
先週、ドナルド・トランプ前大統領による報復関税の発表と、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長によるスタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)への懸念表明を受け、仮想通貨市場はまちまちな値動きとなった。
ビットコイン(BTC)は82,000ドル(約1,260万円)から85,000ドル(約1,306万円)の間で推移し、全体の暗号資産時価総額は2.65兆ドル(約408兆円)にやや縮小した。今週注目される銘柄として、Aptos、XRP、Solana、Solaxyが挙げられる。
Aptos
Aptosの価格は2024年に入ってから大幅な下落が続いており、昨年11月の高値15.32ドル(約2,353円)から4.70ドル(約721円)まで下がっている。この下落は、仮想通貨市場全体の下落とトークンのロック解除による希薄化が要因とされている。
Aptosの流通供給量は6億400万枚で、総供給量11億4,000万枚に対して毎月1,130万枚がロック解除されている。次回のロック解除は2025年5月3日(土)に予定されており、5,200万ドル(約80億円)相当のトークンがコミュニティ、コア開発者、投資家、財団に配分される。
現在、Aptosの価格は重要なサポート水準に位置しており、2023年7月以降少なくとも4回はこの価格帯を下回ることなく推移している。取引量を伴った下落がこのサポートを割り込んだ場合、4ドル(約614円)を下回る可能性がある。一方で、50日移動平均線である5.80ドル(約891円)を上回れば、下落トレンドは無効となる。
XRP
XRPも技術的観点から今週注目される銘柄だ。チャート上、同銘柄は4月27日時点で2.10ドル(約323円)で推移しており、1.9325ドル(約297円)の重要なサポート水準をわずかに上回っている。この水準は「ヘッド・アンド・ショルダー」パターンのネックラインであり、頭が3.4ドル、両肩が3ドルという構成となっている。
また、この水準はフィボナッチ・リトレースメント(相場の戻し幅)50%にも一致するため、これを割り込んだ場合は下落シナリオが強まり、次の目標は61.8%ラインに相当する1.5370ドル(約236円)となる。現在価格から約26%の下落余地がある計算だ。
Solana
Solanaは、人気のレイヤー1ブロックチェーンであり、今週も注目される銘柄の一つだ。現在、価格は115ドル(約17,662円)という重要なサポート水準にあり、これは2025年3月の最安値でもある。
また、Solanaは小さなダブルボトム(底値二重)パターンを形成しており、ネックラインは147.18ドル(約22,631円)に設定されている。このパターンは強気転換のシグナルとされており、昨年以降この水準を下回ることなく推移してきた。
しかし、もしこのサポートを下回るようであれば、次は100ドル(約15,350円)付近がサポート水準となる可能性がある。
Solaxy
Solaxy(SOLX)は、Solanaのネットワーク負荷が高まった際に処理速度を向上させることを目的としたプロジェクトだ。現在、テストネット上で動作しているレイヤー2ロールアップ(処理高速化技術)を開発しており、すでに100万件以上のトランザクションを処理。今後は1秒間に1万件(TPS)を目指している。
この技術が重要視される背景には、以前Solana上で起きたミームコイン(インターネット・ミームをモチーフとした仮想通貨)ブームがある。取引需要が急増したことで手数料が高騰し、トランザクションエラーも多発した。Solaxyのネットワークは、これらの問題を解決する設計となっており、取引コストの安定化とエラーの最小化を図っている。
Solaxyのプレセール(先行販売)も勢いを増しており、すでに3,200万ドル(約49億円)以上を調達。現在は1トークンあたり0.001708ドル(約0.26円)で購入可能となっている。また、プレセール中に購入したトークンは年利125%のステーキング(保有報酬)も可能だ。
このようなプレセール人気と報酬制度の相乗効果により、Solaxyには大きな注目が集まっている。仮想通貨専門サイト「99Bitcoins」も同プロジェクトを「次なる10倍銘柄」と評価している。
ビットコインや主要アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)以外での新たな投資機会を模索する投資家にとって、Solaxyは将来性のあるスケーリング(拡張性)プロジェクトとして魅力的な初期段階の選択肢となるだろう。
