンで「Baseシーズン」が到来する可能性がある。その際、多くの受益者はさらなる利益を求め、Base上の小規模プロジェクトへ資金を振り向けることが考えられる。

こうした資金移動により価格が上昇すれば、注目度が高まり、最終的にはさらなる流動性が流入するだろう。その中で有望な銘柄のひとつがToshiである。Toshiは最近、Brettを上回りBaseネットワークの主要トークンとなった。大きな違いはCoinbaseに上場している点で、これは大きな優位性だ。
Toshiは猫をテーマにしたミームコインで、「Baseの顔」としてブランディングされている。NFT、グッズ、コミュニティアートといったエコシステム機能を展開しており、本日も価格が5%上昇するなどコミュニティの関心を集めている。
Maxi Doge
Maxi DogeはDogecoinをモチーフにしたミームコインで、先物取引のユーティリティを備えている。Ethereum上に構築されており、BaseやEthereum全体の成長の恩恵を受けることが期待される。

プロジェクトのキャラクターは「Dogecoinのいとこ」として描かれ、筋肉質の暗号資産トレーダーが1000倍レバレッジで取引する姿で表現されている。単なるジョークにとどまらず、近年のミーム文化に広がる投機的精神を体現している点が特徴だ。
Maxi Dogeは今後、MAXIトークンを先物取引プラットフォームに統合し、最大1000倍のレバレッジ取引を可能にする計画を持つ。また、USDTやMAXIを賞品とする週間トレードコンテストも実施予定だ。
こうした取引ユーティリティは、従来のミームコインとは異なる視点を提供しており、投資家の関心を集めている。事実、プレセールではこれまでに370万ドル(約56億円)を超える資金を調達している。ただし、他のミームコインが数億ドルから数十億ドル規模に達していることを考えれば、さらなる成長余地は大きい。
OriginTrail
OriginTrailは、Baseネットワークが注目される理由を体現している──革新的な技術とスケーラブルな基盤の融合だ。同プロジェクトは「知識における真実を探す」ことを目的とした分散型AIインフラを構築している。
AI技術は進化を続けており、毎年新しい生成AIが登場している。しかし課題となるのは、AIが参照するデータの信頼性である。情報源が対立する場合にどちらを信じるのか、その判断を信頼できるのかという問題は依然として残る。
OriginTrailは分散型ナレッジグラフ(DKG)を活用し、情報を検証・追跡・共有できる透明な「信頼レイヤー」を構築している。これにより、生成AIの最大の課題のひとつを解決しようとしている点が特徴だ。

プロジェクトのネイティブトークンTRACは最近急騰しており、本日は8%、今週は30%、今月では149%上昇した。Baseエコシステムに最大340億ドル規模の新たな流動性が加わる可能性を考慮すると、TRACの成長余地は大きいとみられる。






