
暗号資産市場は、先週新たに可決されたGENIUS法(ジェニアス法)をきっかけに、より一般層へと広がりを見せている。この法案の影響で、ビットコインの市場支配率(ドミナンス)はさらに上昇し、現在は多くの資金がビットコインに集中している状況だ。ただし、一部の投資家がアルトコインの下落局面を狙って買いを入れており、XRP、Sui、Pudgy Penguinsといった人気アルトコインは、来週にも過去最高値(ATH)を更新する可能性がある。
ビットコインの支配がアルトコインの上昇を制限か
ビットコインのドミナンスはここ数週間で急速に拡大し、現在は60%を超えている。この影響で、多くのアルトコインは価格を下げている。仮にこの傾向が続けば、さらなる資金流入がビットコインに集中し、アルトコインには圧力がかかる可能性がある。
それでもなお、XRP、Sui、PENGU(Pudgy Penguinsのトークン)といった主要アルトコインには反発の兆しがあり、来週にもATHを更新する展開が期待されている。
XRPの価格分析
XRPは最近、3.60ドル(約56,000円)を超える水準まで上昇し、ATHに近づいた。しかしこの直後、Ripple(リップル)共同創業者であるクリス・ラーセン氏の関連ウォレットから大量のトークンが流出したことが報じられ、価格上昇の勢いは弱まった。
同氏は5,000万トークンを取引所に移動させたとされ、投資家の間では「出口流動性(exit liquidity)」として使われるリスクへの懸念が高まっている。なお、ラーセン氏が保有するXRPはまだ約90億ドル(約1兆4,000億円)相当に上る。
こうした売却懸念が後退すれば、XRP価格は再び3.60ドルのレジスタンス(上値抵抗線)に挑戦する可能性がある。執筆時点では3.40ドル(約53,000円)で取引されており、過去24時間で5.5%以上上昇している。
相対力指数(RSI)は現在上昇傾向にあり、中間線に向かって進んでいる。今後、買い需要が続き、XRPが3.60ドルを突破すれば、新たなATH形成の可能性が出てくる。ただし、4時間足のEMA20(20期間指数平滑移動平均)を維持できなければ、未決済建玉(オープン・インタレスト)が減少し、ATHへの期待も薄れるおそれがある。
Suiの価格分析
SUIは4.20ドル(約65,000円)のレジスタンスを突破し、その後も価格を同水準以上で維持している。これは、買い手が4.20ドルをサポートラインへ転換しようとしていることを示唆している。執筆時点では、SUIは4.30ドル(約67,000円)で取引されており、24時間で13%以上の上昇を記録している。
今後、直近のフィボナッチ水準を突破できれば、SUI/USDTペアは上昇トレンドを継続し、過去のATHである5.35ドル(約83,000円)に到達する可能性がある。
ただし、トレンドは上向きであるものの、RSIの買われすぎ水準が近づいており、短期的には調整や横ばいのリスクもある。仮に価格が4.00ドル(約62,000円)を下回って終値を付ければ、20日EMAまでの下落も視野に入る。
Pudgy Penguinsの価格分析
PENGU価格は現在、0.045ドル(約7.0円)付近で買い手と売り手の綱引きが続いている。もし価格がEMA20を下回って終値を付ければ、売り圧力が強まり、0.036ドル(約5.6円)まで下落する可能性がある。
一方、0.046ドル(約7.2円)付近で強く反発すれば、買い手がレジスタンス帯で積極的に買いを入れていることを示す。この場合、上昇トレンド線の上限である0.051ドル(約8.0円)を突破しようとする動きが期待される。突破に成功すれば、来週にも新たなATHが視野に入る展開となる。
注目の新アルトコイン:TOKEN6900(T6900)
TOKEN6900(T6900)は、ミームコイン界に新たに登場したプロジェクトで、デジタル金融の世界を皮肉とユーモアで描くアプローチを採用している。SPX6900から着想を得たこのトークンは、「ブレインロット・ファイナンス(思考停止型金融)」の新基準を自称し、バイラル性を主な武器としている。実際、発行枚数はSPX6900より1枚多く、「T6900は1倍優れている」と主張している。
現在までに、T6900のプレセールでは約18.16億ルピア(約1.1億円相当)が初期投資家から集まっている。注目すべきは、プレセール期間中にもステーキング報酬が即時付与される点で、保有者は早期からインセンティブを得ることができる。
暗号資産アナリストのジェームズ・ペルトン氏は、T6900の極端な可能性を「実存的危機(existential crisis)」と表現し、仮想通貨コミュニティの間で高い熱狂が広がっていることを示している。
