ブラジル最大の投資銀行であるBTGパクチュアル(BTG Pactual)の暗号資産プラットフォーム「Mynt(ミント)」は、10月の値上がりが期待される5つの暗号資産を選定した。理由として、機関投資家の需要、ネットワークの安全性、実世界での利用事例を挙げている。選ばれたのは、Bitcoin、Ethereum、Solana、Avalanche、そしてBitcoin Hyper(HYPER)である。
この選定は、マテウス・パリゾット氏とジョアン・ガルハルド氏によるレポートにまとめられており、米国の金利低下や新たな暗号資産ETFへの期待感が市場全体に広がっていることを反映している。
Bitcoinは依然として機関投資家にとって中心的な選択肢である。9月には現物ETFに35億ドル(約5,350億円)以上が流入し、企業の財務部門は43,000BTC(約50億ドル、約7,650億円)を追加した。レポートでは「長期的なポートフォリオの柱を求める投資家にとって、BTCは流動性、ネットワークの安全性、小口投資家を超えた採用実績を提供する」と記されている。

Ethereumについては、オンチェーン金融におけるリーダー的存在であると強調された。BTGパクチュアルの分析チームは、Ethereumがステーブルコイン(価格が安定した暗号資産)の取引量や実世界資産のトークン化プロジェクトの大部分を担っていると指摘した。過去6か月間で米国の現物ETFには113億ドル(約1兆7,300億円)が流入し、9月だけで企業財務は81.6万ETH(約3,400億円相当)を取得している。これらの動きは機関投資家の需要が依然として高水準にあることを示している。
上位2銘柄以外の注目資産
Solanaの強みは速度とコストである。BTGパクチュアルは、Solanaが3か月連続で分散型取引所(DEX)において1,000億ドル(約15兆円)以上の取引量を処理し、初めて30億ドル(約4,500億円)を超える総ロック額を記録した点を指摘した。これはDeFi(分散型金融)流動性の拡大を示すものである。アナリストは、今後現物SOL ETFが登場する可能性があり、機関投資家の資金流入と注目度の上昇につながると見ている。
レポートでは「実世界での活用が進む高性能なインフラへの投資を求める投資家にとって、Solanaは規模、競争力のあるコスト、加速するネットワーク効果を兼ね備えている」と述べられている。
Avalancheについては、オンチェーン活動の急成長が注目された。直近の四半期で1日当たりの取引件数は46%増加し、ステーブルコインの送金額は421%増加した。同ネットワークの「サブネット」アーキテクチャにより、企業は独自のブロックチェーンを構築できるため、実世界での利用事例が拡大しているという。
最後に挙げられたのがBitcoin Hyper(HYPER)である。従来のミームコインとは異なり、HYPERはSolana Virtual Machine(SVM)とZKロールアップ技術を活用したBitcoinのレイヤー2であり、BitcoinのDeFi、NFT、dApp経済を解放することを目指している。

すでにプレセール(事前販売)で2,100万ドル(約32億円)以上を調達し、直近1週間だけでもクジラ投資家が100万ドル(約1.5億円)超を追加購入しており、投資家の強い信頼を示している。ステーキング(保有資産を預けて利回りを得る仕組み)では年利100%を超える利回りが提供されており、コミュニティの活発な参加を後押ししている。
HYPERの設計は、ラップドBTC(トークン化されたBTC)の正規ブリッジを中心に据え、安全で拡張性のある決済を可能にしつつ、Bitcoinの圧倒的な流動性を活用する。アナリストは、HYPERを「インフラと利回りを兼ね備えた稀有な存在」と位置づけており、Bitcoinのブランド力とSolana級の性能を組み合わせていると評価した。総アドレス可能市場は2兆ドル(約300兆円)のBitcoin経済に直結しており、BTGパクチュアルのレポートは、HYPERを長期的に機関投資家に関連する数少ない新規トークンの一つ、そして有望なレイヤー2として提示している。






