7月は暗号資産(仮想通貨)市場にとって歴史的な月となった。取引量が急増し、世界全体の仮想通貨の時価総額は初めて4兆ドル(約624兆円)を突破した。
ただし、この急騰を受けて利益確定の売りが広がり、7月下旬には複数の暗号資産で短期的な調整が発生した。それでも、大口投資家、いわゆる「クジラ」たちは依然として市場に強気の姿勢を保っている。彼らは、8月に上昇が見込まれる銘柄への資金シフトを進めている。
Cardano(ADA)
レイヤー1(基盤となるブロックチェーン)トークンのCardano(ADA)は、8月の値上がりを見込むクジラの間で特に注目を集めている。ブロックチェーン上のデータによると、7月24日以降、1億〜10億ADAを保有する大口ウォレットが2億7,000万ADAを買い増しており、現在の市場価格では2億1,000万ドル(約327億円)相当に達している。
この買い増しは、ADAの価格が下落局面に入ったタイミングで行われた。ADAは7月21日にサイクルの高値である0.93ドル(約145円)を付けたが、その後下落し、現在は0.77ドル(約120円)で取引されている。
このような下落局面にもかかわらず、高資産投資家の継続的な買いが見られることは、ADAの将来性に対する信頼が依然として強いことを示している。
クジラによる買いが今後も継続し、供給増を相殺できれば、ADA価格の下支えとなり、再び上昇に転じる可能性がある。この場合、ADAは0.84ドル(約131円)までの反発も視野に入る。
一方で、クジラの需要が鈍化すれば、ADAは0.76ドル(約119円)を下抜けし、0.66ドル(約103円)まで下落する可能性もある。

Maxi Doge(MAXI)
Maxi Dogeは、従来のミームコインとは一線を画した戦略で注目を集めている。プロジェクトのプレセールでは、わずか2日間で15万ドル(約2,340万円)以上を調達。1トークン0.00025ドル(約0.04円)で販売されている。
プレセール参加者には、年利1,598%という極めて高いステーキング報酬も提供されており、初期投資家にとって魅力的な条件が揃っている。
このトークンは、従来のDogecoin(ドージコイン)やShiba Inu(シバイヌ)といった犬系ミームコインとは異なり、レバレッジ取引に特化した設計が特徴だ。自らを「暗号資産界のジム愛好家」と位置付け、1,000倍のポジションや損切りなしの取引を標準とする仕様となっている。
さらに、NFTマーケットプレイスや取引コンペといったユーティリティの開発も進めており、単なるミームではない機能的価値も併せ持つ。
トークノミクス(トークンの供給設計)も戦略的に構成されており、供給量の40%がプレセールに、25%がマーケティング目的に割り当てられている。仮想通貨アナリストのアレッサンドロ・デ・クリプト氏は、この設計が毎週登場する「ポンプ&ダンプ型(急騰・急落型)」コインと異なり、長期的な安定性をもたらす可能性があると指摘している。
過去のDogecoinやShiba Inuの急騰を逃したトレーダーにとっては、MAXIがパラボリックな(放物線状の)上昇を狙ううえで有望な選択肢となるかもしれない。

Solana(SOL)
Solana(ソラナ)にも強気の兆候が見られる。オンチェーンデータによれば、本日、実績あるクジラトレーダーが大規模なロングポジションを新たに構築したことが確認された。
HyperDashのデータによると、このトレーダーは約290万ドル(約4億5,000万円)の利益を出しているウォレットで、238,909 SOLを約4,230万ドル(約66億円)相当の価格で購入してロングポジションを取った。
同氏は過去20日間で14件の取引を行い、そのうち12件が利益を出しており、勝率は85.71%と非常に高い。市場ではその動きに注目が集まっている。
このポジションのタイミングは、8月に向けてSOLの上昇を見込んだ自信の表れと考えられる。







