
パフォーマンスの高いアルトコインの1つであるBNBは、主要暗号資産の候補として注目を集めている。価格上昇が今後の強気相場を後押しし、プレセール銘柄にも追い風となるのだろうか。
Binance Smart Chain(バイナンス・スマート・チェーン)のユーティリティトークンであるBNBは、しばらく目立たない動きを見せていたが、2025年5月12日(月)には5%上昇し、700ドル(約10万9,000円)に迫った。その後、価格は調整されたものの、機関投資家の関心が高まっている兆候が見られる。
同時に、米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産市場に「明確で妥当なガイドライン」を導入する方針を示している。この動きは、暗号資産の普及を進める一方で、「勝者を選んでいる」との批判も受けている。
こうした中でBNBは、主要アルトコインとしての地位を固めるのか。新たなルールの下で、プレセール銘柄はどう動くのか。以下で詳しく見ていく。
SECが「目的に合った」基準を提案──その場しのぎの規制運用に終止符か
月曜日に開催されたSECの暗号資産ラウンドテーブルでは、重要な発言が相次いだ。なかでも注目を集めたのは、SECのポール・S・アトキンス委員長によるスピーチだった。
アトキンス氏は、伝統的な金融システムから暗号資産への移行に言及し、次のように述べた。
「従来の証券規則は、ブロックチェーン技術の発展を妨げる可能性がある。」
この課題に対処するため、SECは新たなルール作成に乗り出すという。具体的には、暗号資産の発行、管理(カストディ)、取引に関する規制を整備する方針だ。
また、同氏は、従来のようなその場しのぎの執行措置をやめ、一定条件のもとでの「例外的な免除」の可能性にも言及した。これは、米国の規制アプローチにおける根本的な転換を示すものであり、慎重ながらも前向きな姿勢を表明したかたちだ。
さらにアトキンス氏は、伝統金融(TradFi)の機関が暗号資産市場に本格参入している現状にも言及した。その代表的な例として挙げられるのが、BNBである。
BNBに機関投資家の資金流入──700ドル突破が視野に
BNBの勢いは増している。1週間で8%、1カ月で9%、年初来で10%の上昇を記録。現在の価格は約648ドル(約10万1,000円)で、700ドル突破は目前だ。
特筆すべきは、過去24時間で取引量が54%も急増した点だ。これは、機関投資家の関与が再び活発化している兆しとも考えられる。現在、BNBの24時間取引量は約26億ドル(約4,050億円)、時価総額は910億ドル(約14兆1,000億円)に達し、時価総額では第5位となっている。
BNBチェーンは、DeFi(分散型金融)からBinance Launchpool(バイナンス・ローンチプール)まで、多様なプロジェクトを支える基盤となっている。ローンチプールでは、新規プロジェクトのプレセール情報が提供されており、早期投資の機会が得られる点でトレーダーにとって魅力的だ。
こうした中、SECの新ルール策定とBNBの躍進に注目が集まるなか、以下では有望なプレセール銘柄3選を紹介する。
1. Solaxy(SOLX)──Solana対応の革新的レイヤー2マルチチェーントークン
現在、Solaxy(SOLX)のプレセールには3,490万ドル(約54億4,000万円)が集まっている。これは、Solanaベースのレイヤー2が実現可能であるという期待感によるものだ。
SolanaはEthereum(イーサリアム)よりも低コストかつ高速な処理が可能で、pump.funのような成功事例を生んできた。しかし、ネットワーク混雑やトランザクション失敗といった課題もある。
Solaxyは、Ethereumの信頼性と拡張性、Solanaのスピードを兼ね備えたトークンだ。ERC-20規格に準拠し、マルチチェーン機能を備えている。トークンローンチ後には、Solana初のレイヤー2として稼働する計画である。
ユースケースは幅広く、ミームコインのローンチや即時決済などが想定される。また、プレセール中にはステーキング報酬として115%が提供されている。現在の価格は0.001722ドル(約0.27円)で、1年以内に0.032ドル(約5.0円)への到達も期待されている。
2. SUBBD(SUBBD)──AIとインフルエンサー市場をつなぐ新トークン
SUBBD(SUBBD)は、急成長中のAI市場とソーシャルメディア市場を融合させたプロジェクトだ。
暗号資産AI市場の時価総額は過去30日間で52%上昇し、現在は380億ドル(約5兆9,000億円)。一方、世界のコンテンツクリエーション市場は8,500億ドル(約132兆円)に達しており、SUBBDは両者を取り込むことを目指している。
SUBBDは、以下のような機能を提供する:
- AIによるコンテンツ作成ツール
- VIPステーキング特典
- プラットフォーム割引
- ロイヤルティ報酬制度
- 経験値(XP)ブースト機能
- 限定コンテンツへのアクセス
- ベータ版の早期利用権
なかでも注目されているのが「SUBBD AI Creator」だ。このツールにより、誰でも自分自身のAIインフルエンサーを立ち上げ、収益化を図ることができる。
トークン価格は0.0554ドル(約8.6円)で、これまでに38万2,000ドル(約5,960万円)を調達済み。2025年末には0.301ドル(約47円)への上昇が予測されている。
3. Bitcoin Pepe(BPEP)──ビットコイン対応のミームレイヤー2
Bitcoin Pepe(BPEP)は、ビットコインの勢いを背景にしたミーム系レイヤー2プロジェクトだ。
ビットコインの価格は現在10万3,000ドル(約1,610万円)を超えており、そのエネルギーを活用したミーム銘柄として注目されている。
BPEPは、超高速トランザクションと超低コストを実現し、ビットコイン上でミームコインを立ち上げるための新たなBEP-20規格を導入する。この規格はEVM(Ethereum Virtual Machine)とSolidityに対応しており、開発者が柔軟にプロジェクトを構築できる環境が整っている。
トークノミクスでは、プレセール分に加えて、ステーキング、マーケティング、開発費用に多くの割合が割り当てられている。
すでにICO段階で800万ドル(約12億5,000万円)以上が集まっており、勢いのあるプロジェクトである。
SECとBNBが示す強気相場の地ならし
SECが新たなルールを策定し、BNBが市場をけん引するなか、紹介した3つのプレセール銘柄は今後の注目株といえる。
ただし、どれほど市場が好調に見えても、投資判断は自身での調査が不可欠だ。暗号資産の世界において、価格変動は常に織り込み済みである。
