イーサリアム 今後の相場は、2025年末を迎える中で重要な局面に差し掛かっている。
プロトコル面では前向きな進展が続く一方、価格はETF資金流出と大型オプション満期の影響で3,000ドルを下回る水準にとどまっている。
12月26日には約60億ドル（約9000億円）規模の暗号資産オプションが満期を迎えた。
このイベントは短期的な不安心理を強めたが、市場では最終的な調整局面と捉える見方も出ている。
Fusakaアップグレードはすでに完了し、市場の視線は2026年に予定される次の大型更新へと移った。
GlamsterdamとHegotaの2つのアップグレードが、速度、効率、分散性を大きく左右するとみられている。
短期は慎重姿勢も中期視点は改善
短期的なセンチメントは依然として慎重だ。
それでも、これらの技術更新は2026年に向けたイーサリアム 今後の再評価につながる可能性がある。
同時に、市場では次のスーパーサイクルを見据えた資金移動も始まっている。
投資家の関心は、既存の大型銘柄に加え、高実用性を備えたインフラ型プロジェクトへと広がっている。
イーサリアムの直近価格動向
イーサリアムは直近数日間、レンジ下限付近で安定した推移を見せている。
休暇明けの市場参加が戻る中でも、価格は大きく崩れていない。
ビットコインが一時8万9000ドル付近まで上昇する場面があった一方で、ETHは2,900ドルを維持した。
この水準を下限とし、2,900〜3,200ドルの明確なレンジが形成されている。
注目される水準は3,030ドル付近だ。
この価格帯は年初来VWAPとレンジ中央が重なり、短期的な上値抵抗として機能している。
オプション満期がもたらす短期変動
今回のオプション満期では、約37億ドル（約5600億円）相当のETH契約が含まれていた。
こうした局面では、明確な材料が出ない限り、価格はレンジ内で振れやすい。
高い時間軸で見ると、ETHは依然として3,600ドル付近の下方に位置している。
そのため、長期トレンドは完全に回復したとは言えない。
ただし、株式市場の強さと年末の薄商いは、急落リスクを抑えている。
市場は下落よりも保ち合いを選好し、3,030ドルへの回帰が意識されやすい。
下押し余地と反発シナリオ
短期的には、2,900ドルを一時的に下回る動きも想定される。
12月19日の上昇局面では、2,880〜2,840ドルに価格の空白地帯が残っている。
このゾーンまで調整後、速やかに反発すれば、3,030ドル回復の可能性が高まる。
2026年初頭に向けては、3,100ドル方向への動きも視野に入る。
2026年に向けた2つの大型アップグレード
イーサリアムの開発チームは、2026年から年2回の明確なリリースサイクルを導入する方針を固めた。
これにより、開発者と機関投資家にとって、より予測可能なロードマップが提示される。
前半に予定されるGlamsterdamは、速度と効率の向上に重点を置く。
ePBS（Enshrined Proposer-Builder Separation：提案者とブロック構築者を分離する仕組み）を中核に据える。
⚡️ NEW: Ethereum devs have named the post-Glamsterdam upgrade “Hegota.” pic.twitter.com/s6AWNS2WnA
— Cointelegraph (@Cointelegraph) December 19, 2025
外部リレーへの依存を減らし、報酬分配の公平性と検閲耐性を高める狙いがある。
並列処理の導入により、取引処理能力の大幅な改善も期待されている。
将来的にはガス上限の引き上げにより、毎秒1万件規模の処理も視野に入る。
長年課題とされてきた手数料高騰の緩和につながる可能性がある。
Hegotaが解決を目指すデータ問題
後半に予定されるHegotaは、ネットワークのデータ肥大化に対応するアップデートだ。
Verkle Tree（暗号証明を簡素化する新構造）への移行が中核となる。
これにより、過去データを保持しない「ステートレスノード」の運用が可能になる。
ストレージ要件は約90％削減され、一般ユーザーの参加障壁が下がるとされる。
スケーリング前夜で注目されるBitcoin Hyper
イーサリアムが2026年の基盤拡張を目指す中、即時性を備えたインフラにも関心が集まっている。
その代表例が、Bitcoin Hyper（HYPER）だ。
Bitcoin Hyperは、ソラナ仮想マシン（SVM）を活用したレイヤー2構成を採用している。
高速かつ低手数料の取引を実現しつつ、最終決済はビットコイン上で行われる。
BTCはメインチェーン上でロックされ、レイヤー2上では決済やDeFiで実利用される。
価値を外部に流出させず、ビットコインの実需を拡張する設計となっている。
ネットワーク手数料にはHYPERトークンが使用される。
プレセールではすでに約2970万ドル（約44億円）を調達し、高い需要が確認されている。
現在の価格は0.013485ドル（約2円）だが、次の販売段階は48時間以内に始まる予定だ。
早期参加の余地は徐々に狭まっている。
購入は公式サイトから可能で、SOL、ETH、USDT、USDC、BNB、クレジットカードに対応する。
Best Walletでは、HYPERがUpcoming Tokensに表示され、管理と受取が容易とされている。
