
投資ファンドは、複数の株式や資産を一括で保有し、投資家にそのシェアを販売する仕組みである。そのひとつがアーク・インベスト・ベンチャー・ファンド(ARKVX)であり、1億3,700万ドル(約205億円)以上の資産を保有し、昨年は6%超のリターンを記録した。これは、キャシー・ウッド氏が率いるヘッジファンドおよび投資会社、アーク・インベストが手掛けるプロダクトだ。
ARKVXへの投資は、ファンドのシェアを購入することで行われる。しかし、ウッド氏は今後、トークンによる投資を目指している。この発表は市場を刺激し、仮想通貨への投資熱を再燃させるだろうか。
資産トークン化は主流化するか?
資産トークン化(ブロックチェーン上で資産をデジタル化する仕組み)が進めば、アーク・インベストが運用するすべてのファンドがオンチェーン化され、透明性が高まり、投資家や仮想通貨愛好家にとってアクセスが容易になるだろう。同社は、現実資産(RWA:Real-World Assets)のトークン化推進の最前線に立つことになる。
だが、現状ではいくつかの障壁が存在する。その最たる理由は、明確な規制の枠組みが整っていないことだ。
トークン化された資産は、証券トークンに分類され、米証券取引委員会(SEC)の管轄下に置かれることは明白である。トランプ政権下のSECは、以前に比べて仮想通貨に対して寛容な姿勢を見せているものの、規制が不透明な状況で突き進むのは依然としてリスクが高い。そのため、Coinbase(コインベース)も2020年にはトークン化事業の計画を断念した経緯がある。
しかし、資産トークン化に対する世論の支持が高まる中、証券トークンの普及は現実味を帯びつつある。これが実現すれば、仮想通貨市場全体にも新たな追い風となり、新規プロジェクトの活性化が期待される。
「ミームコインの多くは無価値」ウッド氏が指摘
一方で、キャシー・ウッド氏は資産のトークン化には積極的だが、すでに存在する一部のトークン、特にミームコイン(インターネットミームに由来する仮想通貨)については慎重な見方を示している。
ウッド氏は「大半のミームコインは無価値になりつつある」と述べ、実用性が乏しく、長期的な成功を見込めないと指摘した。例外的に、広く認知されることで一定の実用性を持つとされるのが、DOGEやTRUMPなどだ。
もっとも、ミームコインはSECの規制対象外であり、その市場は今後も「西部劇」のような無法地帯の様相を呈するだろう。
ただし、ウッド氏の見解に対しては異論もある。実際には、ユーティリティ(実用性)を持つミームコインも存在する。中でもMEMEX、MAVIA、BTCBULLは、今後の成長が期待されるおすすめ仮想通貨として投資家から注目されている。
1. Meme Index – 年利558%のステーキング報酬と4種のインデックス
アーク・インベストが複数のファンドを提供しているように、Meme Indexは、複数のミームコインを4つのインデックスに分類している。各インデックスは、リスク許容度に応じた設計がなされている。
投資家はMEMEXトークンをそれぞれのインデックスに割り当て、自身の投資戦略を柔軟に調整できる仕組みだ。
「Meme Titan」はDOGEやPEPEなど、時価総額の大きい主要ミームコインを集約。「Meme Moonshot」は中規模の銘柄を中心に、やや高いボラティリティを持たせている。「Meme Midcap」はさらにリスクを高め、成長余地のあるミームコインを狙う構成だ。
POV: How you feel after your Index hits big. 🔥🦸 pic.twitter.com/w35PECsfeb
— Meme Index (@memecoin_index) March 19, 2025
最もリスクの高い「Meme Frenzy」は、草コインと呼ばれる小規模なミームコインにフォーカスし、高い成長ポテンシャルを狙う。
MEMEXトークンは4つのインデックスすべてにアクセスでき、加えて各インデックスの構成銘柄に関するガバナンス(投票権)も付与される。また、将来的に新たなインデックスが追加される可能性もある。
さらに、現在のプレセール期間中にMEMEXをステーキングすることで、年利558%の報酬を得るチャンスもある。報酬は今後3年間にわたり分配される予定で、長期的なリターンが見込まれる。
このように、短期的な値動きだけでなく、長期的な実用性も備えており、Meme Indexは他のプロジェクトとの差別化を図っている。
なお、Meme Indexのプレセールでは、すでに410万ドル(約6億1,400万円)が調達されている。詳細はプロジェクトページで確認できる。
2. Heroes of Mavia(MAVIA)– モバイル型Play-to-Earnゲーム
かつて人気を博した「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」を覚えているだろうか。
このゲームは、ポケモンに似たキャラクターとシンプルなゲーム性で話題を呼び、AXSトークンは150ドル(約2万2,500円)以上に急騰した。これにより、ブロックチェーンゲームが広く知られるようになった。
その後、AXSの価格はやや落ち着き、現在は3.46ドル(約520円)前後で取引されている。
しかし、Heroes of Mavia(MAVIA)は、この流れを変える存在になるかもしれない。時価総額2,900万ドル(約43億4,000万円)、トークン価格0.52ドル(約78円)で、着実に勢いを増している。
モバイルを中心に展開するこの基地建設型ゲームは、幅広いユーザー層に訴求する設計となっており、MAVIAトークンの価格上昇も期待される。果たして、Heroes of Maviaは次なるブロックチェーンゲームのヒット作となるだろうか。
3. BTC Bull(BTCBULL)– ビットコインの成長から3つの収益機会
BTC Bull Token(BTCBULL)は、ビットコイン(BTC)の恩恵をさらに享受する仕組みを提供する。
これまでビットコインは、230%の年平均リターンを誇り、多くの人々を富裕層へと導いてきた。BTCBULLは、その利益機会をさらに広げることを目指す。

BTCBULLトークンの保有者は、トークン自体の値上がり益に加え、一定の価格達成時にBTCのエアドロップ(無料配布)を受け取れる仕組みがある。
2025年1月には、ビットコインはすでに10万9,000ドル(約1,630万円)を突破。BTCBULLは、ビットコイン価格が15万ドル(約2,250万円)および20万ドル(約3,000万円)に到達した際、追加でBTCを配布する計画だ。条件は、Best Walletアプリを通じてBTCBULLを購入し、そのまま保有することのみである。
これにより、BTCBULL保有者は、BTCBULLトークンの値上がり益に加え、実際のBTCを獲得できる機会を得られる。さらに、現在のプレセール期間中は、年利112%のステーキング報酬も受け取れる。
ビットコイン市場の成長に伴い、BTCBULLには長期的な魅力があるといえる。
BTC Bull Tokenの購入は、専用のプレセールサイトでウォレットを接続し、決済方法を選んで取引を確定することで可能だ。プレセール終了後にトークンを受け取る流れとなっている。
資産トークン化の波に乗る新興仮想通貨に注目
アーク・インベストの主張通り、資産のトークン化は合理的であり、主要金融機関にパブリック・レジャー(分散型台帳)の利便性を提供するだろう。
ただし、ウッド氏はミームコインの潜在力を過小評価している可能性もある。確かに、多くのミームコインは淘汰される運命にあるが、Meme IndexやBTC Bull Tokenのようにユーティリティを備えたものには、依然として勝機がある。
とはいえ、投資は自己責任が原則だ。本記事は投資助言ではないため、リサーチを怠らないよう注意したい。仮想通貨は価格変動が激しく、損失リスクもある。
今後、急成長が期待される市場において、MEMEX、MAVIA、BTCBULLの動向に注目したい。
