イーサリアム 今後、市場は低ボラティリティの局面に入っている。ETHは現在、2800~3000ドルの狭いレンジで推移し、祝日特有の取引低迷が価格変動を抑えている。
個人投資家の売買は季節的な流動性低下により鈍化する一方、大口ウォレットによる蓄積は継続している。市場では、祝日明けの参加者回復が次の値動きを左右すると見られている。
祝日相場で続くETHの持ち合い
仮想通貨アナリストのテッドは、ETHが「ノートレードゾーン」にとどまっていると指摘した。3000ドルの回復、または2700~2800ドルの需要帯での反発が、明確な動意形成の条件になるという。
$ETH is still in no trading zone.
For some volatility in Ethereum, one of these 2 things needs to happen:
▫️ A reclaim of the $3,000 level.
▫️ A retest of the $2,700-$2,800 level. pic.twitter.com/QFRdKrqufp
— Ted (@TedPillows) December 25, 2025
1日の取引量は週平均比で20%以上減少し、ETHオプションのインプライド・ボラティリティ(IV:将来の価格変動期待を示す指標)も10%超低下した。過去の傾向では、こうした局面の後に値動きが拡大するケースが多い。
クジラの蓄積はシグナルか
オンチェーンデータによると、1万~10万ETHを保有する大口アドレスは、直近1週間で約22万ETHを追加取得した。評価額は約6億6000万ドル(約1020億円)に相当する。
220,000 Ethereum $ETH, roughly $660 million, bought by whales in the past week! pic.twitter.com/y1SCbD26Td
— Ali Charts (@alicharts) December 25, 2025
大口保有量は19日時点の1374万ETHから、25日には1410万ETHまで増加した。ただし、こうした動きは必ずしも短期上昇を保証するものではない。
歴史的には、低ボラティリティ環境での蓄積が上昇前兆となる場合もあれば、流動性不足により停滞が長期化する例もある。結果は市場心理と参加者数に左右される。
市場心理と流動性の影響
祝日中の静かな相場環境とマクロ不透明感により、個人投資家の心理は依然として慎重だ。取引所への資金流入やETF関連の動きが、短期的な価格形成に影響を与えている。

一方で、イーサリアムのステーキング水準は高止まりしている。短期売買よりも、ネットワークの安全性と長期価値を重視する参加者が多いことを示す。
注目すべき価格帯
上値では、3000ドルを明確に上回る動きが確認されれば、強気モメンタム再開の可能性が出てくる。ただし、十分な出来高が伴うことが条件となる。
下値では、2800ドルを割り込んだ場合、2700~2800ドルの需要帯が再び試される展開が想定される。現時点では、レンジ相場が継続する公算が大きい。
イーサリアム 今後とBitcoin Hyperの対照的な動き
イーサリアム 今後が方向感を欠く中、相対的に存在感を高めているのがBitcoin Hyper(HYPER)だ。市場の不透明感が続く局面でも、同プロジェクトは明確な技術テーマを打ち出している。

Bitcoin Hyperは、ビットコイン上に構築されたレイヤー2プロジェクトで、BTCを単なる価値保存手段から実用的な資産へと拡張することを目的とする。ソラナ仮想マシン(SVM:高速処理を可能にする実行環境)を統合し、高速かつ低コストな取引環境を実現する設計だ。
中核となるHyper Bridgeでは、BTCを安全なウォレットに預け入れることで、同量のトークンをレイヤー2上で発行する仕組みを採用する。ビットコインの価値基盤を維持しながら、DeFiやアプリ利用を可能にする。
プレセールではすでに約2967万ドル(約44億円)を調達したとされ、次の価格引き上げが近づいている。ETHが持ち合い局面にある間、リスクリワードの異なる選択肢としてBitcoin Hyperに資金を振り向ける動きが意識され始めている。






