ここ2か月、アルトコインに投資している投資家にとって厳しい状況が続いている。暗号資産市場全体が下落し、主要なアルトコインはほぼすべてがローカル高値から大幅に値を下げている。市場全体に上昇の勢いが見られない時間帯が続いた。
しかし、この流れに例外となる銘柄がある。Zcash(ZEC)だ。他の銘柄が下落する中、Zcashは堅調な値動きを維持し、過去1か月で大きな上昇を記録した。多くのトレーダーがプライバシー系トークンに資金を移しており、ZECの需要が高まっている。
Zcashの急騰を受け、トレーダーの関心は「ZECはどこまで上昇するのか」という一点に集中している。本稿では、価格データ、前年の半減期(新規供給が半減するイベント)、そして新しいウォレットのアップグレードを基に、Q4のZcash価格予測をまとめた。
一方で、Zcashがこれほど上昇したことで、まだ上昇していない銘柄にも目が向く。そこで、本稿ではQ4の残り期間でZECを上回る可能性を持つ、低時価総額のアルトコインを3つ紹介する。
Zcash価格予測──ZECはQ4でどこまで上昇するのか?
Zcashは市場全体の急落をものともせず、著しいパフォーマンスを見せている。現在の取引価格は約570ドル(約8万6,000円)で、過去24時間だけで17%の上昇となった。過去1か月の上昇率は124%に達し、暗号資産全体で8番目に取引量の多い資産となっている。
上昇の背景には、「プライバシー資産の再評価」という市場テーマと、ZcashのZashiウォレットによるクロスチェーン機能の向上がある。また、2024年11月に行われた半減期の遅延効果も影響している可能性が高い。
The weaker $BTC gets the stronger $ZCASH grows.
The bitcoin death spiral is fueling $ZCASH higher.
It’s not a conspiracy theory. The chart below shows the concerning new trend. pic.twitter.com/xFfwkvc0AO
— Crypto Bitlord (@crypto_bitlord7) November 14, 2025
半減期は新規供給量を半分に減らすイベントであり、Bitcoinと同様、12~18か月後に大きな価格効果が表れることが多い。
さらに、Grayscale(グレースケール)が提供するZcash Trust(ZCSH)など、機関投資家の関心も高まっている。こうしたパターンを踏まえると、2025年末までのZECの基本シナリオは800ドル(約12万1,000円)から1,200ドル(約18万1,000円)程度と考えられる。この水準は、現在の価格から41%〜111%の上昇余地があることを意味する。
ZcashをQ4で上回る可能性を持つ3つのアルトコイン
Zcashの上昇は大きな注目を集めているが、多くのトレーダーは「次に来る銘柄」を探している。ここでは、まだ120%超の急騰を経験しておらず、ZECを上回る可能性を持つ3つの候補を紹介する。
1. PEPENODE(PEPENODE)
Zcashがすでに大きな上昇を見せている中、より大きなリターンを狙うには新規プロジェクトの早期参入が有効となる。その流れの中で注目を集めているのがPEPENODE(PEPENODE)だ。

このプロジェクトは、ミーム文化とブラウザ型ゲームを組み合わせ、「Mine-to-Earn」と呼ばれる仕組みを採用している。これにより、PEPENODEのプレセールはすでに210万ドル(約3億1,800万円)以上を調達しており、トークン価格は0.00115ドル(約0.17円)となっている。
特徴的なのは、このゲームがデフレ構造を採用している点だ。プレイヤーはPEPENODEを使って仮想ノードを購入・アップグレードし、PEPENODEや他のミームコインで報酬を得る。しかし、使用したトークンの約70%がバーンされ、供給から永久に除外される。参加者が増えれば増えるほど流通量が減少する仕組みだ。
さらに、プレセール参加者向けには604%の高利回りステーキングも既に稼働しており、KIFS Cryptoのような人気アナリストもPEPENODEを評価している。プレセール後に大きな成長が期待できる低時価総額のアルトコインといえる。
2. Maxi Doge(MAXI)
もう1つ注目されているのがMaxi Doge(MAXI)だ。純粋なミームコインでありながら、プレセールで既に400万ドル(約6億6,000万円)以上を調達している。市場環境を考えると、この数字は特に目立つ。

MAXIが評価されている理由の1つは、DOGEやSHIBに続く新たなミームコインブームの中心となる可能性がある点だ。Dogecoinは大規模で比較的安定した資産となっており、新規参入者が100倍級のリターンを期待するのは難しくなっている。
一方、MAXIは新規プロジェクトとして高速な成長を狙う設計になっている。マスコットは、エナジードリンクを手に1,000倍レバレッジで取引を続ける“アルファ犬”で、インパクトあるブランディングが特徴だ。
さらに、ほとんどのミームコインと異なり、MAXIには明確なユーティリティがある。プレセール期間中に77%のAPYでステーキングできるほか、将来的には毎週のトレードコンテストや先物取引の統合も予定されている。
プレセール価格は0.000268ドル(約0.04円)と低水準で、DEX上場前の初期参加を狙う投資家が増えている。Zcashを上回る可能性を持つ低時価総額の候補といえる。
3. Helium(HNT)
最後は、ミームから離れて別の領域であるDePIN(分散型物理インフラ)の代表格、Helium(HNT)だ。Heliumネットワークでは、ユーザーがIoTや5Gの通信カバレッジを提供する実世界のホットスポットを運用し、その報酬としてHNTを受け取る。

Heliumは2024年8月に半減期を迎え、新規供給が半減した。また、モバイル加入者から得られる収益を使って、市場でHNTを買い戻す仕組みがすでに導入されている。企業が自社株を買い戻すような構造であり、トークン価格にとって強い支援材料となる。
供給減少と買い戻しの組み合わせにより、大きな供給圧縮を生み出す可能性がある。現在のHNT価格は2.47ドル(約380円)で、過去最高値から95%以上下落した状態にある。基礎的価値を考慮すると、大幅に割安な水準といえる。






