
5月最終週、暗号資産市場では直近の上昇を受けて利益確定の動きが強まり、取引活動が一時的に鈍化した。
しかし、この小休止のなかでも、一部のアルトコインは「クジラ」と呼ばれる大口投資家の注目を集めている。6月に向けた価格上昇を見越し、積極的な買いが進められている。
Solaxy(SOLX)
人気のプレセール銘柄であるSolaxy(SOLX)は、4,330万ドル(約67億円)を調達し、今後2週間以内に暗号資産取引所へ上場予定となっている。
投資家は現在も公式サイトで、SOL、ETH、BNB、USDT、または銀行カードを使ってSolaxyトークンを購入できる。AndroidおよびiOS向けのBest Walletアプリでも購入可能だ。
Solaxyは、Solana(ソラナ)向けに構築された初のレイヤー2スケーリングソリューションである。トランザクション(取引)を独自のチェーンで処理し、ネットワーク全体の処理能力を向上させる。
この仕組みは、ロールアップ技術を用いて複数の取引をまとめて処理し、ネットワーク混雑時の遅延や失敗を大幅に減少させる。
また、開発者が分散型アプリケーション(dApps)を迅速かつ柔軟に開発・展開できるよう、多様な開発ツールも提供されている。ミームコイン取引から高度なDeFi(分散型金融)プラットフォームまで幅広く対応する。
Solaxyは独自の分散型取引所(DEX)も立ち上げており、これは同プロジェクトの“エコシステムの中核”と位置づけられている。
このDEXは、Solaxyが提供する初心者向けトークン発行プラットフォーム「Igniterプロトコル」と直接連携しており、プログラミング知識がなくても数ドルで簡単にトークンを発行できる。
トークンがIgniter上でのボンディング(初期流動性供給)を完了すると、すぐにDEXへと流通し、即座に取引可能になる。
現在、Solaxy Testnetが公開されており、Solana初のレイヤー2ネットワークを体験できる。このテストネットでは、同ネットワークの速度、スケーラビリティ、ユーザビリティが示されている。
本格的なIgniterローンチとDEX取引の開始も控えており、SolaxyはSolanaのロールアップ時代の幕開けを象徴する存在となっている。
Dogecoin(DOGE)
代表的なミームコインであるDogecoin(DOGE)も、6月の価格上昇を見込んでクジラが買い集めている資産のひとつだ。
1,000万DOGE未満の保有者が集中するウォレットにおいて、DOGEの買い増しが進んでいることが報告されている。
オンチェーン分析企業Santimentによると、過去1週間でこのグループによるDOGEの保有量は3,000万トークン増加したという。
こうした大口投資家の動きは、個人投資家にとっても強い買いのシグナルとなることが多い。大規模な買いが市場全体の期待感を押し上げ、価格上昇につながる可能性がある。
買い圧力が継続すれば、DOGEは0.206ドル(約32円)まで上昇する可能性がある。
一方で、クジラの買いが止まり売却が進めば、0.175ドル(約27円)付近まで下落する恐れもある。
Avalanche(AVAX)
レイヤー1(L1)コインであるAvalanche(AVAX)も、クジラの保有対象として注目を集めている。
過去7日間で、大口保有者によるAVAXのネットフローは474%増加した。
ネットフローとは、ある資産において0.1%以上の供給量を保有するウォレットが、一定期間中に買い集めた量と売却した量の差を示す指標である。
この数値が上昇しているということは、AVAXを保有する大口アドレスにより多くのトークンが流入していることを意味し、同資産への信頼が強まっているとみられる。
この傾向が継続すれば、AVAXは24.28ドル(約3,770円)まで反発する可能性がある。
ただし、利確売りが進んだ場合には、14.66ドル(約2,280円)付近まで下落するリスクもある。
Quant(QNT)
Quant(QNT)は、今週の市場全体の下落傾向に逆行し、7%の上昇を記録した。
約10%の急騰は、機関投資家とDeFiエコシステムを接続するレイヤー2.5ネットワーク「Overledger Fusion」のローンチによる影響とみられている。
この発表により、QNTを保有する大口投資家のネットフローは1,083%急増した。
この動きは、短期的な価格上昇への期待感が高まっていることを示しており、今後も買いが進めばさらなる上昇が見込まれる。
買いが継続すれば、QNTは115.20ドル(約17,900円)に達する可能性がある。
一方で、売却圧力が強まれば、101.87ドル(約15,800円)を下回り、93.52ドル(約14,500円)付近まで下落する可能性もある。
