ビットコインが心理的節目である95,000ドル（約1,460万円）を明確に突破したことで、仮想通貨市場全体に再び強気の勢いが戻っている。市場のセンチメントがポジティブに傾く中、大口投資家（いわゆる「クジラ」）は今週、注目のアルトコインを相次いで購入している。
その中でも特に注目を集めているのが、Solaxy（SOLX）、Avalanche（AVAX）、Ethereum（ETH）、そしてミームコインのPepe（PEPE）であり、いずれも今週に入ってからクジラによる大量の買いが確認されている。
Solaxy（SOLX）
Solaxy（SOLX）は、ソラナ（Solana）ブロックチェーン向けの初となるレイヤー2（Layer-2）スケーリングソリューションを構築するユーティリティ性を備えたミームコインである。SOLXはその名の通り、ミーム的要素を持ちながらも、ソラナ上でのミームコイン取引を高速かつ低コストで実現し、新たな取引活動を促進する設計となっている。
このプロジェクトは、ソラナの最大の課題であるネットワーク混雑の解消を目指しており、主な取引処理をメインネット外で行うことで、トランザクションの確定時間を短縮し、ガス代も削減される。これにより、トランザクションエラーのリスクを減らしながら、ミームコインの取引を活発に行える環境が整う見込みだ。
SOLXトークンはこの新レイヤー2におけるネイティブガストークンとして使用され、Solaxy経由で取引を行うにはこのトークンの保有が不可欠となる。また、トークンそのものにも高いミーム的価値があるとされている。レイヤー2のローンチ前にもかかわらず、X（旧Twitter）上ではすでに72,000人以上のフォロワーを獲得している。
SOLXは現在、Solaxyのプレセールでのみ購入可能で、すでに3,350万ドル（約51億円）以上を調達している。今年最大級のミームコインICO（新規コイン公開）であり、アナリストの中には上場後に100倍以上の値上がりを予測する声もある。今後の値動きに注目が集まるプロジェクトだ。
Avalanche（AVAX）
レイヤー1（Layer-1）ブロックチェーンのネイティブトークンであるAVAXも、今週に入りクジラの注目を集めている。その証拠として、大口保有者のネットフロー（資金流入出）が過去7日間で380％以上急増していると、ブロックチェーン分析企業IntoTheBlockは報告している。
ここでいう「大口保有者」とは、流通供給量の0.1％以上を保有するウォレットアドレスを指す。ネットフローの増加は、こうした投資家が積極的に買い増していることを示しており、しばしば個人投資家の買い意欲を刺激するシグナルとなる。
この上昇傾向が続けば、AVAXは24.28ドル（約3,740円）のレジスタンスラインを突破し、30.23ドル（約4,660円）への上昇が視野に入る。一方、需要が後退すれば、14.66ドル（約2,260円）まで下落する可能性もある。
Ethereum（ETH）
ETHは、最近の市場全体の上昇局面の中で、7日間で約3％の価格上昇を記録している。これは、クジラによる継続的な買い増しが背景にある。
Santimentのデータによると、10,000〜100,000ETHを保有するアドレス群が、直近7日間で28万ETH（約5億1,000万ドル＝約780億円）を買い増したという。このグループの保有量は現在2,524万ETHに達しており、過去1か月で最高水準となっている。
この買い増しが続けば、ETHは2,000ドル（約30万7,000円）の心理的節目を超える可能性がある。ただし、弱気派が優勢になれば、1,733ドル（約26万6,000円）まで下落する可能性もある。
Pepe（PEPE）
人気ミームコインのPEPEも、今週に入りクジラによる買いが加速している。Santimentによれば、100,000〜1,000,000トークンを保有するアドレスが、過去7日間で3億5,000万PEPEを新たに取得した。
執筆時点での価格は0.0000086ドル（約0.0013円）である。クジラによる蓄積が続けば、現在の下落トレンドを反転し、0.0000010ドル（約0.00015円）のレジスタンスを突破する可能性がある。一方で、売り圧力が強まれば、0.0000052ドル（約0.0008円）まで下落するリスクもある。
