
バイナンスの最高経営責任者(CEO)であるリチャード・テン氏は、同社が複数の政府に対して仮想通貨政策の枠組みに関する支援と助言を行っていると明かした。
ただし、具体的にどの国と連携しているかについては明言を避け、「かなり多くの国からアプローチがあった」とだけ述べている。
この動きは、世界の仮想通貨市場、特に有望なアルトコインにどのような影響をもたらすのだろうか。その答えは、以下に示すとおりである。
仮想通貨業界の指南役としてのバイナンス
バイナンスにとって、現在の好転はトランプ政権の影響によるところが大きい。わずか2年ほど前、同社は米国で制裁違反とマネーロンダリングの罪を認めていた。
「ここ数カ月で米国から出てきた政策は非常に有益だった。世論も大きく変化したと思う」
(バイナンスのリチャード・テンCEO)
バイナンスは、今も米国の規制下にあり、今後5年間はコンプライアンス監視体制のもとで運営されることが決まっている。それでも、当面の間は大きな干渉を受けることなく事業展開が可能な状況にある。
また、同社の前CEOであるチャンポン・ジャオ氏(通称CZ)も、キルギスやパキスタンといった国々に対して、デジタル資産やブロックチェーン技術に関する助言を行っている。
EUの仮想通貨支配力が後退
欧州中央銀行(ECB)は、6回連続で政策金利を引き下げた。しかし、これに対して仮想通貨市場はほとんど反応を示さず、発表後にはわずか0.2%の下落にとどまった。
この現象は、仮想通貨がマクロ経済の影響を受けにくくなっていることを示しているのだろうか?
結論から言えば、まだそうとは言い切れない。先週には、関税停止の噂により仮想通貨市場が大きく上昇した。実際にその噂が現実となったタイミングで値上がりが起きており、マクロ要因の影響力は依然として存在している。
ただし、今や主導権は米国とアジア市場に移っている。EU内の厳格な規制は、仮想通貨参加者を排除する要因となっている。たとえば、MiCA規制を理由に、テザーはEU市場から撤退を余儀なくされたが、同社の事業にはほとんど影響がなかった。
他国が規制を整えながら前進する中で、EUだけが法的混乱に足を取られている。世界が進むなか、EUが取り残されている格好だ。
一方、仮想通貨の包括的かつ規制された環境づくりに各国が動き出していることは、世界的な仮想通貨普及にとってプラスである。この動きによって、現実世界での実用性を持つトークンが広がり、暗号資産の価値上昇につながる可能性がある。
以下に紹介するのは、このような環境のなかで注目されている仮想通貨ICOである。
1. SUBBD(SUBBD)──AIと連携する世界初のクリエイター向けサブスクリプションプラットフォーム
SUBBDトークン(SUBBD)は、オンラインクリエイターとファンの関係性を根本から変えることを目指す新しい仮想通貨である。
これは、AI技術を活用した初の仮想通貨サブスクリプションプラットフォームであり、クリエイターが効率的にコンテンツを制作・管理できる仕組みを提供する。
動画生成やプロフィール作成などのAIツールを利用することで、クリエイターはファンとの有機的なつながりを強化できる。
一方、ファンはSUBBDトークンを使ってクリエイターのコンテンツにアクセス可能で、仲介者なしでサブスクリプション契約を結ぶことができる。
保有者には、プラットフォーム割引、ガバナンス権、ステーキング報酬(年利20%)といった特典も用意されている。
現在の価格は1トークンあたり0.0552ドル(約8.400円)で、2030年末には2.50ドル(約380円)に到達するとの予測も出ている。プレセール段階で19万6,000ドル(約2,970万円)以上を調達済みであり、今が購入の好機である。
2. Solaxy(SOLX)──スケーラビリティ課題を解決するSolana初のレイヤー2構想
Solaxy(SOLX)は、Solanaブロックチェーン上に構築される初のレイヤー2ソリューションであり、すでにプレセールで3,050万ドル(約46億円)以上を集めている。
Solanaはその高速性で知られる一方、スケーラビリティの課題を抱えていた。Solaxyは、処理の一部をオフチェーンで行うことで、メインネットの負荷を軽減し、全体の処理速度とコスト効率を改善する。
取引を一括処理することで手数料を抑え、より実用的な環境を実現する。現在の価格は1トークンあたり0.001698ドル(約0.26円)と非常に割安であり、2026年末までに0.20ドル(約30円)まで上昇するとの予測もある。
3. Tutorial(TUT)──教育的要素を持つ話題のミームコイン
Tutorial(TUT)は、教育とミームカルチャーを融合させたユニークなミームコインである。
仮想通貨やブロックチェーン、DeFi(分散型金融)、BNBチェーンといった複雑な概念を、分かりやすく楽しい形で解説することを目的としている。
もともとはBNBチェーン上でトークンを作成するプロセスを学ぶために開発された実験的なプロジェクトであり、単なるジョークではなく、実用性のあるコインとして評価されている。
その結果、ローンチ以降に10,000%以上の価格上昇を記録し、直近1週間でも11%の上昇を見せるなど注目度が高まっている。現在の価格は0.02655ドル(約4円)である。
2025年、有望なアルトコインはまだ上昇するか?
今回紹介したアルトコインは、いずれも高い実用性と投資家からの関心を集めており、割安な価格で購入できる点でも注目されている。
ただし、仮想通貨市場には常に高いボラティリティが伴い、予想外の出来事によって価格が大きく変動する可能性がある。
そのため、投資に際しては必ず自身での調査が必要であり、本記事は投資助言を目的としたものではない。
