AI関連の暗号資産(AIトークン)市場が急成長している。過去24時間でAIトークンの時価総額は約14.9%増加し、約490億ドル(約7兆3,800億円)に達した。一方、より古くから存在するミームコイン市場は依然として規模が大きく、時価総額は約1,170億ドル(約17兆6,000億円)に上り、同期間で8.9%増加している。
注目を集めているAIプロジェクトの一つがSUBBDである。これはAIツールとクリエイターエコノミーを結びつけるプレセール段階のトークンで、既に100万ドル(約1億5,000万円)以上の資金を調達している。同プロジェクトは、クリエイターとそのファンをつなぐプラットフォームとして自らを位置付けている。
暗号資産におけるAIエージェントの新時代
AIエージェントが暗号資産の分野で積極的に活用される構想は、もはや理論にとどまらない。Virtuals Protocol、ai16z、そしてSUBBDといったトークンは、AIと分散型システムを組み合わせた新たなカテゴリーを形成している。

SUBBDはクリエイターとコミュニティ向けのトークンとして展開されている。開発チームによれば、合計で2億5,000万人以上のフォロワーを持つ2,000人以上のクリエイターがプラットフォームと接続しているという。トークン保有者は限定コンテンツの閲覧、サブスクリプション割引、ステーキング機会といった特典を受けられる。
AIの仮面の裏にあるもの
すべてのAIトークンが真の「エージェント」とは限らない。多くのプロジェクトは、実際にはチャットボットのような単純なAI機能しか持たないにもかかわらず、より高度な技術を装っている。
SUBBDはその点で異なる戦略を採っている。自律的なAIエージェントよりも、コンテンツ制作やコミュニティ参加に重点を置き、トークンの実用性をクリエイタープラットフォームに結び付けている。トークン保有により特別なアクセス権や報酬が得られる仕組みを構築しており、単なる話題性だけに依存するプロジェクトとは一線を画す。

AIエージェント革新に欠けている要素
AIトークンが本格的に普及するためには、低コストで信頼性の高いインフラが不可欠である。現状、多くのトークン(SUBBDを含む)はEthereum(イーサリアム)上に構築されており、その性能はイーサリアムの処理能力や手数料削減を可能にするレイヤー2ネットワークに大きく依存している。
SUBBD自体は独自のレイヤー2を運用しておらず、ERC-20規格のトークンとしてEthereumエコシステムの発展による恩恵を間接的に受ける形となっている。現在のプレセール価格は約0.0015ドル(約0.23円)で、既に100万ドル以上が調達されている。今後の普及は、クリエイター向けプラットフォームをどこまで実現できるかにかかっている。
ハイプを超えてAIに未来はあるか
AIは依然としてテクノロジーと暗号資産の分野で最も活発なテーマの一つである。SUBBDは、AIトークンがクリエイターエコノミーといった実用的な分野へと広がっていることを示している。
アナリストは、2026年に向けてAIトークンへの投資家の関心が継続すると予測している。実際にミームコインを上回るかどうかは、実行力、採用状況、そして市場心理に左右されるだろう。
とはいえ、SUBBDはまだ初期段階にある。プラットフォーム自体はまだ稼働しておらず、クリエイターの参加や成長に関する約束は今後検証される必要がある。投資家は、このプロジェクトがプレセール段階にあること、そして高いリスクを伴うことを十分認識しておくべきである。






