
ビットコインの価格が9万9,000ドル(約1,500万円)を突破し、新たな強気相場(ブルラン)が過去最高値を更新する勢いを見せている。現在のビットコインの動向と上昇の背景、そして注目すべき新しい仮想通貨について整理する。
BitMex(ビットメックス)の元CEOであるアーサー・ヘイズ氏は、この上昇が2022年第3四半期から2025年初頭にかけての動きに類似していると分析している。
同氏は強気な見解を示しており、「ビットコインに全資産を投入している」と語り、年末までに15万ドル(約2,300万円)への到達を予想している。
ビットコインの急騰の要因とは? 新興プロジェクトにも波及か
ヘイズ氏は、ビットコインの急激な価格上昇の背景について、次のように語っている。
「現在、市場には恐怖、不確実性、疑念(FUD)が蔓延しており、特に米国の金融当局はこれに対応できず、結果として金融緩和(通貨供給の増加)に走っている。」
この強気相場は、2025年4月9日、トランプ大統領が発表した90日間の関税一時停止に起因しているという。4月2日の関税方針発表を受け、市場は不安定化。その後の一時停止報道が広がると、市場は30分で200兆円規模の上昇を見せた。
利益はすぐに消えたが、正式発表後の翌日には再び6%上昇した。この一連の動きは、まるで映画のワンシーンのようだ。
Grayscale(グレースケール)のリサーチ責任者ザック・パンドル氏も、ビットコインの将来の価格推移について楽観的な見方を示している。
同氏は「米連邦準備制度(FRB)はスタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)への懸念を抱いているが、1970年代の金と同様、政策変更により市場構造が急速に改善しているビットコインが恩恵を受ける可能性がある」と述べた。
ただし、ビットコインの上昇を説明するのは市場の不安定さだけではない。以下のタイムラインは、仮想通貨市場の現状をより的確に示している。
- 2024年7月31日:米上院議員シンシア・ルミス氏が「戦略的ビットコイン準備金」構想を発表。
- 2024年11月5日:トランプ氏の勝利が確実視され、ビットコインが10%上昇し7万6,000ドル(約1,140万円)を突破。
- 2024年12月6日:トランプ氏が暗号資産支持者のデイヴィッド・サックス氏をAI・暗号資産「ツァー」に任命。
- 2024年12月23日:選挙から1か月後、ビットコインが10万ドル(約1,500万円)を突破し、過去最高の10万6,490ドル(約1,600万円)に到達。
- 2025年2月21日:ハワード・ルトニック氏が商務長官に指名。
- 2025年1月21日:SEC(米証券取引委員会)のマーク・ウイエダ暫定委員長が新たな暗号資産タスクフォースを設立。
- 2025年1月23日:上院銀行委員会のティム・スコット議員が、シンシア・ルミス氏をデジタル資産小委員会の委員長に任命。
- 2025年3月6日:ホワイトハウスがビットコイン準備金とデジタル資産備蓄を正式に設置。
- 2025年第1四半期:SECがCoinbase(コインベース)、XRP、Kraken(クラーケン)などへの訴訟を取り下げ。
こうした一連の動きが、ビットコインの歴史的上昇の土台を築いた。これにより、今後の新興仮想通貨プロジェクトにも資金が流れ込む可能性が高まっている。以下は、現在注目されている代表的なアルトコインである。
1. SUBBD(SUBBD)──AIが主導する新時代のコンテンツ創出プラットフォーム
SUBBDは、AIを活用してコンテンツ制作と管理を自動化するプロジェクトである。
AIパーソナルアシスタントは、ファンとの交流やSNSの管理、フィードのパーソナライズなど、ポストプロダクション業務を支援する。
主要機能には、インフルエンサーを作成・収益化できる「AIクリエイター」や、育成機関である「クリエイターズ・アカデミー」、マーケットプレイスなどが含まれる。
プレセール段階で、すでに34万6,000ドル(約5,200万円)を調達済みであり、トークン価格は0.05535ドル(約8.30円)である。
ステーキング参加者は20%の固定APY(年利)を得られるほか、ガバナンス権、ベータ機能の先行利用、クリエイターへのチップ送金などの特典がある。
2. BTC Bull Token(BTCBULL)──ビットコイン連動型ミームコインでエアドロップ提供
BTC Bull Tokenは、ビットコイン価格が一定の水準(15万ドル、20万ドルなど)を超えるたびに、BTCBULL保有者にビットコインをエアドロップする仕組みを持つ。
プロジェクトは、ビットコインが将来的に25万ドル以上に達するという見通しに基づいている。
価格上昇に伴い、BTCBULLのトークンが段階的にバーン(焼却)され、希少性が高まることで価格上昇圧力を維持する。
現在までに540万ドル(約8億円)を調達済みで、トークン価格は0.0025ドル(約0.37円)。ステーキング報酬は現時点で76%と高水準だが、参加者が増えるとともに減少する見込みである。
なお、エアドロップを受け取るには、Best WalletにBTCBULLを保有している必要がある。
3. Virtuals Protocol(VIRTUAL)──AIエージェント開発の次世代プラットフォーム
Virtuals Protocolは、ユーザーが独自のAIエージェントを作成し、それに共感するコミュニティを形成できるプロジェクトである。
ランキング機能により、最新のAIプロトコルが参加者数やフォロワー数で順位付けされている。
2024年10月以降、価格は急上昇。11月末には過去最高の15,699%の成長を記録した。
現在のコミュニティ評価は83%が肯定的で、24時間の取引高も23.83%増加しており、今が参入タイミングとの見方もある。
ビットコインは今後も上昇するのか?
現時点のチャートを見る限り、上昇傾向は継続する可能性が高い。
ビットコインは過去30日間で24.45%、過去24時間で2.55%の成長を記録しており、市場全体が好調だ。
こうした上昇相場では、新しい有望な仮想通貨も波に乗る可能性がある。最大の利益を狙うなら、今回紹介したプロジェクトは注目に値する。
ただし、これは投資助言ではない。投資を行う際は、自身で十分な調査(DYOR=Do Your Own Research)を行い、適切なリスク管理を行う必要がある。
