
暗号資産取引所Geminiは、Coinbaseや直近のBullishと同様にウォール街上場を目指しており、新たな採用拡大と投資家の期待を集めている。IPOは資金調達に加え、業界に透明性と知名度をもたらす役割を果たす。この流れの中で、BESTやHYPERといった主要アルトコインは、勢いに乗る好位置にあるとみられる。
Gemini、Rippleの信用枠を活用しIPO戦略を具体化
GeminiはIPO準備の一環として、Rippleから7,500万ドル(約112億円)の信用枠を確保し、必要に応じて1億5,000万ドル(約224億円)まで拡張できる契約を結んでいる。この枠組みは、上場を控えた流動性強化策であり、Coinbaseが上場前に準備資金を積み増した戦略と類似している。
🚨The @Gemini twins tap @Ripple for a credit line ahead of IPO. The agreement allows lending requests of at least $5,000,000 each, up to an initial aggregate commitment of $75,000,000, adjustable on metrics but not exceeding $150,000,000. Request may use $RLUSD stablecoin.… pic.twitter.com/cGaxXfrEor
— 🌸Crypto Eri ~ Carpe Diem (@sentosumosaba) August 17, 2025
ただし、提出されたS-1資料によれば、Geminiは現金1億6,200万ドル(約242億円)に対し、20億ドル(約2,980億円)超の負債を抱えている点が課題とされる。RippleのステーブルコインであるRLUSDは、この契約に基づきGeminiの借入通貨として利用される可能性があり、機関投資家での活用拡大を後押しする展開も想定される。
これらの取り組みは、取引所が「ウォール街水準」の企業へと進化していることを示しており、流動性、コンプライアンス、投資家への信頼性が取引量と同等に重視されていることが浮き彫りになっている。
なぜ取引所のIPOがアルトコイン上昇を引き起こすのか
Coinbaseの2021年のIPOは、暗号資産を株式市場に本格的に持ち込んだ転換点となった。その後、同社がS&P500に採用されたことで、暗号資産は機関投資のポートフォリオに組み込まれる存在へと位置づけられた。
2025年8月には、BullishのIPOも同様に大きなインパクトを与え、上場初日に株価が2倍以上に跳ね上がり、企業評価額は130億ドル(約1兆9,400億円)を超えた。
こうした出来事は、上場が市場心理を押し上げ、新たな流動性を呼び込み、投資家の参入機会を広げることを裏付けている。さらに歴史的に、小規模のアルトコインは、ビットコインやイーサリアムの熱狂期に資金が回る傾向がある。
新たなIPO熱とブロックチェーン活動の高まりを背景に、ここでは最大の上昇余地を持つ3つのアルトコインを紹介する。
1. Best Wallet Token(BEST) – Web3スーパーアプリトークン
Best Walletは、MetaMaskのような従来型ウォレットを置き換える次世代Web3ハブとして位置づけられている。FireblocksのMPC技術を搭載しセキュリティを強化する一方、「Upcoming Tokens」機能でプレセール参加を容易にし、詐欺サイトから利用者を保護する。
その中心にあるのがBESTトークンである。現在の販売価格は0.025495ドル(約3.8円)で、すでに1,490万ドル(約223億円)以上を調達済みだ。BESTを保有することで、取引手数料の割引、注目プレセールへの早期参加、年率90%のステーキング利回り、さらにはプロジェクト方針を決める投票権を得ることができる。
さらに、Best Walletは単なるウォレットにとどまらない。今後は「Best Card」と呼ばれる暗号資産デビットカードの導入が予定されており、ウォレットから直接決済でき、キャッシュバックやBESTステーキングによる手数料軽減も可能になる。
総じて、BESTはBest Walletを単なる保管アプリから、Web3ライフスタイルを支える総合トークンへと進化させている。
2. Bitcoin Hyper(HYPER) – ビットコイン初の本格的レイヤー2
Bitcoin Hyper(HYPER)は、ビットコインの最大の弱点である速度とコストに挑むプロジェクトである。Solana Virtual Machineを活用し、ビットコインL1の安全性を維持しながら、即時かつ低コストの取引を可能にするL2エコシステムを構築する計画だ。
HYPERは、完全に信頼不要なカノニカルブリッジを用いてL1とL2間の資産移動をシームレスに行える。これにより、DeFiやミームコイン、分散型アプリ(dApps)が初めてビットコイン上でネイティブに稼働できる。また、イーサリアムやSolanaとのクロスチェーン機能もローンチ時から利用可能となり、相互運用性と流動性が拡大する。
プレセールではすでに1,030万ドル(約154億円)以上を調達しており、トークン価格は0.012745ドル(約1.9円)、ステーキング利回りは最大105%に達している。
HYPERは、ビットコインを「価値保存」から「活用可能なエコシステム」へと進化させる試みであり、機関投資家のスケーラビリティ需要とリテール層のミーム文化の双方に応える稀有な存在といえる。
3. Solana(SOL) – 実収益を伴うリーディング・レイヤー1
Solana(SOL)は、暗号資産業界において最も商業的に成功したレイヤー1としての地位を確立している。時価総額は約980億ドル(約14兆6,700億円)に達し、取引価格は約180ドル(約26,900円)で推移している。
直近1週間だけで2,000万ドル(約300億円)の収益を上げ、22週連続で他のL1・L2を上回った。さらに、メインネットで毎秒10万7,000件の取引処理を達成し、その高いスケーラビリティを証明している。
価格は依然として変動するものの、SOLは過去1年間で25ドル(約3,740円)上昇している。背景には、DeFi、NFT、ミームコイン、実世界資産の統合など多様なエコシステムの拡大がある。機関投資家の関心も高まりつつあり、ETFの思惑や企業提携が需要を押し上げている。かつてのネットワーク障害を克服したSolanaは、強固なインフラと活発な開発者コミュニティを武器に存在感を高めている。
IPOが新たな投資家を呼び込む中、SOLはすでにその舞台に対応できる体制を整えている。
総括 – IPO時代に向けたアルトコインの可能性
GeminiのIPO計画は、CoinbaseやBullishが切り開いたウォール街進出の流れを追随する動きであり、取引所の上場が一段と進む可能性を示している。
歴史的にIPOの熱気はアルトコイン市場の上昇につながっており、特にウォレット分野で存在感を示すBESTや、ビットコインにスケーラビリティをもたらすHYPERが注目される。
