
ビットコインは約950万円を推移──市場の注目はAI仮想通貨へ
現在、ビットコインの価格は約95,000ドル(約1,450万円)前後を推移しているが、投資家の関心は別の領域へと移りつつある。
もしあなたが以下のアメリカの都市に住んでいるなら、近未来的な金属球が日常を変えるかもしれない──
アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコ。
SF映画の話のようだが、これは現実だ。ChatGPTの開発者であるサム・アルトマン(Sam Altman)氏が率いるOpenAIが長年取り組んできた仮想通貨プロジェクト「World」が、ついに始動する。
このプロジェクトでは、金属製の球体「オーブ(Orb)」を製造し、個人IDをトークン化する構想が進められている。
構想の成否に関わらず、「World」はAI仮想通貨プロジェクトの一翼を担い、市場の活性化に貢献している。
AI仮想通貨プロジェクトが回復基調に
AI関連のトークンには複数のタイプが存在する。分析や市場インサイトを提供するAIエージェント型、ブロックチェーンとAIを組み合わせて現実世界での利用を目指すトークン化プロジェクト、さらにAIを組み込んだサービス支援型などがある。
現在、これらのトークンは全体的に好調だ。
- AIエージェント型:上昇中
- AIローンチパッド:上昇中
- AIアプリケーション:上昇中
このような市場環境を背景に、アルトマン氏も「World」プロジェクトの本格展開に踏み切ったと見られる。
Worldの「オーブ」が製造開始へ
「World」は、OpenAIよりも前に構想されていたとされるプロジェクトで、ブロックチェーン技術を社会問題の解決に応用することを目的としている。
その焦点は「本人確認」の脆弱性にあり、「World」では網膜スキャンによって人間であることを匿名で証明する「World ID」を発行する。
このIDを作成したユーザーには、World専用のブロックチェーン「World Chain」上でトークンが付与される仕組みだ。
そのためには、オーブの大量生産が必要となる。現在、アメリカ・テキサス州に工場を建設中で、年内には全米人口の半数をカバーする体制を目指している。
対象都市は今後さらに広がり、以下の地域も加わる予定だ。
シアトル、オーランド、サンディエゴ、ラスベガス。
このような展開とともに、他のAI関連トークンにも注目が集まっている。以下に、今後の上昇が期待されるAI仮想通貨を3つ紹介する。
MIND of Pepe(MIND)──初のAIエージェント型ミームコイン
MIND of Pepeは、AI技術とミーム文化を融合させたユニークな仮想通貨プロジェクトだ。単なるネタコインにとどまらず、実用性のあるユーティリティトークンとしての側面も備えている。
2025年5月には、SNS「X」上でAIエージェント「MIND」がローンチ予定だ。学習を重ねることで、最終的にはMINDトークン保有者に直接マーケット分析などの情報を提供するようになる。
さらに注目すべきはトークノミクス(トークンの経済設計)で、MINDエージェントが全体の25%にあたるトークンを保有し、自ら新たなトークンを発行する権限を持つ。
つまり、MINDは自律的に再生産可能なミームという新しい形を提示している。
プレセールの最終フェーズに入り、価格は年末までに0.00988ドル(約150円)まで上昇する可能性があるとして注目を集めている。
Bittensor(TAO)──分散型AI学習の基盤を構築
Bittensorは、機械学習モデルをブロックチェーン上で共有・学習できる分散型マーケットプレイスを提供している。
AI開発における基礎技術や言語構造の構築に取り組み、革新的な手法を導入することで、人工知能の進化を支える土台を築いている。
特徴的なのは、開発者が自由なアプローチで問題を解決できる柔軟性があることだ。従来の制約を排除し、創造的なソリューションが生まれる環境を整えている。
TAOトークンは現在372ドル(約56,800円)で取引されており、1日で4.54%、1週間で12%以上の上昇を見せている。時価総額ではトップ30目前に迫っており、今後の成長が期待される。
Artificial Superintelligence Alliance(FET)──AI技術を統合する連携プロジェクト
FETは、Fetch.ai、SingularityNET、Ocean Protocolの3社による共同プロジェクトだ。人工汎用知能(AGI)の分散型エコシステム構築を目指している。
この連携により、AIエージェントの連携やクロスチェーンの相互運用を可能にするモジュール型ブロックチェーンを提供している。スケーラブルで再利用可能なインフラとして、他のAIプロジェクトの基盤となることを目指している。
構成要素としては、
- ASI Data
- ASI Compute
- ASI Zero
将来的にはAIエージェントとアプリケーションのローンチ支援を行う「ASI Create」も展開予定だ。
FETは過去1週間で21%上昇しており、「World」プロジェクトの発表によりさらなる上昇が見込まれる。
アルトマン氏の「World」がAI仮想通貨市場の成長を後押し
AIの時代が本格化し、その基盤にはブロックチェーン技術がある。
※本記事は投資助言を目的としたものではなく、あくまで情報提供を目的としている。投資判断は自己責任で行ってほしい。
ただし、ここで紹介したプロジェクトは、AIとブロックチェーンの融合による新しい可能性を示すものだ。アルトマン氏は、1年以内にアメリカ人口の半数、約1億8,000万人にWorld IDを普及させることを目指している。これが現実になれば、AI仮想通貨市場はさらなる加速を見せる可能性がある。
