
暗号資産(仮想通貨)市場が下落局面にある一方で、プレセール(事前販売)案件は依然として早期投資の好機となっている。これらは投資家が低価格で早期に購入できる機会を提供するが、同時に一定のリスクも伴う。
8月に入り、投資家は依然として有望なプレセール案件を探し続けている。中でも、ステーキング(暗号資産の預け入れによる報酬獲得)特典を提供し、活発なコミュニティを構築しているプロジェクトは、長期的な成長の可能性が高いとされる。最適な戦略は、明確な目的を持ち、支持層を着実に拡大しているプロジェクトを見極めることだ。
以下では、今月注目すべき有望な暗号資産プレセールを3つ紹介する。
Bitcoin Hyper(HYPER)
ビットコイン(BTC)のブロックチェーンは高い安全性を誇る一方で、処理速度が遅く、取引コストが高いという課題を抱えている。元々は分散性とセキュリティを重視して設計されており、速度やスケーラビリティは優先されていなかった。しかし、Web3やDeFi(分散型金融)の拡大に伴い、ユーザーは高速かつ低コストな取引を求めるようになっている。
このニーズに応えるため、Bitcoin HyperはBTC向けのレイヤー2ソリューションを開発しており、これが実装されればBTCの利用方法が大きく変わる可能性がある。
稼働後のBitcoin Hyperのレイヤー2は、Solana(ソラナ)並みの取引速度を実現する見込みだ。現在のBTCレイヤー1では1秒あたり約7件(TPS)の処理能力しかないが、このアップグレードにより数千TPSまで向上するとされる。
モジュラー型のブロックチェーン構成を採用し、取引はオフチェーンで処理しつつ、BTCのセキュリティを維持。レイヤー2のデータは定期的にレイヤー1へ保存され、同期と安全性を確保する。この仕組みにより、利用者増によるネットワーク混雑やガス代高騰の問題を軽減できる。
開発チームは最近、SVM(Solana Virtual Machine)プログラムに関する進捗を発表しており、詳細は公式サイトで確認できる。今後も定期的な更新が予定されている。
HYPERトークンはエコシステムの中核であり、ガス代の支払いやプロジェクト運営への参加に必要となる。プレセール専門家のBorch Crypto氏は、HYPERが上場時に急騰し、その後も堅調な成長を続ける可能性があると見ている。
現在の価格は1トークンあたり0.01255ドル(約1.9円)で、公式サイトまたはBest WalletアプリからETH、BNB、USDT、法定通貨で購入可能だ。これまでに約740万ドル(約11億2,000万円)を調達しており、最大140%の年利でステーキング報酬を得られる。ステーキング利回りは参加者が増えるほど低下するため、早期投資家が最も高い利回りを享受できる。
Maxi Doge(MAXI)
先週の大幅な売りが落ち着き、ミームコイン市場は回復基調にある。投資家は次の価格上昇の兆候を注視しており、中でもDogecoin(ドージコイン)が依然として流動性の面で優位に立っている。
しかし、ドージコインは過去サイクルの象徴であり、新興の知名度が低いミームコインの方が、高いリターンや文化的な勢いを生む可能性が高い。その中でも急成長中とされるのがMaxi Doge(MAXI)で、しばしばドージコインの「大胆な弟分」と評される。
MAXIは「Do only good every day(毎日良いことをしよう)」というドージコインの理念には共感しない投機的投資家層(degen)を惹きつけている。ただの低価格代替ではなく、「1000倍レバレッジ取引」のエネルギーをコンセプトの核としている点が特徴だ。
公式サイトによれば、MAXIはパーペチュアル先物取引所でローンチされ、100倍から最大1000倍のレバレッジ取引が可能になる予定だ。この高リスク設計は注目を集め、熱心なコミュニティ形成を後押ししている。
これまでに約44万5,000ドル(約6,700万円)を調達済みで、トークン価格は0.000251ドル(約0.038円)。暗号資産または法定通貨で購入できる。プレセール期間中のため、依然として有利な参入が可能だ。ステーキングもすでに開始されており、最大580%の年利が提示されている。
TOKEN6900(T6900)
TOKEN6900はEthereum(イーサリアム)上で稼働し、実用性を持たない純粋なミームコインとしての立ち位置を貫いている。技術やDeFiの大きな約束を掲げるのではなく、投機文化、インターネットミーム、SNSでの話題性に焦点を当てている。
そのコンセプトは、前回の市場サイクルで人気を博した金融パロディコインSPX6900(SPX)から着想を得ており、トークン供給量やスタイルまで模倣。ただし供給量を1トークンだけ増やす(930,993,091枚)という遊び心を加え、ミームコインが価値を生み出す仕組みを風刺している。
ベンチャーキャピタルや事前割当はなく、ブランド戦略も最小限だが、最大35%の年利でのステーキング報酬を提供している点が差別化要因だ。暗号資産アナリストのJacob Crypto Bury氏も、TOKEN6900を「今買うべきプレセールの一つ」と評価している。
SPX6900は実用性ゼロでも成功を収めたが、TOKEN6900も同様にミームの力で成長を狙う。現在までに約160万ドル(約2億4,200万円)を調達し、トークン価格は0.006875ドル(約1.04円)。ETH、ステーブルコイン、銀行カードで購入可能で、Best Walletのような暗号資産ウォレットがあれば手軽に参加できる。ハードキャップは500万ドル(約7億5,600万円)で、数週間以内の完売が見込まれている。上場先としてはUniswapなどの分散型取引所が想定される。
ミーム主体の派手なブランディングではあるものの、拡大するコミュニティの関心がローンチ後の追い風になる可能性がある。
