暗号資産市場は年末にかけ、中型・小型アルトコインが主導する形で反発を強めている。
これまで主要銘柄の動向を待つ局面が続いていたが、足元ではアルトコイン単独での上昇が目立ち、専門家の間では「今買うべき暗号資産」との見方が広がっている。
テクニカル面でも強気材料がそろっている。Real Visionのジェームズ・イーストン氏は、上位10銘柄を除いた暗号資産全体の時価総額が、ボリンジャーバンド下限で下げ止まっている点を指摘した。
さらに、MACD（移動平均収束拡散法：トレンド転換を測る指標）も強気に転じており、アルトコイン市場の底堅さを裏付けている。
Alt Coins! 👀
Total Crypto MC (Excluding Top 10)
– Lower Bollinger Band held
– MACD has flipped BULLISH.Let's see. pic.twitter.com/Rzw1nuwCgo
— James (@JamesEastonUK) December 28, 2025
現在の価格動向は、二〇二六年初頭に想定される次の強気相場で、アルトコインが主役になる可能性を示唆する。
ビットコイン（BTC）は堅調に上昇しているものの、値動きは相対的に鈍く、先行するアルトコインとの差が広がっている。
足元ではカルダノ、XRP、ソラナがそろって上昇する一方、BTCとイーサリアム（ETH）は過去24時間でほぼ横ばいにとどまっている。
BTCは8万8000ドル（約1320万円）付近のレジスタンス再試験が意識されており、上抜けに成功すれば市場全体の上昇トレンド再開につながる可能性がある。
今買うべき暗号資産：レイヤー1、AI銘柄、新興ミームコイン
XRP（XRP）
機関投資家やヘッジファンド、ウォール街主導の資金フローに歩調を合わせる戦略は、投資判断として有効とされる。ETF（上場投資信託）を通じた暗号資産投資が拡大する中、XRPが注目される理由もここにある。
現物型XRP ETFは、ビットコインやイーサリアムETFが売り圧力にさらされる局面でも、累積流出を一日も記録していない。十一月十四日の上場以降、運用資産残高は累計十二億5000万ドル（約1875億円）を超えている。
資産運用会社Bitwiseのマシュー・ホーガン最高投資責任者は、XRP ETFは初期段階でイーサリアムETF以上の評価を得ていると指摘する。弱気環境下でも十億ドル超の資金流入を記録できるなら、強気相場ではXRP価格を大きく押し上げる可能性がある。
著名アナリストのゴードン氏は、XRPが現在、強気サイクル開始以降で最も売られ過ぎの水準にあると分析した。またChart Nerdは、XRPがマクロ・ウェーブ5に入る直前にあり、二〇二六年には15ドル（約2250円）まで上昇する可能性を示している。
カルダノ（ADA）
カルダノ（ADA）は相対的な強さを示し始め、投資家の評価を高めている。長らく様子見が続いてきたが、本格的な暗号資産強気相場への合流が視野に入ってきた。
ADA価格は過去24時間で約5％上昇し、CoinMarketCapの上位10銘柄の中で最大の上昇率を記録した。また、過去一週間でプラス圏を維持している唯一のトップ10銘柄でもある。
暗号資産インフルエンサーのSssebiは、日足チャートで大規模な強気ダイバージェンスが形成されたと指摘した。Crypto GVRも反転上昇が近いとし、二〇二六年に1.2ドル（約180円）到達を予測している。
さらにDeezyは、価格チャート上にブルフラッグ（上昇継続を示す形状）が形成されたと分析した。来年に1.95ドル（約290円）まで上昇すれば、現在価格から五倍超のリターンとなる。
ユニスワップ（UNI）
ユニスワップ（UNI）も強い上昇基調を示すアルトコインの一つだ。UNIは過去24時間で約6％上昇し、時価総額は45億ドル（約6750億円）を超えている。
同銘柄は、直近一週間でプラスを維持する数少ない暗号資産の一つとなっている。背景には、ガバナンスコミュニティが「UNIfication」提案を圧倒的多数で可決した点がある。
この決定により、長らく待たれていたプロトコル手数料スイッチが有効化され、保有分から一億UNIが焼却された。これによりデフレ構造が導入され、利用状況とトークン価値の整合性が高まった。
短期的な材料にとどまらず、取引量と手数料収益の拡大に伴う中長期的な価格押し上げ要因として評価されている。そのため、次の市場全体の強気相場を見据えた有力投資先とみなされている。
スイ（SUI）
スイ（SUI）は、再び有力なレイヤー1投資先として注目を集めている。著名アナリストのZayk Chartsは、数カ月続いた下降トレンドを上抜けた点を評価した。
同氏は、今後数日で60％規模の急騰が起きる可能性があると分析している。また、ビットコインとの相関が低く、BTCがもみ合いを続けても高いリターンが期待できる点が特徴だ。
さらに、GrayscaleとCanary Capitalが現物型SUI ETFを申請している。SEC（米証券取引委員会）の承認が得られれば、市場環境改善時に価格を大きく押し上げる要因となる。
Artificial Superintelligence Alliance（FET）
Artificial Superintelligence Allianceは、Fetch.ai、SingularityNet、Cudosの提携によって誕生したAI関連プロジェクトだ。専門家の間では、現在も「今買うべきAI系暗号資産」として名前が挙がっている。
Xのフォロワーが22万人を超えるアナリストのドン氏は、FETが日足でフォーリングウェッジを上抜けつつあると指摘した。上抜けが確定すれば、十倍規模の上昇も狙えると強気の見方を示している。
$FET easy 10x pic.twitter.com/n09GOuIarB
— Don 🐂 (@DonWedge) December 28, 2025
FET価格は過去一週間で約5％上昇したが、史上最高値からは93％下落した水準にある。そのため、依然として割安と評価されている。
AI関連銘柄は二〇二六年に再び注目を集める可能性が高く、FETはその中核銘柄になると見込まれている。
Bitcoin Hyper（HYPER）
Bitcoin Hyperは、最新のBTCレイヤー2銘柄として注目されている。同プロジェクトは、ビットコインの処理速度向上と高いプログラマビリティを実現する拡張基盤の構築を目指す。
ゼロ知識証明とSolana Virtual Machineを組み合わせ、処理効率を高めつつ最終決済はビットコイン上で行う設計だ。これにより、安全性と実用性の両立を図っている。
特徴の一つは高い参加しやすさにある。
プレセールではイーサリアム、BNBチェーン、ソラナ、主要ステーブルコインでの投資に対応し、初日からマルチチェーン展開を実現した。
この柔軟性が認知拡大と参入障壁の低下につながっている。
資金調達額は約3000万ドル（約450億円）に迫り、クジラによる六桁規模の投資も確認されている。
HYPERは最大年利40％のステーキング報酬も提供し、長期保有を促している。
分散型トークノミクス、監査済みスマートコントラクト、クジラ需要の高まりを背景に、ビットコイン次世代拡張への初期投資先として評価が高まっている。
その結果、二〇二六年に100倍規模のリターンを狙える暗号資産候補と見る声も少なくない。
