リップルは今年7月以降、弱含みの相場展開が続く中、心理的節目である2ドルの回復に苦戦している。
同社が提供する暗号資産XRPは高値と安値を切り下げる下落基調にあり、すでに年初来で約半分下落し、足元では1.85ドル前後で推移している。
市場では、年末までにXRPが再び2ドルを回復できるかどうかが焦点となっている。
弱いマクロ経済環境や、機関投資家によるデジタル資産への慎重姿勢を背景に、XRPは約8カ月ぶりの安値圏で取引されている。
一方で、XRPの上場投資信託(ETF:取引所で売買できる投資信託)の登場は、機関投資家の関心を大きく集めている。
XRP ETFは約11億ドル(約1650億円)の運用資産残高(AUM)を集め、同時期にビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のETFが大幅な資金流出に見舞われた点と対照的だ。
この動きは、実需を伴うプロジェクトへの需要が高まりつつあることを示している。
弱気相場の中でも底堅さを見せているのがBitcoin Hyperで、既存銘柄が下落する中でも下値を限定的に抑えている。
同プロジェクトの調達額はすでに2970万ドル(約445億円)に達しており、2026年までに3000万ドルの達成を目指している。
XRP ETF、火曜日に約4390万ドルの資金流入
XRP ETFは上場以降、これまで一度も純流出を記録せず、堅調な資金流入が続いている。複数のXRP ETFを合計すると、ローンチから数週間で約11億〜12億ドル(約1650億〜1800億円)の純流入を集めた。
火曜日には約4390万ドル(約66億円)が流入し、12月としては最大級の資金流入日となった。その一方で、ビットコインETFとイーサリアムETFは、先週だけで合計10億ドル超の資金流出を記録している。
XRP ETFはBTCやETHのETFを明確に上回る資金動向を示しており、大口投資家の関心が向いていることは明らかだ。しかし、XRPの価格は上昇に転じておらず、1.9ドル前後で停滞している状況が続いている。
背景にあるのがETF特有の仕組みだ。ETFへの資金流入は、即座に暗号資産市場でXRPを買い付けることを意味しない。多くの場合、仲介業者や既存流動性を活用するため、価格への影響が時間差で表れる。その結果、強い機関投資家需要があっても、短期的に価格上昇へ直結しないケースが生じている。
XRP価格予測:2ドル反発か、1.50ドル下落か
XRPの価格は現在1.80〜1.95ドルのレンジで推移しており、直近7日間では約3.47%下落している。
時価総額は約1110億ドル(約16兆6500億円)まで縮小し、24時間取引高は約21億4000万ドル(約3200億円)にとどまっている。

テクニカル分析では、売り手が主導権を握る展開が続いている。
週末には一時的な反発を試みたものの、その後は上昇分をすべて失い、再び下落基調に戻った。
価格は重要な50日移動平均線を下回り、短期の10日線と20日指数移動平均線(EMA:指数平滑移動平均)が上値抵抗として機能している。
下値の目先の支持線は1.80ドルで、次の水準が1.75ドル、さらに深い下支えとして1.60ドル付近が意識されている。
一方、上値では1.90ドルが直近の壁となっており、短期的な最大目標は引き続き2ドルだ。
ビットコインの実用性変革を狙うBitcoin Hyper
弱気相場の中でXRP価格予測が伸び悩む一方、Bitcoin Hyperは実需を備えた比較的低リスクの投資先として注目を集めている。
同プロジェクトは2025年最大級の暗号資産プレセールとして浮上し、ビットコインの実用性市場2兆ドル規模を視野に入れている。

Bitcoin Hyperは、ビットコイン本体の仕組みを変更せずに利便性の問題を解決する点が特徴だ。
メインネットを改変するのではなく、その上に高速なレイヤー2を構築する方式を採用している。
このレイヤー2はSolana Virtual Machine(SVM:ソラナ互換の仮想マシン)を活用し、毎秒数千件の取引処理と極めて低い手数料を実現する。
利用時には、ユーザーが安全なブリッジを通じてBTCをBitcoin Hyperへ移動する。
入金が確認されると、同量のBTCがHyperネットワーク上で発行され、即時送金や取引、アプリ利用が可能となる。
資金を戻す際は、再びBTCをビットコインネットワークへ戻すだけで完了する。
この構造により、ビットコインは高い安全性と最終決済に専念し、Bitcoin Hyperが速度や日常決済、オンチェーン活動を担う役割分担が成立している。
3000万ドル到達目前で需要が急拡大
Bitcoin Hyperはプレセール開始以降、安定した需要を維持している。
ローンチから数カ月で調達額は3000万ドル目前まで迫り、既存銘柄からより安全性の高い選択肢へ資金を移す大口投資家の動きが目立つ。

ビットコイン初の実用的なレイヤー2として設計された同プロジェクトは、長年指摘されてきた実用性の課題に正面から取り組んでいる。
現在のプレセール段階では、HYPERトークンの価格は1枚0.013475ドルで、次回の価格引き上げは24時間以内に予定されている。






