
2025年第2四半期の序盤に仮想通貨市場が力強く上昇した後、米国の雇用統計で3月・4月の採用鈍化が示されたことを受け、やや落ち着いた動きを見せている。それでも投資家の市場心理は依然として強気で、時価総額は3.41兆ドル(約538兆円)で推移しており、2か月間で36%上昇している状況だ。
次なる上昇に備え、多くの投資家が有望な仮想通貨を探している。以下では、2025年に注目を集めているプレセール、DeFi(分散型金融)、ミームコインの分野から、特に注目すべき5つのトークンを紹介する。
BTC Bull Token(BTCBULL)
BTC Bull Token(BTCBULL)は、ビットコインの価格動向に直接連動するユーティリティを備えたBTCテーマのミームトークンである。プレセール開始から数か月で、すでに690万ドル(約10億8,700万円)以上を調達している。
GM Bulls. Checkmate incoming. ♟️🐂 pic.twitter.com/t6XHItlCof
— BTCBULL_TOKEN (@BTCBULL_TOKEN) June 9, 2025
最大の特徴は、価格マイルストーンに応じた報酬制度だ。ビットコインが初めて12万5,000ドル、17万5,000ドル、22万5,000ドルに到達した際には、BTC Bull Tokenが戦略的にトークンをバーン(焼却)する。さらに、15万ドルと20万ドルに達したタイミングでは、保有者にビットコインがエアドロップされる予定となっている。
最大のイベントは、ビットコインが25万ドルに到達した際に、BTC Bull Tokenの供給量の10%が初期の購入者に配布されるというものだ。配布量はプレセール時の購入額に応じて決定される。
また、BTC Bull Tokenはステーキングによるパッシブインカムも提供しており、最大年利58%のAPY(年率利回り)を得ることができる。現在までに約18億トークンがステーキングされている。
アナリストのオースティン・ヒルトン氏は、BTC Bull Tokenを「ユーティリティを内包した有望なミームコイン」と評しており、ビットコインとの連動性が長期的に強みになると指摘している。ビットコインの価格が10万5,000ドルを超える中で、BTCBULLは投機的でありながらも構造的な投資先として注目されている。
Aave(AAVE)
Aave(AAVE)は、ユーザーが仲介者なしで仮想通貨の貸借を行える分散型流動性プロトコルである。フラッシュローン(瞬間融資)や金利変更といったスマートコントラクト技術により、DeFi分野で重要な地位を築いている。
最近の市場調整にもかかわらず、AAVEは過去1か月で20%上昇した。この上昇は、ロックされた資産総額(TVL)が過去最高を記録し、244億ドル(約3兆8,500億円)を超えたことに起因している。
人気X(旧Twitter)アナリストのFinish氏によれば、AAVEの価格はTVLに連動する傾向があるとのこと。同氏は今後3年以内にTVLが2,000億ドル(約31兆6,000億円)に達すると見込んでおり、それに伴いトークンの長期的な上昇も期待されている。
過去12か月でAAVEは172%上昇しており、現在は250ドル(約3万9,500円)を超えて取引されている。これは2021年5月に記録した最高値661ドル(約10万4,400円)からは61%下回っているものの、回復基調と採用拡大、将来的な上昇余地を併せ持つ点で、DeFi復活の中心となる可能性がある。
TVLの成長が続き、機関投資家が分散型融資市場に関心を寄せる中、AAVEは引き続き堅調な成長を見せると予想される。
Snorter(SNORT)
Snorter(SNORT)は、ソラナ上に構築されたTelegram対応の取引ボットトークンで、プレセール開始から1週間で60万ドル(約9,500万円)以上を調達している。操作性と速度に優れたこのボットは、ソラナネットワーク上での自動取引を、業界でも最も低い手数料で実現することを目的としている。
標準取引手数料は1.5%だが、一定以上のSNORTトークンを保有することで0.85%まで引き下げられる。この価格設定は、標準1%の手数料を設定するBONKbotやMaestroと比べても競争力がある。
今後は、自動スナイプ(狙い撃ち)機能、コピー取引ダッシュボード、不正トークン検出(ラグプル検出)などが導入される予定だ。また、SNORTトークンでの報酬を提供するコミュニティ大会や紹介キャンペーンも予定されている。さらに、ガバナンス権や投票権もSNORT保有量に基づいて付与される。
ステーキング機能により、最大529%の年利が得られる仕組みも整備されており、すでに470万トークン以上がロックされている。仮想通貨系YouTuberのClayBro氏は、低手数料モデルと多機能ロードマップにより、Snorterがソラナ系取引ボット市場で確固たる地位を築く可能性があると述べている。
ボット取引が注目を集める中、Snorterのローンチは好機といえる。
Quant(QNT)
Quant(QNT)は、複数のブロックチェーンや企業システムをシームレスに接続する相互運用性プロトコル「Overledger Network(オーバーレッジャー・ネットワーク)」を支えるトークンである。金融分野を中心に、分散型技術の実社会への適用を目指している。
2024年第4四半期にQNTは56ドル(約8,800円)から170ドル(約26,800円)近くまで急騰したが、2025年第1四半期には調整局面に入り、4月には60ドル(約9,500円)まで下落した。その後は持ち直しており、現在は118ドル(約18,600円)で取引されている。直近2か月で約2倍、過去30日間では24%上昇している。
テクニカルアナリストのCrypto Front氏は、QNTチャートに「カップ・アンド・ハンドル」パターンが形成されていると指摘し、200ドル超のブレイクアウトを予測している。また、アナリストのSun Liao氏は、2025年末までに664ドル(約10万5,000円)への上昇を予測しており、2021年に記録した過去最高値427ドル(約6万7,600円)を大きく上回ると見ている。
短期的な変動はあるものの、企業向け利用に注力している点と技術的な強さから、Quantの長期的な見通しは明るいといえる。
SPX6900(SPX)
SPX6900(SPX)は、Ethereum、Solana、Baseといった複数ネットワークに展開されているミームコインである。S&P 500をモチーフとしつつも、仮想通貨文化に寄せたデザインが特徴で、すでに時価総額10億ドル(約1,580億円)を超える規模に成長している。
過去1年間で12,400%の上昇を記録し、直近1か月でも72%、2週間で42%の上昇を見せている。こうした勢いから、SPXが近くBONKを抜き、時価総額で第5位のミームコインになるとの観測もある。
現在の価格は1.27ドル(約200円)で、最高値1.72ドル(約270円)から26%下に位置しているが、人気アナリストのAltcoin Sherpa氏は、SPXを現時点で最も強い銘柄のひとつと評価しており、さらなる上昇の可能性に言及している。
一方、BONKは直近7日間で6%下落しており、時価総額は12億ドル(約1,900億円)とSPXとの差は小さい。新たなミーム銘柄を探す投資家が増える中で、SPXの成長性やブランド力、クロスチェーン対応力は無視できない要素といえる。
