XRPは足元のテクニカルな弱さと、実需拡大を示す指標の間で評価が分かれる中、4時間足で1.88ドル(約280円)付近を推移している。急反発後も直近安値を上回っている一方、主要レジスタンス付近では売りが継続し、市場全体には慎重姿勢が残っている。
XRP価格、主要レジスタンス下で上値重い
XRPは1.77~1.80ドル(約265~270円)の需要ゾーンから反発し、その後は安定した値動きを見せている。これらの水準では買いが強く入ったが、上方向への進展は限定的となっている。
価格は依然として主要移動平均線をすべて下回っており、それらは1.91~2.05ドル(約285~305円)に集中している。この配置が下押し圧力を維持する要因となっている。

また、ボラティリティバンドでは下限から中間付近で推移しており、強い上昇モメンタムは確認できない。短期レジスタンスは1.89~1.91ドル(約282~285円)で、過去の下抜け水準と重なり、戻り局面では売りが入りやすい。
さらに、1.97~2.00ドル(約295~300円)は供給ゾーンとして意識され、2.03~2.05ドル(約303~305円)にはフィボナッチ水準が重なる強い壁が存在する。1.86ドル(約278円)を割り込むと、1.80ドル(約270円)近辺までの下押しリスクが高まる。
デリバティブと現物フローが警戒感示す
デリバティブ市場では、トレーダー行動の変化が明確に表れている。直前の上昇局面で急増したXRP先物の建玉残高は、その後一貫して減少し、現在は約34億ドル(約5100億円)水準まで低下している。
この減少は、レバレッジ解消と投機的関心の後退を示唆する。加えて、現物市場では取引所からの純流出が継続しており、直近では約370万ドル(約5億5000万円)の流出が確認された。反発局面での売却が優勢で、積極的な買い集めは限定的となっている。
リップルCTO、価格より採用状況を重視
一方、リップルのデビッド・シュワルツCTOは、XRPを価格変動だけで評価すべきではないと主張している。同氏は、実際の採用状況は短期的な相場ではなく、利用データに表れると指摘した。
シュワルツ氏によると、XRP Ledgerはこれまでに40億件を超える取引を処理している。取引は数秒で完了し、コストもほぼゼロに近い水準だという。深い流動性により、大口資金の国際送金を効率的に実行できる点を強みとし、XRPを実用的な金融ツールと位置付けている。
XRP価格のテクニカル見通し
XRPは急落後の調整局面で1.88ドル(約280円)近辺に落ち着き、重要な分岐点に差しかかっている。上位時間軸では弱気構造が続く一方、短期では値幅が圧縮され、ブレイク時の変動拡大を示唆する形となっている。
上値目標としては、まず1.89~1.91ドルが直近の抵抗帯となる。これを明確に上抜ければ、1.97~2.00ドル、さらに2.03~2.05ドルが視野に入る。2.05ドルを回復できれば、2.09~2.18ドル(約313~325円)が次の上値ゾーンとなる。
下値では、1.87~1.86ドルが当面の支持線として機能している。この水準を割ると、1.82~1.80ドル、さらに1.77ドルが重要な防衛ラインとなる。特に1.77ドルはサイクル安値として買い手が守る必要のある水準だ。
1.97~2.05ドルに集中するEMA群は、中期的な強気転換に向けて超えるべき天井となっている。
XRPは上昇に転じるのか
短期的な方向性は、1.86ドルを維持しつつ、1.97~2.05ドルのレジスタンス帯に挑戦できるかにかかっている。建玉残高の減少や現物流入の弱さから、現時点では慎重姿勢が優勢だ。
一方で、2.05ドルを明確に突破すれば、参加者の回帰とセンチメント改善につながる可能性がある。逆に1.86ドルを割り込めば、再び1.80ドル、さらには1.77ドルが意識される展開となる。
XRP不透明感の中で注目集めるBitcoin Hyper
XRPが2ドル回復に苦戦する中、個人投資家やプレセール志向の資金はBitcoin Hyper(HYPER)に向かっている。同プロジェクトはすでに2960万ドル(約440億円)を調達し、次のステージでトークン価格は0.013445ドルを上回る見通しだ。

XRPが膠着状態にある一方、Bitcoin Hyperは初期段階特有のボラティリティと、上値が管理された成長余地を併せ持つ。主要銘柄への警戒感を背景に、2026年の強気相場を見据えた戦略的な選択肢として位置付けられている。






