イーサリアム 今後は、機関投資家のリスク回避姿勢を背景に、下押し圧力が強まっている。ETH価格は2900ドルを下回り、直近7日間で11.8％下落した。現在は2825ドル（約42万4000円）前後で取引され、時価総額は約3400億ドル規模となっている。
今回の下落は、市場のボラティリティ上昇を受けて、機関投資家がデジタル資産へのエクスポージャーを縮小したことが主因だ。米国株式市場も不安定な値動きが続いており、世界的な金融政策の先行き不透明感が市場心理を冷やしている。
イーサリアムETFからの資金流出が下落圧力に
弱気圧力の中心となっているのが、ETF（上場投資信託）からの資金流出だ。ビットコインとイーサリアムの現物ETFはいずれも、直近で大幅な純流出を記録した。
特にETH ETFは5日連続で資金流出が続き、累計流出額は約5億3300万ドル（約800億円）に達している。市場では、短期的な価格変動よりも、投資家のポジション調整が主導しているとの見方が強い。
イーサリアムETFは5日連続で約582億円超の流出
過去1週間、イーサリアムの現物ETFには継続的な売りが入り、直近5日間だけで約5億3000万ドル近い資金が引き出された。週明けには、約2週間ぶりとなる最大規模の単日流出も確認されている。
Coinglassのデータによると、水曜日にも約2200万ドル（約33億円）の流出が発生した。売却はFidelity（フィデリティ）やBlackRock（ブラックロック）の商品に分散しており、特定のファンドに偏った動きではない点が特徴だ。
長期視点では強気姿勢も残る
一方で、長期的なイーサリアムへの信認が完全に失われたわけではない。トム・リーと関係の深いイーサリアム財務企業BitMineは、価格が3000ドルを下回った局面で、約1億4000万ドル（約210億円）相当のETHを追加購入した。
この取引により、同社のETH保有量は約397万ETHに拡大し、評価額は約116億ドル（約1兆7400億円）規模となっている。長期的な成長余地を見据えた動きとして注目される。
イーサリアム価格予測：3000ドル割れは警戒水準か
イーサリアムは心理的節目である3000ドルの下で推移している。この価格帯では過去にも上値が重く、今回の下抜けが投資家心理の悪化を招いた。
CoinMarketCapのデータでは、ETHは2834ドルで推移し、24時間で3.61％下落した。2900ドルのサポートを割り込んだことで、短期的な弱気センチメントが加速している。
テクニカル面では下値余地を警戒
今回の調整は、市場全体が月初の反発を維持できなかったことを受けて発生した。ETHは高値から約16％下落しており、短期的な売りが連鎖的に発生している。
専門家の間では、12月末の終値が2800ドルを下回った場合、さらなる下落リスクが高まるとの指摘が出ている。過去の値動きからは、2500ドル、さらに深い場合は2000ドル水準までの調整も想定されている。
Bitcoin Hyper：弱気相場下で注目される代替テーマ
イーサリアム 今後の見通しが弱含む中、市場の関心は相対的に強さを示すプロジェクトへ向かっている。その一つが、Bitcoin Hyper（HYPER）だ。
Bitcoin Hyperは現在進行中のプレセールで2950万ドル（約440億円）を突破し、すでに6億4500万枚以上のトークンが販売されている。弱気相場下でも資金を集めている点が特徴だ。
ビットコインの基盤ネットワークは、日常利用には処理速度や手数料面で課題を抱えている。開発の自由度も限定的で、高度なアプリケーション構築には制約がある。
Bitcoin Hyperは、ビットコイン自体を改変するのではなく、Solana Virtual Machineを活用した高速なレイヤー2を追加する設計を採用している。これにより、基盤の安全性を維持しつつ、高速取引とスマートコントラクト機能を提供する。
Canonical Bridgeを通じてBTCをレイヤー2へ移動させることで、ステーキング、DeFi、トークン化取引などへのアクセスが可能となる。
Bitcoin Hyperが弱気相場でも注目される理由として、以下の点が挙げられる。
- 約2兆ドル規模のビットコイン資本を活用できる成長余地
- 最大39％のステーキング報酬
- CoinsultおよびSpywolfによるセキュリティ監査
- プレセールで約2950万ドルを調達、645百万トークンを販売
- 割引価格0.013445ドルで提供中
暗号資産の普及が進むにつれ、実用性を備えたインフラ系トークンへの需要は高まりつつある。Bitcoin Hyperは、ビットコインの価値基盤を拡張し、2026年に向けた次世代プロジェクトとして存在感を強めている。
