
コインベース(Coinbase)によると、Fortune500企業におけるブロックチェーン活用が拡大しており、各企業が取り組むオンチェーン・プロジェクト数は平均5.8件から9.7件に増加し、前年比で67%の成長を示した。
2025年第2四半期の「State of Crypto」レポートでは、ブロックチェーン技術が実験段階を越え、企業活動の中核──決済(47%)、サプライチェーン管理(44%)、オンチェーン・インフラ(40%)──に組み込まれつつある現状が示された。
Fortune500企業がWeb3に本格的に取り組むことで、仮想通貨は投機対象から実用的なインフラへとその価値を拡大している。
Fortune500企業の38%がブロックチェーンを収益源と認識──ステーブルコイン保有者は1.61億人以上に
レポートによれば、Fortune500企業の38%が、ブロックチェーン技術を新たな収益源の創出手段として捉えており、全プロジェクトのうち37%はまだ構想段階にある。
この動きは大企業にとどまらず、中小企業(SMB)の34%も何らかの形で暗号資産を導入している。ステーブルコイン(価格が安定した仮想通貨)への関心は特に高く、導入を検討している企業は前年比32.8%増の81%に達した。
現在、ステーブルコインの利用者数は1億6,100万人以上にのぼり、これは世界の10大都市の総人口を上回る規模だ。
この普及率は、X(旧Twitter)の日間アクティブユーザー数に匹敵し、仮想通貨が日常生活に浸透していることを示している。こうした企業による導入は、新たなブロックチェーン・ソリューションへの需要を促し、以下のような革新的な仮想通貨プロジェクトに追い風を与えている。
1. Solaxy(SOLX)──Solana L2のローンチ直前で4,710万ドルを調達
SOLXは、Solanaのレイヤー2(L2)ネットワーク「Solaxy」の基盤となるトークンで、6月16日のネットワーク立ち上げと同時にプレセールも終了予定だ。
L2ローンチおよびトークン生成イベント(TGE)に先立ち、Solaxyはすでに4,710万ドル(約73億7,000万円)を調達しており、2025年で最も注目される仮想通貨プレセールの一つとなっている。
Approaching Lightspeed! 🚀
47M Raised! 🔥 pic.twitter.com/Iw3eKAhbN3
— SOLAXY (@SOLAXYTOKEN) June 11, 2025
Solaxyの魅力は、Solanaのスケーラビリティ問題への対応にある。ロールアップ技術を活用して取引をオフチェーンで処理し、Solana本体へまとめて記録することで、ピーク時の取引遅延や失敗を大幅に抑制する。
実際、2025年1月にはSolanaのネットワーク利用が30倍に急増した影響で、Coinbaseでの取引113,000件以上が遅延した事例もある。
Solaxyはまた、Solana、Ethereumと連携したクロスチェーン・Web3ハブを目指しており、Hyperlaneとの提携によって高速な資産移転が可能となる。
現在のプレセール価格は0.001752ドル(約0.27円)で、取引所上場後には最大0.032ドル(約5円)まで上昇する可能性があり、最大1,726%の上昇が期待されている。さらに、ステーキング報酬(86%)やガバナンス権も付与される。
2. Ravencoin(RVN)──リアル資産トークン需要の高まりで1週間で85%上昇
過去1週間で85%上昇したRVNは、Ravencoinブロックチェーンのユーティリティトークンであり、注目に値する存在だ。
Ravencoinは、リアルワールドアセット(RWA)──不動産、コレクション、証券など──をトークン化するために設計されたブロックチェーンで、複雑なスマートコントラクトを不要とし、シンプルなオンチェーンコマンドで資産を発行・移転できる。
RWA市場は2025年末までに500億ドル(約7兆8,000億円)規模に成長すると予測されており、Ravencoinはこの分野での実用性が際立っている。
また、Proof-of-Work(PoW)による分散型運営とASIC耐性を持ち、公平なマイニング環境を実現している点も評価されている。
RVNはトランザクション手数料や資産発行、投票機能にも活用されており、現在はMEXC、バイナンス(Binance)、Bybitなどで0.020ドル(約3.1円)前後で購入可能。
3. Snorter Token(SNORT)──新型TelegramトレーディングBotの中核
2025年に注目される新たな仮想通貨の一つであるSnorter Token(SNORT)は、ミーム性に富むだけでなく、Telegramベースの取引支援Bot「Snorter Bot」の中核を担う存在だ。
Eyes glued to the charts.
Veins pumping espresso.
Manifesting green candles. pic.twitter.com/5CdiJrSIYx— Snorter (@SnorterToken) June 11, 2025
Snorter Botは2025年第3四半期にローンチ予定で、ミームコイン取引を簡単かつ迅速に行えるツールとして開発が進められている。
スナイピング、自動取引、リミット注文、コピー取引など高度な機能に対応し、取引手数料も0.85%と低水準。MaestroやTrojan、Banana Gun、Bonk Botなどの競合Botの1%以上の手数料と比較しても優位性がある。
さらに、ハニーポット検出やラグプル(詐欺的出金)検出機能、MEV(最大抽出可能価値)保護機能も搭載し、安全性にも配慮されている。
開発資金として全トークン供給量の30%が確保されており、今後も機能追加とセキュリティ強化が予定されている。
SNORTは現在プレセール中で、価格は0.0949ドル(約15円)。ステーキングによる年率467%の報酬も受け取れる。
4. Pythia(PYTHIA)──AI×脳科学研究に資金提供、1週間で49%上昇
PYTHIAは、AIとバイオテクノロジーを結びつけた新興プロジェクト「Pythia」の中核通貨であり、過去1週間で49%上昇した。
このプロジェクトは、ラットの生体脳とAIを接続する実験で注目を集めており、PYTHIAはその研究資金として活用されている。
2024年12月にコミュニティ主導のミームコインとして誕生したPYTHIAは、Neiry Biotech(ナイリー・バイオテック)に一部供給が寄付されたことをきっかけに、正式な研究支援通貨としての地位を確立した。
脳波(EEG)データと神経インプラントによるリアルタイムデータの取得を通じて、AIとのインターフェースを試みるこのプロジェクトは、ネット文化と科学の融合という新たな資金調達モデルを提示している。
RaydiumやMEXCといった取引所で、現在0.028ドル(約4.3円)で購入可能。保有者は将来的なエアドロップ報酬の対象にもなる。
仮想通貨は「投機」から「実用」へ──F500企業を超え広がる応用例
ブロックチェーン業界の成熟に伴い、データはその進化を如実に示している。F500企業から実験的な研究所まで、仮想通貨は単なる投機手段から、現実社会に機能するテクノロジーへと移行している。
SolaxyのL2ネットワーク、Ravencoinの資産トークン化、Snorter TokenのBot取引、PYTHIAのAI研究支援──いずれも具体的なユースケースを通じて長期的な価値を提供するプロジェクトだ。
とはいえ、最終的な成否は未知数であり、読者自身によるリサーチ(DYOR)と慎重な投資判断が求められる。
