2024年11月、ある暗号資産トレーダーが「Chill Guy」ミームに基づくコインの初期段階で参入し、ほぼ完璧な取引を実現した。
この投資家は0.75 Solana(SOL、当時約160ドル=約2万4,000円)を投じ、12.5百万枚のJust a chill guy(CHILLGUY)トークンを購入した。その後、ミームが急速に拡散し、投資額は一時610万ドル(約9億2,000万円)を超える価値に達した。
利益の大半はまだ確定していない。トレーダーは2.8百万枚のCHILLGUYを売却し、約3万5,400ドル(約530万円)を得たが、依然として9.62百万枚を保有している。
この取引は、Solana(ソラナ)基盤の新規ミームコイン立ち上げプラットフォーム「Pump.fun」で行われた。同プラットフォーム自体は、ライブ配信機能を利用した不適切コンテンツ問題を受けて機能停止を余儀なくされるなど、物議を醸している。
CHILLGUYミームコインは消滅の危機か
その後、CHILLGUYは大きな逆風に直面している。オリジナル作品「Chill Guy」を描いたフィリップ・バンクス氏が著作権を主張し、画像を営利目的で利用する暗号資産を含むプロジェクトに対して削除要請を行う意向を表明したためだ。

同氏は2023年後半にこのイラストを投稿しており、法的措置を検討していることを明言している。米国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の下では「フェアユース(公正利用)」がミームを一定程度保護することもあるが、CHILLGUYは投資や利益活動と結びついているため、その主張は弱まる可能性がある。
この警告により売却が急増し、プロジェクトの持続性に疑念が生じた。加えて、ミームコイン全般に対する根強い懐疑論や「クリプト・ウィンター」時代に多発した詐欺的プロジェクトへの印象も重なり、CHILLGUYの長期的な将来性は不透明となっている。
2025年、ミームコインは依然として肥沃な土壌
法的な不確実性が残る中でも、CHILLGUYはトレーダーの注目を集め続けている。現在の価格は0.05ドル(約7.5円)前後で推移し、時価総額は約5,000万ドル(約75億円)規模。2024年末のピーク時からは大幅に下落したものの、日次で数百万ドル規模の取引量が維持されている。
2025年には、他の文化的現象やインターネット発のバイラルコンテンツを題材にしたミームコインも市場に定着している。2024年に話題となった「Moo Deng」や「Hawk Tuah girl」などの成功例に続き、制作者が公式バージョンを立ち上げて拡散力を活用するケースも増えている。
一方で、ユーティリティに基づくプロジェクトとしてはBitcoin Hyperが注目されている。Bitcoin Hyperは、Solana Virtual Machine統合やZKロールアップを組み込んだビットコインのレイヤー2として位置付けられ、高利回りのステーキングを提供し、分散型アプリケーション(dApps)や分散型金融(DeFi)をビットコインに導入することを目指している。ミーム文化や法的リスクに左右されるCHILLGUYとは異なり、インフラとしての長期的な成長性がアナリストにより評価されている。

CHILLGUYの法的問題は影を落とすものの、ミームコイン市場全体は勢いを失っていない。投資家にとっては大きな利益機会と極端なリスクを併せ持つ領域である。一方、Bitcoin Hyperのようなユーティリティ重視のプロジェクトは、単なる流行にとどまらず持続的な価値をもたらす可能性を示しており、投資資金が「投機」と「基盤開発」の二極に分かれていく傾向を強めている。






