2025年9月10日(水)──ビットコイン(BTC)は、米国消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、111,000ドル(約1,640万円)前後で推移している。 来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが高い確率で予想されており、BTCの上昇を後押しする引き金になる可能性がある。 一方で、マクロ要因への注目が集まる裏で、より大きな需要要因が静かに形成されつつある。すでに約1,500万ドル(約22億円)を調達したBitcoin Hyper(HYPER)は、ビットコインのレイヤー2プロジェクトとして本格始動を目前に控えている。 Solana(ソラナ)の高速処理とビットコインの堅牢なセキュリティを組み合わせ、暗号資産市場で最も要求の高いアプリケーションにも対応可能な設計となっている。 現在の資金調達ラウンドは16時間以内に終了予定で、その後はHYPERの価格が現行の0.012885ドル(約1.9円)から上昇する見込みだ。 利下げの可能性は高いが、9月のBTC上昇は限定的との見方 市場では、9月17日~18日のFOMC会合で利下げが行われるとの見方がほぼ確実視されている。 予測プラットフォームPolymarketでは、25ベーシスポイントの利下げが83%の確率で予想され、据え置きはわずか4%にとどまっている。 歴史的に利下げはドル安を招き、ビットコインを支える要因となってきた。米国のM2マネーサプライとBTC価格はしばしば並行して拡大し、ビットコインが代替資産としての魅力を持つことを示している。 https://charts.bitbo.io/us-m2/ ただし、今月については投資家の慎重姿勢が目立つ。市場予測では、9月末時点のBTC価格は114,000ドル(約1,680万円)が最も有力視され、次いで116,000ドル(約1,710万円)との見方が強い。一方、107,000ドル(約1,580万円)への下落を予想する声もある。 一部の投資家は、CPIが予想以上に低下した場合、50ベーシスポイントの利下げ(確率14%)が実施され、市場に衝撃を与える可能性を指摘している。その場合、BTCは9月にも予想外の上昇を見せ、季節的に強い10月・11月の相場に向けた地盤が整うだろう。 また、マネーマーケットファンドには約7.26兆ドル(約1,080兆円)が滞留している。利下げにより利回りが低下すれば、その一部がBTCに流入し、新たな強力な材料となり得る。 しかし、短期的なマクロ要因に加え、長期的にはユーティリティ(利用価値)による需要が重要だ。すでに1,500万ドルを調達したBitcoin Hyperは、その役割を担う存在として注目されている。 ビットコインの次の時代──機関投資家の時代を越えて 過去のサイクルでは、2013年に1,000ドル(約15万円)、2017年に2万ドル(約300万円)と、個人投資家の買いによってBTCは高騰してきた。その後、パンデミック期の流動性や低金利を背景にさらに上昇し、物語は機関投資家へと移った。 https://www.strategy.com/purchases マイクロストラテジーのような企業がBTCトレジャリーを拡大することで注目されたが、価値保存手段にとどまる場合、需要が頭打ちになる懸念もある。 ...