
大規模な暗号資産保有者(いわゆる鯨)が、43億5,000万ドル(約6,550億円)相当のビットコインを売却し、9万6,000ETH以上を購入した。
オンチェーンデータによれば、これは一度限りの取引ではなく、この鯨は数十億ドル規模のビットコインを保有しながら、戦略的にイーサリアムへ資金を振り分けている。
機関投資家や超富裕層がETHを好む流れが強まる中、暗号資産市場にどのような意味を持つのか。そして今注目すべき銘柄は何か。以下で整理する。
イーサリアムに流入するビットコイン資金
イーサリアムは、前回の強気相場以来見られなかった規模で投資資金を集めている。
ビットコインが依然として「価値の保存」として注目を集める一方で、イーサリアムは新たな鯨の投資先として存在感を高めている。
This Bitcoin OG has sold 4,000 $BTC($435M) and bought 96,859 $ETH ($433M) spot over the past 12 hours.
In total, he has bought 837,429 $ETH($3.85B).https://t.co/RAEzClsCvr pic.twitter.com/ZUSDL1cIRm
— Lookonchain (@lookonchain) August 31, 2025
数字はその傾向を裏付ける。
8月だけで米国のスポットETH ETFに38億7,000万ドル(約5,830億円)の純流入があったのに対し、ビットコインETFは7億5,100万ドル(約1,130億円)の純流出を記録した。
資金のBTCからETHへのシフトは戦略的であり、機関投資家はイーサリアムの実用性と将来性に賭けている。
その信頼感は価格動向にも表れている。8月25日、ETHは4,954ドル(約74万5,000円)付近で過去最高値を更新した。
大口投資家の動きに支えられたレイヤー1資産として、今後さらなる成長の可能性が示唆される。
さらに、上場企業の中には財務戦略の一環としてETHを保有する例も増えており、11社で合計300万ETH以上を所有している。
こうした鯨の動きはすでにエコシステム全体に波及しており、次のWeb3成長期に沿ったプロジェクトが飛躍する準備を整えつつある。
一般投資家にとっては、ETHそのものを追いかけるよりも、革新的な技術で支えられるインフラ系トークンを見極めることが重要になりそうだ。
ここでは、今注目すべき暗号資産3つを紹介する。
1. Bitcoin Hyper(HYPER)──ビットコインにスマートコントラクトを実装
ビットコインは価値保存の役割では優れているが、速度や柔軟性では課題があった。
Bitcoin Hyper(HYPER)は、Solana Virtual Machine(SVM)を活用するレイヤー2ソリューションで、ビットコインにSolana並みの性能をもたらす。これにより、ミームコインやNFT、ゲーム、DeFiなど幅広い用途が可能となる。
最新の開発報告によれば、すでにSVM実行をロールアップ内で検証する初期プロトタイプの開発が完了している。
そのため、小口投資家から鯨まで幅広い層がHYPERを買い集めており、先月は1人の投資家が16万ドル(約2,400万円)以上を購入した。
HYPERのプレセールは現在0.012835ドル(約1.9円)で進行中だが、次の値上げは間近に迫っている。
購入者はすぐにステーキングでき、高利回りを得られる仕組みだ。執筆時点では年利82%とされているが、参加者の増加に応じて変動する。
戦略的投資家や鯨の間で注目を集める理由を知るには、公式サイトで詳細を確認するとよい。
2. Pepenode(PEPENODE)──ミームコイン的熱狂を伴う「マイン・トゥ・アーン」
Pepenode(PEPENODE)は、ゲーミフィケーションを取り入れた「マイン・トゥ・アーン」プロジェクトだ。
ユーザーはデジタルノードを使って仮想のマイニングリグを構築・アップグレードし、トークン生成イベント(TGE)前から報酬を得られる。
報酬システムは初期参加を促す設計になっており、ノード性能が強化されるほか、アップグレードに使用されたPEPENODEトークンの70%が恒久的にバーンされる。これにより自然なデフレ構造が生まれる。
さらに上位マイナーには、PEPEやFartcoinといったミームコインによるボーナス報酬も用意されている。
プレセール価格は現在0.0010366ドル(約0.15円)で、初期ステーキングは年利3,000%という高利回りを提供している。
すでに52万5,000ドル(約7.9億円)以上を調達しており、参加者が増えるにつれて利回りは低下する。
Pepeブランドとゲーム性を組み合わせることで、早期からユーザーの忠誠度を高める狙いがある。
急速に進むプレセールの動きを見る限り、その戦略は奏功する可能性が高い。
3. Chainlink(LINK)──Web3インフラの中核を維持
インフラ系暗号資産は常に強い魅力を持つ。その代表例がChainlink(LINK)である。
Chainlinkは、スマートコントラクトと現実世界のデータをつなぐ分散型オラクル基盤を提供しており、DeFi、NFT、企業向けアプリケーションなど幅広い分野を支えてきた。
安全で信頼性のあるデータフィードを実現し、多様なオンチェーン活動を可能にする。
AIや自動化がWeb3の未来を形成する中で、Chainlinkのクロスチェーンデータ連携機能は今後さらに重要性を増すと考えられる。
LINKは時価総額が大きいにもかかわらず、依然として過去最高値から56%下回る水準にある。
長期的な価格パフォーマンスや割安感について詳しく知りたい場合は、CoinMarketCapで確認できる。
鯨が示す戦略転換、個人投資家が注目すべき点
経験豊富なビットコイン鯨が4億ドル以上をイーサリアムに移した事実は、資金の流れが「実用性」に向かっていることを示している。
投資家にとって、BTCやETH以外の方向性を模索するきっかけとなる。
Bitcoin Hyper(HYPER)は、ビットコインにリアルタイムのスマートコントラクト機能を与える。
PEPENODEは、ゲーミフィケーションとデフレ構造を組み合わせた新しいマイニングモデルを提供する。
Chainlink(LINK)は、Web3に不可欠なデータ基盤として引き続き重要な役割を担う。
これらのトークンは市場の大きな潮流を反映しており、早期に関与することで高いリターンを狙える可能性がある。
ただし、常に自己調査を行うことが重要である。本記事は投資助言ではない。
